『弱き心』
マケドニア王国。
かつて勇者アイオテが建国し、数々の王が治めてきた竜騎士の国。
現在この国を治めているのは前国王ミシェイルの妹、ミネルバであった。
後に英雄戦争と呼ばれる先日の戦争で前国王のミシェイルが死亡した為、現在はその妹であるミネルバが王位を継承したのだ。
かつて、マルス達の前に立ちはだかり、全てを力で動かそうとした男、ミシェイル。
1度は敵に回ったが英雄戦争では一時的にマルス軍に力を貸し、あえなく散っていった誇り高き男。
力で全てを動かそうとした男も、いつしかマルスの理想主義に惹かれていたのだろうか。
今となっては判らずじまい・・・
だが、ミネルバはそうだと信じて疑っていない。
彼女知らず知らずのうちに惹かれていた。
信念を貫き死んでいった優しき兄に。
そして、その兄を光の道に、昔の優しき兄に一瞬でも、一時でも戻してくれたマルスという1人の青年に。
この日、マケドニア王国にアリティアのマルス王が訪れていた。
暗黒戦争、英雄戦争で共に戦った戦友の久しぶりの再会である。
「お久しぶりです、ミネルバ王女。いえ、ミネルバ女王ですね」
「ふふ、お好きにお呼びください、マルス王」
2人は久しぶりの再開を素直に喜び、互いの成長を確認しあった。
会見、食事の場、その全てで2人の顔からは笑顔が消えなかった。
それは、ただの戦友としてではなく、不思議な、本人達にも判らぬ絆のおかげだったのかもしれない。
「久しぶりに飲み明かしたい、マルス王、今夜はお付き合い願いますか?」
「ええ、喜んで」
2人は1つの部屋に移動し、そこのテラスにあるテーブルで杯を傾けあった。
互いのグラスにワインを注ぎ、夜の風と共に口にする。
その神秘的な味わいと、互いの存在を確かめ合って、2人は飽きることなく飲みつづけた。
やがて、
「だいぶまわってきましたよ、私は・・」
そう言ってマルスは恥ずかしそうに笑った。
その以前とあまりに変わらないマルスにミネルバは微笑ましく笑みを浮かべた。
「だらしないですよ、マルス王」
ミネルバは再びマルスの杯にワインを注いだ。
そして、そっと夜空を見上げ、
「本当はあなたと、兄と3人でこうしたかった・・・」
「・・・・私もです」
ミネルバはマルスの澄んだ瞳をしっかりと見つめた。
「あなたは不思議な人だ・・・・いつの間にか皆あなたに惹かれていく・・・・そして・・私も・・・」
「え・・・?」
マルスは顔を真っ赤に染めて、うろたえた。その赤い顔は酒のせいだけではないだろう。
こういう純粋な部分も昔とちっとも変わっていない。
その為に、なおさらミネルバは惹かれていく。
「どうやら・・・私も酔っているみたいですね・・・」
ミネルバはそう言ってふっと笑った。
だが、酒とは全く関係の無い意思をミネルバは酒のせいだと言ってマルスに伝えた。
「マルス王・・・酒に呑まれた愚かな女の頼みを・・・聞いていただけますか?」
「・・・・・・はい」
マルスにはミネルバの願いがうっすらと判っていた。
そして、兄を無くした深い悲しみに未だ捕らわれていることも・・・・・
「私を抱いてください・・・マルス王」
そう言ってミネルバは静かにマルスの唇に自分のそれを重ねた。
そして、静かに離れる。
彼女らしいあっさりしたキス。
「ミネルバ・・・・」
マルスはミネルバを女王と呼ぶことを止め、今度は自分からミネルバにキスをした。
今度は深い、深いキス。
葡萄の香りが互いをとろけさせる。
いつもの凛々しいミネルバはそこにはいない。
可憐な1人の女性がそこには存在した。そして、それこそがミネルバの本当の姿なのだろう。
時代が時代なだけに、彼女は気を張り詰めていたのだ。本当は誰よりも弱いその心を。
「ふっ・・・・んんっ・・・あ・・ん・・・」
舌が絡み合うたびに、艶かしい吐息がミネルバの口から吐き出される。
愛しい人との初めてのキスにミネルバは酔った。
「んむぅ・・・んああ・・・・マルス殿・・・」
ミネルバの表情がとろけ、同時に身体の力がすっと抜けた。
マルスの手がミネルバの胸に伸びる。
ミネルバは一瞬ビクッと身体を震わせたが、すぐに再び力を抜いた。
「あ・・う・・・」
「大丈夫・・・」
マルスはミネルバに優しく微笑みかけ、再びミネルバの胸を撫で擦る。
持ち上げるように胸を揉み、指先で擦るように乳首を刺激する。
その愛撫に自然と乳首は固くなってしまう。
「いや・・・恥ずかしい・・・ですよ・・・」
「そんな・・綺麗ですよ・・・」
その言葉にミネルバはさらに赤くなってしまった。
普段の凛々しい姿とは全く違うミネルバにマルスは可愛らしく感じ、もっと愛してあげたいと思った。
ミネルバのドレスをそっと脱がし、その白い肢体をあらわにする。
マルスはミネルバの胸を覆うブラジャーを外し、その豊かな胸に吸い付いた。
「ひあっ・・・マルス殿・・・そこは・・・・」
マルスの舌がミネルバの胸を撫でる。
時にその双丘の頂点の突起に舌を這わせ、軽く歯を立てる。
「あうぅぅっ・・・ああっ・・・!!」
ミネルバの身体がビクッと跳ねる。
マルスがミネルバの太股に手を伸ばすと、そこは既にねっとりとした液が滴っていた。
「濡れてる・・・」
「いやあっ・・・言わないで下さい・・・」
その少女のような反応が楽しくて、マルスはミネルバの下着の中に手を滑らせた。
直に触れるミネルバのそこは、既に愛液が溢れており、彼女がどれだけ感じていたかを物語っている。
ちゅく・・・
「ひっ・・・そこ・・は・・・・っっっ!!!」
ミネルバが小さな悲鳴をあげるが、マルスは手の動きを休めない。
割れ目を擦り、その上にある突起をそっと弄る。
同時に胸に吸い付いて、舌を使ってつつくように愛撫する。
「あ・あ・あ・ああっ・・・ああんっ・・・・いいっ!!」
ミネルバの背が仰け反る。
そのあまりの快感に。
そして、同時に思った。
(もっとこの人に愛して欲しい・・・!!!)
一度そう考えてしまうと、再びその考えを殺すことは難しい。
ミネルバは自然と自分の思いを口にしていた。
「マルス・・どのっ・・・もう・・・ダメっ・・・・ああっ・・お願いっ・・・いああっ・・!!」
マルスはミネルバの下着を足から抜き、自らのモノをミネルバの秘所にあてがった。
「いきます・・・」
「は、はいっ・・・きてっ・・」
ずぶっ・・・じゅぷじゅぷっ・・・・
マルスのモノがミネルバの膣内に埋没する。
既にこれ以上ないほどミネルバが濡れていた為、挿入は楽であった。
「あああっ・・・はいって・・きてるっ・・・・マルス殿の・・モノがっ・・!!」
「ミネルバの膣内・・・熱い・・・・」
マルスはミネルバの腰を掴むと、ミネルバにうつ伏せの態勢をとらせた。
ミネルバは倒れないようにテラスの手すりに寄りかかる。
「はう・・・んんっ・・・あはぁあぁっ・・!!」
「ミネルバ・・・声を出しすぎると聞こえてしまうよ・・・・」
「し、しかし・・・ダメっ・・・もう抑えられないぃぃっ・・・・ああああんっ・・・!!」
ミネルバは既に本能が理性を超えてしまっている。
洩れる声を隠そうともせず、ただマルスの与える快感に酔っている。
「あ・ああっ・・・イヤッ・・・・感じすぎて・・・おかしくなるっ・・・・あううんんっ・・・!!」
知らぬ間にミネルバは自ら腰を振り、快楽を貪っていた。
マルスもそれに合わせ、ミネルバの膣内をえぐっていく。
ミネルバの膣の締め付けにマルスもだんだんと絶頂に登っていく。
ミネルバと同じ速度で・・・・
「ミネルバ・・・もう・・・」
「大丈夫・・・ですからっ・・・お願いっ・・・あうっ・・・射精してっ・・・いああっ・・・ダメッ・・・」
ドクッ・・・ドクドクッ・・・・
ミネルバの最後の締め付けと共に、マルスはミネルバの奥に放った。
そのあまりの量に満たされるミネルバの胎内。
同時にミネルバも快楽の絶頂へ・・・
「も・・う・・・ダメェッ・・・マルス殿っ・・・あはぁっ・・・たくさん・・・でてるっ・・・・ひあああああああぁぁああぁっっっっ!!!」
ビクビクッ・・・ビクッ・・・
ミネルバは口から零れる唾液すら気にせず、身体を痙攣させて絶頂に達した。
マルスの白濁液で自らの胎内が満たされていることに、幸福を感じながら・・・
「あふ・・・ううん・・・・はあ・・・」
最後にミネルバは満足そうに笑みを浮かべた。
2人は服装を整え、テラスによりかかって再び夜空を見上げていた。
マルスはふ、と軽い疑問を口にする。
「何故・・・私と・・・・?」
マルスと視線を合わせるのが恥ずかしかったのだろうか。
ミネルバは夜空を見上げたまま答えた。
「先程言いましたよ・・・酔ってるんです・・・お気になさらず」
ミネルバはそう言ってから、ようやくマルスの顔を見つめた。
その表情には先程の言葉を完全に打ち消すような幸せそうな笑みが浮かんでいた。
あとがき
あとがきです。
FE部屋が出来てから初めての作品となります「弱き心」。
ミネルバってやっぱり気を張り詰めて生きてたんだと思うんですよ。
だから、それに合わせたSSを書いてみました。
ミネルバは好きだから結構スイスイ書けましたね。
廃帝