『ノディオンの愛姫』
その日、リーフ達の表情は晴れなかった。
リーフ達がマンスター城に捕らわれているナンナとマリータを助けに行った際、エーヴェルが敵の手に落ちたのだ。
それも、敵に操られ、娘であるマリータと戦った末に・・・
エーヴェルは何もかもをリーフ達に委ねて、自らは敵の手に落ちた。
暗黒魔法で体を石化されて・・・
どうにかナンナだけは助けることが出来たものの、その為の犠牲は大きかった。
石化されたエーヴェル、未だ発見されないマリータ。
リーフは必ず2人を助け出すと、天に誓った。
リーフ達解放軍は脱出と同時にダグダの館に逃げ込み、そこでひとまず休息をとることにした。
捕らわれていたダグダ、タニアも救出し、とりあえず元の戦力が整いつつある・・・
しかし・・・
エーヴェル、マリータはいない・・・
その夜、リーフは館のテラスで1人佇んでいた。
襲いくる自責の念から逃れようとしているようにも見える。
実際、リーフはエーヴェル、マリータ、そして救出されたナンナの3人が捕らえられたのは自分のせいだと常に責めつづけていた。
「くっ・・・」
リーフは俯いて唇を噛み締めた。
涙とともに切れた唇から血が流れ出る。
だが、流れる血にすら気づくことなく、リーフはテラスに額を押し付けて泣き続けた。
そこへ・・・
「リーフ様・・・」
遠慮がちに声をかけられる。
はっと顔を上げ、そちらを振り向くリーフ。
その声の主は・・・ナンナ。
レンスターが陥落したその日から、フィンと共についてきてくれた少女。
リーフのことを誰よりも知る少女であり、誰よりもリーフのことを案じてくれる少女。
「ナンナ・・・」
「どうされました・・・こんな時間に・・・」
ナンナは寄り添うようにリーフの隣に立った。
普段ならこんな気分の時、誰も近くに来ないで欲しいと思うものだが、ナンナだけは別だった。
彼女だけはどこか違う・・・
ナンナが傍にいるとき、リーフは心からの安らぎを得ることが出来た。
そして、この少女だけは、自分に対する怒りを話すことが出来る。
リーフは自分が抱いている自分への怒りをゆっくりと話していった。
自分のせいでフィアナ村が襲われたこと、自分のせいで仲間が散り散りになり、自分のせいでエーヴェル、マリータ、そして目の前にいるナンナを危険な目にあわせたこと・・・
それらの出来事を起こす原因となった自分への怒り・・・
だが、ナンナはただ微笑んで聞くだけだった。
不甲斐無さを怒るわけでもなく、慰めるわけでもなく、ただリーフの吐き出す自責の念を聞いているだけ。
リーフはそれがありがたいと思う・・・
ただ聞いてくれるだけ、という行為がそれほど簡単な行為では無いと知っている為だ・・・
それをたやすく実行してくれるナンナという少女がリーフにとってはありがたく、とても大事な存在に感じるのだ。
「ごめん・・・」
「??・・・何がです?」
「何がって・・・・・・いや・・・やっぱりいいや・・」
「そうですか・・・」
ナンナはそう言ってふわっと笑う。
リーフもあえて何も言わない。何も言わなくても互いのことが判っているから・・・
「でも・・・ナンナが無事でよかった・・・」
「・・・いえ・・私も・・・リーフ様が助けにきてくれて嬉しかったです・・・」
ナンナは真っ赤になって照れながら、小さな声でそう言った。
リーフはそんなナンナを可愛らしく感じ、自分でも無意識のうちにナンナを抱きしめていた。
「きゃっ・・・リーフ様?」
「ナンナ・・・・大好きだよ・・・」
ナンナは一瞬驚くそぶりを見せたが、すぐにリーフの胸に自分の顔を埋め、
「はい・・・私も・・・リーフ様が好き・・です・・」
と、控えめにそう言ったのだった・・・・
リーフにあてがわれた寝室・・・
2人はその部屋で見つめあう。
「リーフ様・・・唇にまだ血が残ってますよ・・・」
「えっ?」
先程唇を噛み締めたときの血が少しだけ、リーフの唇に付着していたらしい。
ナンナはそっとその唇に口付けた。
「・・・ん・・・」
そして、その傷口を癒すかのように、その部分を舐めた。
リーフは頭が痺れるかのような感覚に襲われ、自らも舌を出してナンナのそれに絡める。
「んあっ・・・うんんっ・・・!!」
舌が絡まるたびに、2人の情欲は次第と高まっていく。
ふと、気づく頃には互いの衣服は全て取り去られ、2人はベッドに横たわっていた。
「ナンナの身体・・・・綺麗だね・・・」
「やだ・・・恥ずかしいですよ・・・」
ナンナはそう言って、自分の胸を両手で隠した。
リーフはふっと笑って、その手をやんわりと外した。
「隠さないで・・」
「あっ・・・はい・・・」
外された胸をしばし見つめた後、リーフは力を入れないようにそっとその胸を揉む。
それほど大きいわけではないが、みずみずしい感じのする胸であった。
リーフはその胸を愛撫しながら、首筋を撫でる。
「あうっ・・・」
ナンナが一瞬くすぐったそうに身をよじる。
リーフはその反応が少し嬉しくて、首筋、耳に舌を這わせた。
そして、そのたびにナンナは可愛らしい声をあげる。
「きゃ・・ふっ・・ああっ・・!」
だが、その感じ方にもどこか気品が感じられる。
リーフは話で聞かされただけのナンナの母、ラケシスもこんなに美しかったのかな、とふと思った。
「やっぱり綺麗だね・・・ここも・・・」
「きゃあっ・・・!!」
ナンナの小さな悲鳴が上がる。
リーフの手が下半身に伸びた為だ。
滑らかな太股を撫でまわすその感覚に、ナンナの身体がびくっと震える。
「大丈夫・・・優しくするから・・・」
「は、はい・・・」
そう言ってリーフは、手の動きを再開する。
片手で首筋をそっと撫でながら、もう片方の手で股間に触れる。
少しだけ濡れたその割れ目に、少しずつ強く指を押し付けていく。
「あっ・・ああっ・・・そこはっ・・・!!」
今まで感じたことのないその感覚に、ナンナは戸惑いながらも溺れていった。
相手がリーフというだけで、下半身に熱いものがこみ上げてくる感覚を覚える。
疼きとともにじわっと濡れる感覚すら明確に頭脳に送り込まれてくるのだ。
「くああっ・・・変な・・感じですっ・・・!」
「もう濡れてるね・・・」
リーフはナンナの下半身に顔を移し、その部分を舌で触れた。
ざらっとした舌で舐めあげられるその感覚は、ナンナの思考を狂わせるには充分だった。
「はうっ・・・くあっ・・リーフ様・・・そこは、汚いですよ・・・・んっ!!」
「そんなことないから・・・」
さらに舌での愛撫を続けるリーフ。
ナンナもリーフの頭を両手で抱きしめながら、その快感に身を任せる。
やがて・・・
「そろそろ・・・挿入れるよ・・・ナンナ・・・」
「は・・はい・・・」
「力抜いてね・・・」
リーフはナンナの腰をしっかり掴んで、ゆっくりと自らのモノをナンナの秘所に埋没させていく。
初めてのナンナになるべく無理をさせないように、リーフはゆっくりゆっくりと、挿入した。
「き・・つい・・・」
「うう・・・リーフ様ぁ・・・」
痛みからか、ナンナが少し涙目になってリーフを見つめる。
リーフは痛みを少しでも短く済ませるために、その腰を一気に突き入れた。
ずぶっずぶっ・・・
「くぅぅ・・・・はうっ・・・・」
ナンナの口が大きく開かれ、顔が苦しげに歪められる。
「大丈夫? ナンナ・・・」
「は、はいっ・・・少し痛いですけど・・・平気ですよ・・・」
いじらしくもナンナは笑顔を浮かべてそう言った。
リーフはそんなナンナが愛しくて、その小さな身体を抱きしめた。
「あっ、リーフ様・・・私、大丈夫ですから・・・」
「いいんだ・・・しばらくこのまま・・・」
リーフはナンナを抱きしめたまま、口付けをかわす。
ナンナは涙を浮かべてそのキスを受け止める。
愛しい人との交わり、そしてキス。
ナンナはそれだけで、絶頂に駆け上がりそうになる。
「リーフ様・・あの、動いてください・・・私・・もっとリーフ様を感じたいです・・・」
「うん・・・」
リーフは少し遠慮気味に腰を動かし始める。
同時にナンナの身体がびくっと跳ねる。
「ほんとに・・・」
「大丈夫ですから・・・もう本当に痛くないですよ・・・」
それは思いやりではなく、ナンナの本心であった。
リーフが自分を突き上げるたびに痛みよりも大きな快感が自分の身体を駆け巡る。
「いっ・・・くぅっ・・・あふっ・・・!!」
ナンナの吐き出す息に、甘い響きが少しずつ加わっていく。
リーフの動きが早くなるに比例して、ナンナの快感も大きく増していく。
「リーフ様・・・凄く・・・ああっ・・いいですっ・・!」
リーフは少し態勢を変えて、後側位の態勢にもっていく。
「えっ・・あうっ!!」
ナンナの一際大きな嬌声が響いた。
リーフがナンナに突きこみながらその突起したクリトリスを弄った為だ。
2重に響く快楽にナンナの思考はいよいよ停止状態に入っていく。
「あああっ・・・もう・・何も考えられなく・・・・あくっ・・ふああっ!!」
ナンナが感じるたびにその膣内は、凄い強さでリーフのモノを締め付ける。
締め付ける上に、勢いよく突きこむので、2人の快感は異常なほどに高まっていく。
「くっ・・・ナンナ・・・」
「ああっ・・・リーフ様ぁ・・・強いですっ・・・でも・・私・・・もうっ・・・!!」
リーフはナンナにきつく突きこみながら、さらに強くクリトリスを摘んだ。
その刺激はナンナには強すぎたらしく、びくびくっと大きく身体を震わせてあっという間に絶頂に達した。
「くはあああんっ・・ダメですっ・・・・それ触っちゃぁ・・・ふあああああああぁぁんっ!!」
「くっ・・あっ!!!」
ドクドクッ・・ブシュ・・・・
ナンナが絶頂に達すると同時にリーフのモノは今までにないほど締め付けられた。
それに耐え切れず、リーフはたまらず射精してしまう。
ナンナはリーフの白濁液が子宮にぶつかるたびに、灼熱がもたらす快楽に身体を震わせていた。
「あうぅん・・・リーフ様・・・熱いです・・・リーフ様・・・」
2人はつながったまま、気だるさを感じながら深い眠りに落ちていった。
足を絡め合い、手をつなぎ、互いがそこにいることを確認するかのように眠るその姿は、絆というものを連想させるに相応しかった・・・・
あとがき
あとがきです。えーと、トラキアでは初のSSになるのかな?
でも、この2人は聖戦にも出てるからあまりトラキアのSSを書いたっていう実感は無いですね(笑)
ナンナは初めて書きましたが、いかがでしたでしょうか?
ちょっと気品が失われたかなって感じがしないでもないんですけど・・・(マテ)
うーん、やっぱり姫君ってところに重点を置いて書きたかったなぁ・・・。
私の同人誌内設定では、リーフとナンナって義兄妹って感じで書いてるので、私的にこの話って結構異色w
廃帝