「文学横浜の会」

 新植林を読む


2021年12月16日


「新植林67号」



「巻頭言」

 自分のつれあいの癌発症の際にはてきぱきと奔走し対応した医者だった友人が、 八十半ば過ぎ、自分の膀胱癌発症に際しては一切の治療を拒んで亡くなった事が書かれている。

随筆「星は移りて、時は去り」               斎藤 剛

 まぎれもなく自分が高齢者なった事を自覚し、無為に過ごした若き日々を振り返り、 芥川龍之介の自殺について疑問を抱き人生における苦悩と死」についての「所見」を書いた青春時を懐かしく思い出している。

小説「福島ラプソディ(十)」          中野隆一郎

 「海辺のホー ムレス村」における人間模様とでも言うのだろうか、この先、どうなるのか…。

エッセイ「おじゃまでしょうが(短歌と私)」   中條喜美子

 アメリカにおける日系人社会での文化活動の一端が書かれており興味深い。
 私は短歌はやりませんが、朝日歌壇でよく目にした郷隼人氏が「新移植林」のメンバーだっんですね。

小説「わが愛のLA」               若林道枝

 判らない部分もありましたが、恵子の目を通して逞しく生きる女達が生き生きと描かれていて、 面白く読みました。

小説「ガラスの家(2)」            シマダ・マサコ

 前作とは表題が異なるが、続きもののようだ。 今回は夫と貨物船でカリフォルニアへ渡り、戸惑いながらも異国での生活がはじまる裕子の過去を振り返り、 夫の母親の冷たい瞳を感じていたことを思いだす。
渡米して間もなく生まれた娘の運転する車で、かつての夫の母親の住んでいた土地に向かい、 義母の建てた家が売りにでているのを目にし、訪れる。

ノンフィクション「私見・環境と人間(十)」   清水克子

 実家が旅館をしていた関係で家庭の味とは縁遠いと思ってた、との書き出しで、 スパイスの使い方で美味しくなる、と書き「スパイスは奥が深い」とまで言っている。

フィクション「シニア楽園 第一章(二)」    柳田煕彦

 いやいやシニアの皆さん、お元気ですね。
これからどんな展開になるんでしょう、楽しみにしています。

小説「インディアン サマー(二十九)」     杉田廣海

 山川さんの父親はハリウッドの映画スター早川雪州で、母親も白人の映画女優だが、昔は周りから偏見もあって苦労人だ。 山川さんに父親について「新植林」に何か書いてくれることをどうにか承諾してもらい、 連載が始まって間もなく、ハリウッドのホテルで雪州展をすることになった。
 その雪州展で耳鼻科医の瀬川と出会う、までが書かれている。

文芸誌 in USA 新植林
第67号・2021年 秋期
e-mail:shinshokurin@aol.com
homepage: http://www.shinshokurin.com
定価:7ドル+TAX


<金田>


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