「文学横浜の会」

 文横だより

<7月号>

過去の「文横だより」

平成25年7月9日


政権が代わると死者が出るほどの混乱が起こる国家があり、
政権を批判すると反逆罪に問われる国家がある。

そんな国家に生まれなかった幸運をかみしめつつ、
というのも人口に膾炙した憲法があるからだと想う。

どの条文を変えたいかの議論もなく、
ただ「変えろ、変えやすくしろ」との先走りは、
「原発は安全だ」と、そればかりを言い続けたと同じで論理ではないか。

           ★

文横だより2013年7月号を送ります。

◆出席者
 浅田、遠藤、岡部、金田、河野、佐藤、篠田、清水、山下、皆川(*)/藤野
 (注;皆川さんは今回初めて出席された方です)

◆読書会テーマ
 「蛍川」宮本輝、担当者(遠藤)
 7月6日(土)18時〜

 宮本輝の処女作(泥の河)太宰治賞、2作目(蛍川)芥川賞の作品ということもあり、作者の作品にかける意気込みを感じさせる作品になっていると思う。
「川三部作」と言われ、各土地土地の「川」の人間ドラマが巧みな表現を用いて表現されていると思う。
蛍川の結末は、儚い命の「蛍」が最後の力を振り絞って辺りを照らすぐらいの光を放つ。
この光は未来を照らす光なのか、滅びる前の一瞬の輝きなのか?

読者の意見
【蛍川】
・彼の三部作、表現が卓越している。さすが生活を投げ打ってまでこの小説に掛けた情熱が伝わる作品である。
・これは、父親への「憧れ」、「憧憬」の物語である。自らの自伝的小説である。
・これは夫婦の物語である。また、作者(宮元輝)と同年代の団塊世代は、時代背景、情景を思い浮かべやすい。
・子供が欲しいために、20年付き添った妻を捨て、自らの子供がいる女と一緒になった父。また捨てられた妻は、憎みこそすれ、元夫の子供をわが子のように扱う。元妻の居たたまれなさが伝わってくる。
・蛍の乱舞のシーンは、「屍」というよりも「太陽のエネルギー」を感じた。
・井上靖の「あすなろ物語」を思い出した。
・願掛けがこの小説の肝になっている。(見られたら、大阪に行く→人生をやり直す)
・弱冠30歳の若さで、この作品を書き上げたのはすごい。人生経験が違う。

【泥の河】
・アイデアがいい。人物、自然描写がすごい。
・家族が重いものを背負っている。
・性、死が随所に作者なりの表現で料理されている。
・初期の短編の作品は濃い。
・子供の気持ち、素直さ、残虐性をよくここまで書けると感心する。

    以上、遠藤記

◆次回
 9月7日(土)18時〜
 読書会担当者は河野さんです。
 (テーマは「おはん」著者名 宇野千代
  中央公論社等)

◆その他
 ・8月は休み、次は9月です。
 ・10月の読書会担当者は浅田さんです。
 ・45号の原稿締切は9月末です。

(金田)


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