「文学横浜」30号

 【編集後記】



 三十号を世に送りだすことになった。年一回の発刊ペースとはいえ、毎号のことながら仲間内で原稿を持ち寄り一冊の冊子に仕上げる作業はそれなりに骨の折れることである。作品を発表する同人も編集に携わる者もそうした苦労を積み重ねてこの同人誌を継続しているわけで、そうした状況を踏まえあらためて三十号発刊を重く受け止めた。

 ミレニアムを迎え新しい時代への意気込みがさまざまな言葉で世間に乱舞している。とはいっても市井の暮らし向きには今のところ格別な変化はない。だが世の中は確実に変容していくだろうし、それに伴って人々の生き方も変わってゆかざるを得ないに違いない。しかもその変わりようは百年前と今日の比ではないようにも思える。そうした百年後の社会をこの目にすることができないかわりに、今日しなければならないことをきちっとしておくことが大切なのかもしれない。文学横浜の会がそうした意味からも同人の熱意と努力でこれからも同人誌が継続してゆくことを祈りたい。

(宮崎 宏)


[「文学横浜」30号、編集後記]

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