「文学横浜の会」

特集

「 箱 根 駅 伝 」



    目次
2013年のみどころ H24.12/14

予想 H24.12/14
 ・優勝に最も近いチーム
 ・対抗として
 ・波乱を起こすとすれば
 ・上位を窺うのは
 ・先ずはシード権

 振り返って H25.01.12
 <往路>
 <復路>
 

2013年の見どころ

ー2013年箱根駅伝出場大学ー
 <シード校>
 東洋大、駒大、明大、早大、青学大
 城西大、順大、中大、山学大、国学大
 <予選会上がり>
 日体大、帝京大、中学大、大東大、上武大
 神大、日大、法大、東農大

 今年はと言うか今回は駒沢大と東洋大の一騎打ちとなる可能性が強い。 両校とも持ちタイムを比べても遜色ないし他校を圧倒している。

 両校を追うとしたら早稲田大だ。 持ちタイムや高校時代の実績から言っても駒沢大と東洋大と比べても決して見劣りしない選手を集めてはいるが、 今年の各レース結果を観ても元気がないのが気になる。毎年それなりの実績のある高校生が進学している割には、 87回(2011年)の優勝からチームとして進歩していないように見受けられるがどうした事か。

今回は山登りの東洋大・柏原選手が卒業した後のレースで、山登りで一体どんな展開になるのかにも関心が集まる。 同じように過去に絶対的な強さを発揮した順天大・今井選手のような選手が出て来るのかを含めて、今回の山登りに目が離せない。

無論、持ちタイム通りにはいかないのが箱根駅伝だから他の大学から優勝チームが出る可能性はある。 今年の出雲駅伝で優勝した青山大でも判るように、展開次第では…。だから大学駅伝は、箱根駅伝は面白い。

毎回言っている事だが、箱根駅伝の各区間が20キロ余りのレースでは、同じような実力の選手でも、 体調やその日の調子によっては1・2分の差がでるし、ブレーキをおこせばもっと大きな差がつく。 だからこの三校以外から優勝チームがでない訳ではない。むしろそうなった方が見ている方は面白い。

10日にエントリーされた1年生の数によって書くチームの傾向が垣間見れるが、なんと言っても明治大と青山大だ。 それぞれ最多の5人づつエントリーしているが、昨年も両校は最多の6人をエントリーしていたことからして、 若いこれからのチームだと思わせる。無論この中の何人が起用されるかは判らないが、2チームの今後の動向が気になる。

近年の高速化傾向によって一年生がいきなり活躍するのは難しくなったが、それでも新しい選手の登場を期待したい。 それに5区で新しいヒーローが生まれるのかも注目だ。

<予想>

 毎回のことながら1月2日、3日の本番に向けていかにコンデションを整えるかの勝負、と解ってはいるが、 予想するのは楽しい。

 今回は東洋大と駒澤大の勝負になると大方の予想通りだと思う。

 シード権争いも予断を許さない。 実力もあり連続出場している箱根の名門校でも油断はできない。各校の実力は接近しており、一区間の失敗でも非情な結果が待っている。 優勝候補に上げた2校以外は全てシード争いに巻き込まれる可能性があり、その2校にしてもアクシデントに見舞われれば、 シード落ちの可能性もある。今回もシード争いが面白くなるだろう。

そうした中で、やはり箱根の名門校の一つである中大が連続シード権を確保できるかも見ものだ。 連続28回のシード権を維持していると聞くが、例え優勝候補と挙げられていた大学でもシード落ちのケースを見ているだけに、 それだけでも注目に値する。

前回は13チームが往路一斉スタートとなったが、今回は見た目の順位が順位となるようなレースを期待したいが、 果たしてどうなるだろう。

・優勝に最も近いチーム

 東洋大と駒沢大の勝負になる。

 両校とも5区に誰を起用するかが未定で、往路はその結果による。少なくとも前回の東洋大・柏原のような差は望めないので、 勝負は復路に持ち越すだろう。箱根駅伝は距離が長いだけに選手の意気込みや、本場までの調整力等が大きく作用する。 どちらが有利かは神様の知る処だが、勝手な予想としては東洋大が有利と予想する。
両校とも5区で失敗レースをすると、圏外に沈む可能性はある。

・対抗として

 対抗としては早稲田大、青山大、明治大だろう。

 <早稲田大>

 高校時代に実績のある選手が数多く入学しているのにチームとして元気がないのはいつも疑問が残る。 大エースの大迫選手それに前回5区で好走した山本選手はいるが、他の選手が伸びていないか、 或いは調整が上手くいかないと言うことなのだろう。 だが実力のある選手がいるのだから、波に乗れば優勝も…。

 <青山大、明治大>

 どちらも1年生が数多くエントリー入りした事からも判るようにこれからのチームだ。青山大はエース・出岐選手の存在は大きい。 が、今年は余りレースには出ていなかった事が気になる。充分に練習をこなしていたかどうか、 箱根のレースでは誤魔化しがきかないから少し気になる。

逆に明治大は大エースだった鎧坂が卒業してチームはどうなったか。 出雲駅伝ではスタートで躓いて思わぬ不覚をとったが、今年高校時代に実績のある選手が入学してこれからのチームだ。 思わぬエースが生まれれば優勝争いに絡めるかも知れない。

両校とも新しい力を頼りにするだけに、間違えばシード争いに…、との危険もある。

・波乱を起こすとすれば

 今回は5校以外で優勝を狙えるチームがなかなか浮かばない。 それだけ上位2校の力が突出していて、3校の力も他校より一歩ぬけていると思う。

・上位を窺うのは

 山学大、順大、中大、日体大、日大をあげる。

 順大、日体大は失敗しなければシード圏内にくる実力はあるが、一区間でも失敗すればシード落ちの危険はある。 過去に実績のあるチームだけに調整さえ上手くいけば上位も狙える。

 中大は山の上りをどう乗り切るかでシード争いに沈む危険もあり、前回の失敗を克服できれば目標の3位以内も見えてくるかも。 何れにしても大きな失敗があっても過去28回も連続してシード権を確保してきた実績は侮りがたい。

 山学大、日大はそれぞれ留学生の大エースがいてレースの流れを引き寄せる強みがあり、 流れにのって他の選手が力を発揮すれば十分に上位を窺える。しかし単純に総合力をみるとシード落ちもある。

・先ずはシード権

 城西大、国学大、帝京大、中学大、大東大
 上武大、神大、法大、東農大

 予選会を上位通過した帝京大、中学大がシードを取れるか? 優勝経験のある大東大、神大の復活はなるか?  国学大の連続シードなるか? 上武大、法大、東農大の悲願のシード入りなるか? と興味は多々ある。

 チーム状態次第、或いは他チームのレース次第によってはこれらのチームも上位に食い込むことも可能だ。 何はともあれ起用された選手が全てベストコンデションなら、どのチームにも上位を脅かす力はある。
 さて今年はどんなレースになるのか、 どんな新しい新人が出てくるか、大いに期待したい。

<振り返って>

 今回は強風による波乱に満ちたレースだった。その中で日体大の逞しいレース振りが印象に残る大会だったと言える。 直前のどの予想を見ても日体大が優勝すると予想した者はいなかったのではないか。 それだけ日体大のレース振りは鮮やかで戦前の予想を覆すものだった。

特に5区の服部選手の走りは気迫に満ちたもので優勝に直結した走りだった。

また5区で二人の選手が棄権した事でも判るように、低温強風の中での今回のレースは思わぬ結果を齎した。 棄権した二人を除いて、トップと最下位(18位)の選手との差が16分余、また17位との差が9分近くで、 今迄になく差が開いたレースで、5区での結果が順位に直結したと言える。

 新人が出て快走するケースは難しくなっているが、今回は神大の我那覇選手が新人で唯一区間賞を取った。 また記録なしで終わった中大の8区が幻の区間賞だった事も記憶にとどめたい。

今回の予想はみごと外れたが、本当に箱根駅伝に勝つ事は難しいのだと、改めて思う。

<往路>

 4区までは東洋大の描いた通りのレースだったのではないか。しかし5区で4分30秒余も早く走られてはトップを維持するのは難しい。 それだけ日体大・服部選手の気迫が勝っていた。 優勝候補の一つに数えられていた駒沢大は3区を終わった時点で2位といい位置をキープしていたが、 4区のブレーキで往路優勝の望みは絶たれた。

5区に入って1位は東洋大に約2分遅れて日体大、更に18秒余り遅れて早大が続いた。 この時点では前回5区を好走した早大・山本選手がどれ程前を詰めるかの興味だった。 日体大の服選手は実力のある選手ではあるが初めての山登りで、初めの内はどれだけ走れるのかとの興味で観ていた。 同じくトップを走る東洋大・定方選手も同じような目で観ていた。先輩の柏原選手と比べるには余りに気の毒だ。

暫くして早大・山本選手が前を行く日体大・服部選手を捉えた。そのまま差を広げるかと思われたが、服部選手は離れない。 平走が続いて、そのままトップの東洋大を捉えて、トップに立った。 暫く早大と日体大のトップ争いが続いたが、最高地点に辿り着いた辺りから日体大の気迫が勝り、さを広げていく。 そのまま2分以上の差をつけて日体大の往路優勝だった。

もう一つ、法大の5区の関口選手の走りが印象に残った。区間2位の走りで、チームを13位から5位に引き上げ、 結果的にはチームのシード権獲得に大きく貢献した。
5区の結果はチーム順位に大きなウエイトを与える。

<復路>

 復路の始まった時点では、2分余の差があるとは言え、何処で東洋大又は早大が差を詰めて行くかの興味だった。 東洋大の6区は前回区間賞だった市川選手でもあり、6区でどの程度差を詰めるかと観ていた。 が、結果的にはそれ程詰める事はできず、結局、日体大の往路の勢いを抑えるまでには行かなかったのが敗因だと思う。

トップを走る日体大は6区こそ区間6位だったが、それでも2位とはまだ2分余りの差で7区に繋いだ。 以降は堅実な走りで、結果的には7区・8区・9区とそれに10区の4区間での連続区間2位の走りは、トップを走る勢いだろう。 と言うよりチームの状態が良かったという事で、箱根駅伝は如何にチームのコンデション作りが大事だ、と言う事だ。

一方、優勝候補だった駒沢大はトップと約7分差の9位、復路でどんなレースをするかの興味になった。 流石優勝候補と言うか、6区で区間賞を取り、9区・10区の区間賞と併せて復路優勝。底力であり意地でもあるだろう。

今年も大いに楽しんだ。

結果:
<シード権>
1位;日体大、2位;東洋大、3位;駒沢大、4位;帝京大、5位;早大
6位;順大、 7位;明治大、8位;青学大、9位;法大、10位;中学大
<シード落ち>
11位;山学大、12位;大東大、13位;学選抜、14位;國學院、15位;日大
16位;神大、 17位;東農大、18位;上武大、19位;ナシ 、20位;ナシ
<棄権>
城西大、中大

(K.K)


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