「文学横浜の会」
特集
「 箱 根 駅 伝 」
2021年の見どころ
ー2021年箱根駅伝出場大学ー
今回の見どころは何といっても高速化と新人の台頭だろう。
新人の活躍次第では、今後の有力校の流動が起こるかも知れない。
前回の高速化はまだ目に焼き付いているが、天候次第と言う面もあるが、前回と同様な条件なら、
更なる高タイムが期待される雰囲気だ。所謂、靴の改良と各選手が靴に慣れた事もあるのだろう、
コロナの中の限られた記録会でも好記録が続出しているのもその理由だ。
それに今年は新入生に好記録の持ちタイムを持った新人選手が。例年より多い。
予選会で日本人トップになった順大・三浦選手を筆頭に、1万メートル28分30分を切る新人も数名。
私の知る範囲でこんな年は初めてだ。それだけ新人の台頭が楽しみだ。
各区間20キロを超すレースで経験値がものを言うから、そんなに期待してはいけないが…。
<予想>
今年、コロナの影響で各種記録会に部外者は見れないし、記録会や大会そのものが例年より少ない。
それに記録会の結果も全てが判るようにはなっていない。漏れ知る範囲での好記録の続出だが、
事前の記録会には出ないチームもある。よってチームの状況はよく判っていない。
チームの状況が判らないのは毎回の事だから、各校が提出したエントリー選手、
その持ちタイム、それに前回のレースと11月の全日本駅伝を参考にする。
先のオリンピック代表選考を兼ねた日本選手権では、
1万メートルでは駒大・田沢選手は27分40秒代の好記録で上位に食い込み、早大の2選手も27分台の好記録だった。
ちなみに1位、2位は前回の箱根駅伝2区で好記録をだした前東洋大・相沢選手と前東国大・伊藤選手だ。
また5千メートルでは中大・吉居選手がU20の新記録で3位に入賞した。
それにしても各校からエントリーされた選手の持ちタイムは、今までで最高だ。
各校上位10人の持ちタイムが28分台のチームが10チームもある。無論、1万メートルの持ちタイムだから、
あくまでも参考だが、長距離選手のレベル向上は確かだ。
中でも駒大の新人4人が28分30秒かそれ以下と言うから凄い。
今までなら何れもスーパー新人と喧伝された記録だ。20キロ超すレースでどこまで通用するかどうかは別だが、
どんな結果を出すのか楽しみでもある。
・優勝に最も近いチーム
東海大、青学大、駒大
優勝チームを予想するのは今回はとりわけ難しいが、有力チームとして、上記3校とみる。
記録的には駒大が有利だが、箱根駅伝と言う距離と山のレースでは経験値が大切で、記録だけでは判断できない。
スタートに躓かず、山を無難に戦えば、この3チームなら優勝可能だ。
新人が数値通り、或いはそれ以上の活躍をすれば、或いは山登りで上位の記録で走れば、そのチームが優勝に近くなる。
東海大は持ちタイムこそ他校に比べて劣るが、全日本大学駅伝で2位の実績は侮れない。
青学大はやはり実績から外す事は出来ないが、勢いは感じないのがさみしい。
駒大は全日本大学駅伝で優勝した実績で他校からマークされるが、新人の活躍次第では優勝もあり得ると予想する。
いずれの大学が優勝するにしろ今回も山登りが大きなウエイトを占めると思える。
・対抗として
早大、明大
両校とも、総合力で戦いたいところだ。山登りでのタイムによってはトップ争うに割り込む力は秘めている。
早大は2人の27分台の選手がいるが、タイム通りの走りが出来るかと、高校時代実績のある選手が多いだけに、
流れに乗ればとの期待もある。
明大は総合力で戦うだけに、スタートで遅れない事と、どのチームにも言える事だが、失敗区間を作らない事だ。
・上位を窺うのは
順大、中大、東洋大
順大と中大は予選会の勢いと新人の活躍が期待される。新人が活躍すればチームも活気づき、
あるいは結果によっては今後の大学長距離勢力図も変わる予感がする。新人の活躍次第では上位も…。
東洋大は今はチームの変革期にあるように思う。
・先ずはシード権
国学大、帝京大、東国大、創価大
国学大、帝京大、東国大、創価大そして日体大は持ちタイムからみて、充分シード権に届く実力があるとみる。
特に留学生のいるチームは、一気に挽回できる事も可能で、日本人選手の活躍次第で、面白いレースとなるだろう。
前回の創価大・10区の区間賞を取った選手、つまり無名な選手が一気に花開くような事があればシードは可能だ。
何れにしてもやはり山登りでタイムを稼げるチームがどんなチームもシードが可能と言う事であり、
如何にチームコンデションを1月2日・3日に合わせていけるかだろう。
そういう意味ではもう戦いは始まっている。
果たして今回はどんなレースと7なるのか楽しみだ。
<振り返って>
今回は予想されたような波乱に満ちたレースだった。
寒波の襲来も予期されたが、それ程でもなく、去年と比べると風がレースにどう影響するかの空模様だった。
コロナ騒ぎの影響で例年のように多くの人出はなかったが、それだけテレビの前での観戦が多かったと思われる。
レースの結果は今回も予想は外れたが、各チームの戦力は縮まっているように思われる。
競技場でのレースではなく、それも20キロを超す距離だから、如何にチームのピークを当日に持っていくか、
それが結果に出ると思わざるをえない。恐らく益々、その傾向は続くと思える。
<往路>
往路でのスローなスタートは、思えば今回のレースの予告のようなものがあったかも知れない。
あくまでも結果を知ってからの感想で、観ている限りではどんな展開になるのかワクワクしていたが、
5キロ走っても横長のレースは余り見たことがない。
結果的には1区の超スローな入りが、普段の走りを狂わせ、結果失敗レースになってしまった選手もいたと思わざるを得ないが、
そうなると2区で有力な選手、留学生を投入できるチームには有利だ。逆に2区で失敗すると往路の成績に大きなダメージとなる。
そう言う意味でうまく行かなかったのは優勝候補とされていた青学大だろう。2区終了時点で14位と大きく遅れたのが響いた。
創価大の往路優勝はあざやかだった。
留学生の投入もあるが、それ以上に1区、3区、4区それに5区を走った日本人選手の活躍が全てだろう。
1万メートルの持ちタイムからはそれほどの活躍は予想されなかったが、これが駅伝であり、箱根なのだと改めて思った。
<復路>
復路は何時先を走る創価大をどのチームが捉えるか、と思いながら観ていた。
力から言えば2位の東洋大、3位の駒大、それにさらに離れているが東海大が持ちタイムから言っても追い抜く。追い抜けるだろう、
と思っていたが、そうはならないのが箱根だ。寧ろ9区を終えた時点では2位に上がった駒大との差を3分20秒余りに広げた。
もうこれで勝負は決まったと思えたが、なんとなんと、10区で逆転したのは、正に大学駅伝であり、箱根駅伝の醍醐味だった。
結果: (K.K)
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