「文学横浜の会」

 文横だより

<12月号>

過去の「文横だより」

2013年12月9日 更新


問題を含みながら特定秘密保護法はどうやら国会を通った。
TPPはこの何か月かで内容が明らかになるだろう。

どちらも日本のこれからに大きな影響を与えそうだが、
どう言う影響なのか、それが問題なのだ。

一方、防空識別圏問題で、俄かに日中韓がギスギスしているが、
「東シナ海を日中友好の海にしよう」との国会議員はいなくなったのだろうか。

日米の絆を強く、と言うのはいい。
しかしそれだけで日本の将来を委ねるのは危うくはないか。

中国もアメリカも、当然の事ながら自国の利益が最優先だ。
日本も水面下では…、と言ったしたたかさが必要では?

           ★

文横だより2013年12月号を送ります。

◆出席者
 浅丘、遠藤、河野、金田、佐藤、篠田、清水、山下

◆読書会テーマ
 <或る「小倉日記」伝>松本清張、担当者(山下)
 12月7日(土)18時〜

 松本清張は生涯千篇を越える作品を書き残した。文芸春秋版の全集は66巻延べ3万ページを越える。 芥川賞を受賞した「或る小倉日記伝」は第2作目で、膨大な著作のいわば源流の一滴とも言うべき作品である。

 資料として芥川賞の選評をつけたが評価が大きく分かれている。佐藤春夫、川端康成、が高く評価し、 特に坂口安吾が「この文章は甚だ老練で、実は殺人犯をも追跡しうる自在な力がある」とその後の清張文学を予見するような評を残している。

 今回の読書会においても、当然のことながら意見が分かれた。
「文学としての感動がなかった」「母と障害のある子の深い繋がりの内面的な描写が弱い」「純文学としては人間の心理追及に乏しい」 「障害者のこと、母の愛、恋人のこと、色々なファクターが詰め込まれているけど、展開がなく退屈」

 一方では「取材の大切さを再認識した」「虐げられた人の執念が良く描かれていた」との意見もあった。
 私としては「過不足のない文章」「冷静で落ち着いた文章」は手本にしていきたいし、それ以上に膨大な作品集を昭和のノスタルジアを感じながら老後の楽しみとして読み続けていきたい。

    以上、山下記

◆次回の予定;1月11日(土)
  17時 ホームページの活性化について意見交換
  18時 読書会
  19時 新年会

 18時からの 読書会担当者は佐藤さんです。
 (テーマは「やまあいの煙」重兼芳子作 文春文庫)
 既に絶版のため新本は入手出来ない可能性あり、
 入手は図書館、またはAMAZON、「日本の古書店」等古書市場で。

◆その他
 ・Webに掲載する随筆(短くて結構です)を募集しています。
 ・2月の読書会担当者は金田です。
 ・45号の2校は届き次第郵送します。
  45号に載せる「後記」もお寄せ下さい。(なるべく年内に)

(金田)


[「文学横浜の会」]

禁、無断転載。著作権はすべて作者のものです。
(C) Copyright 2007 文学横浜