ONE KNIGHT STAND TOUR ARENA 2000

2000.3.1 日本武道館
Reporter is あかり

 

開演が6時30分だというので、1時間前くらいに着けばいいだろうと思い早めに出たが、東京駅から乗る地下鉄東西線まで少し迷ってしまった。
二駅めが武道館のある九段下だ。
もう、地下から地上に出るエスカレーターは、若い女の子が隙間なく乗っている。

私の席はアリーナD列12番。EFが真ん中になるので私はステージに向かって左手になる。
時折、椅子の番号をのぞき込みながら進むと前から2列目だったので喜びより前に驚きと戸惑いが交差した。
こんなまん前でいいの?その時の正直な気持ちだ。

ステージの左右には大きなスクリーンとスピーカー、上にもスクリーンが見える。
まさやんの背中側になる「北」に座った人にも見えるように、スクリーンが用意されていた。
私の前は、照明装置があり、テレビカメラが3台とカメラマンらしき人が数人いた。
6時35分頃、ざわめきは客電が落ちると同時に、嬌声へと変った。

 

暗闇の中に人影と思ったら、まさやん登場!
ステージが明るくなった。
真っ赤なTシャツに涙型のシルバーのペンダント、カーゴパンツで手を振りながら笑顔で大歓声に答える。
まさやんの距離があまりにも近いので、今回のチケットを譲ったどれみさんのメル友さんと思わず手をとりあって喜んだ。
♪ドミノ
自分でも驚くくらい気持ちが高ぶっていた。
思わず、体が弾みそうになる。
♪Fat Mama
ギターをかき鳴らしながら後ろを振り向くと、バックスタンド(北席)の人達が、わぁ〜と歓声を上げる。
まさやんは、得意げな顔をして舌をペロッと出した。
その表情が明るい。見てる私も自然と笑顔になる。
そして、ギターをパタパタ叩き

「愛すべ〜き人」

の所で、会場のみんなを指差すと大歓声が武道館を揺るがさんばかりに、響きわたった。
チューニングしながら

「どうも」

と言ってから、後ろを振り向く。
ちゃんと自分の背中しか見えない北席のファンにも気遣いをしている。

「どうも、どうも」(笑)

「アリーナ〜〜」

まさやんが指差すと、わぁ〜〜と答える。

「1階〜〜」

わぁ〜〜。

「2階〜〜」

わぁ〜〜。

「3階〜〜」

ザワザワと笑いのようなのが入り混じる。
それもそのはず、アリーナが地下になるため3階に見えるのは、2階なのだ。(笑)

「ちょっとデカ過ぎ、大き過ぎますね」

「ワンナイトスタンドを無事終了しまして、アリーナ2000ということで」

おめでとうの声と拍手が送られた。

「ありがとう!」

まさや〜〜んなどとコールがあちこちで飛び交うと、最初は返事をしていたのだが、

「もう、ええちゅうねん」

と笑った。

 

全員着席

「着席率いいですね」

♪六月の手紙
♪ある朝の写真

どうも、えー武道館初体験でね。見に来る事はあったけど。
いつかこういう機会があるとは思っていましたが、ひとりではね・・・。
クラプトン、ブートレットビートなんちゃら
(←すみません、覚えてない。ビートルズのそくっりさんバンドらしいです。)
僕の前に高木ブーさんがいたんで感動しました。(笑)
ウクレレ習おうかと思いました。(笑)

赤いライトが足元から立ち上る中
♪僕はここにいる
学校のチャイム、時報と共にピンスポット
♪砂時計
体をゆっくり左右に揺らしながら弾くそのイントロを聴いて驚きと懐かしさのようものがこみ上げてきた。

♪名前のない鳥だ。

97年5月「HOME」に収められたこの曲の歌詞の中には”ひとり”の寂しい思いが折り重なるようにつづられている。

「今まで自分の歌は自分しか聴いてくれなかった・・・」

と、数年前の雑誌のインタビューの時(?)にふともらしたことば。
私は、このことばが忘れられなかった。
この1行に自身の歌への思いと、歩んできた長い道のりを感じたからだ。
そして、きょう1万余人を前に歌うまさやんの気持ちは、いかばかりであろうか。
切なく伸びる力強い歌声に、閉じ込められてしまったかのように微動だする事もできない。
数年でいろんなことが変って行った。
私も、この曲を聴いた頃には想像だにしていなかった「今」を手に入れたこの幸福感は、ひと言では語れない。
まさやん自身も、きょうという日を想像しただろうか。
冒頭で

「いつかこういう機会があると思ってました」

と言い切ったその自信。
ステージ上から、武道館一杯を自らの声で満たした時、ここは、

”かげろうのように揺らいで”

いただろうか。

♪やわかい月
聴きなれているとは言え、「名前のない鳥」とこの2曲は、”孤独”という軸があるので、胸がチクチクしてしまう。
エメラルドグリーンのライトが斜めにまさやんに降り注ぐ中、胸のシルバーのペンダントがキラキラ光るのが印象的だった。

 

ピアノの前に移動するとステージの照明が落ちた。
何をやってくれるんだろうと沈黙の闇に沈むファン。
繊細でやわらかな音色が、満を持していたようにこぼれた。なんと、
♪One more time、One more chance
ピアノパージョン!
この曲をピアノで聴く事ができるとは!感無量のひとことにつきる。
終わっても、ピアノの前で座ったまま何やらしていたが、立ちあがるとギターの所へ。

「曲順、間違えた」(笑)

前奏からなんの曲かすぐわかったファンは大拍手。
♪カルテ
まさやんには、赤いライトが当り私の目の前から青いライトが客席に向かって力強くその色を発している。
右手の親指以外の指を握って、ギターをコンコンと鳴らすと、スピーカーが近いので体の中に響いてきた。
赤と緑のライトが交差し、私の前のライトは赤に変った。
♪水のない水槽
ステージ全体は暗いまま、まさやんを中心に白いライトがゆっくり回る。
エコーがかかるので、

「砂に埋もれた死んだ瞳を〜」「〜瞳を〜」
「君のくちづけでうるおしたい〜」
「うるおしたい〜」

となるので曲自体に幅が出るので、一層美しい歌となっている。
ピンスポットの中でハープが鳴る。
乳白色のライトが2本、まさやんの頭上から注がれた。
♪Passage
まさやんの後ろ北席からわ〜と声が上がると

「笑うな〜」

と言って相好を崩した。
何に客席が笑ったのかはわからない。

 

「お尻痛いですか〜。騒ごうか〜〜」

イエ〜イ!!

オールスタンディング
♪アレルギーの特効薬
途中、英語の歌が入った

na na na〜〜♪

とみんなで歌う。
♪月明かりに照らされて
ステージ全体が青白く変わると
♪「Ticket to paradise」

「付加価値ぶら下げて、僕をそそのかす〜」

の時の、「僕を」の所で、白いライトがまさやんに降り注ぐ。
目の前がライトセットなので、次に変るのがその場でわかる。
ピンクと青のライトに変った。曲が終わりチューニングする中、大歓声と拍手を受けると

「えへっ」

と笑う。かわいいっ!
また、そこへまさやんコール

「武道館〜〜」

イェ〜〜〜イ!

「お腹すいてきたか〜〜〜」

イェ〜〜〜イ!

「パンを焼く〜〜〜〜〜」

みんな飛びあがらんばかりに拍手。
と同時に、天井のミラーボールが回ると1階、2階席は細かな銀の円が無数に舞った。
その美しさは格別な物があった。こういう大きな会場だからこそできる効果演出かもしれない。

「メンバー紹介!ギター、ギター、え〜山崎まさよし〜」

大歓声。

「それでは、ボーカル!山崎まさよし〜」

歓声、笑い声が一緒になってウオ〜〜と会場は叫ぶ。

「あは〜〜ん」

と言ってから、おなじみの早口言葉。

「生麦生米生卵」

から始まって、5つか6つばかり言ったが、ファンは意外にもとちらないで、言っている。

「なかなかやるじゃないか!」

イェ〜〜〜〜イ!

得意になる会場。

「元気か〜〜〜」

の声にまた。わぁ〜〜〜と叫ぶ。

「ワン、ツー、さん、し!」

♪ヤサ男の夢
♪昼休み
ステージに向かって左手の方から伸びる細いポール。
と、まさやんが後ろ向きになって近づいた時、バックスタンドの北席の人達の歓声がひときわ高く響いた。
やがて振返ったまさやんの口にはカズーが光ってる。
あのステージの下から伸びたポールには、どうやらカズーがついてたらしい。
それを見た、ファンはまた一段とボルテージがあがった。
♪ヤサ男の夢
まさやんは、歌い終わるとおどけた表情をしてステージを去って行った。
控え室は、ステージの下になるようで私の位置から階段を降りて行くようすがわかる。

みんな興奮がさめやらないまま座り、アンコールの拍手が始まる。

 

ちょっとして胸にシルバーの絵がプリントされてる黒のTシャツで登場!
手を振るまさやんに、再び熱い大歓声がやまない。

「やっぱ広いね!ありがとう!」

と微笑む。
ステージは紫一色に染まり、ピンスポットの中にギターとハープのまさやんが歌った曲は、
♪振り向かない
♪おうちへ帰ろう
体を左右に揺らしながら、笑顔でゆっくり歌う。

「シチューを食べよう〜、あちっ!」

と笑わせてくれた。
♪セロリ
みんなで手を振りながら歌う。

「古風なとこあったりするのね〜、なんでやねん」

歌い終わると、くるくる回るまさやんに、笑い声と歓声が入り混じる。
ブルースハープをひとしきり鳴らすと
♪審判の日

「油断をしてるとお腹も出ちゃう、ごつぁんです」(笑)

ハーモニカホルダーを先に外さずに、ギターを取ろうとしてひっかかり

「あれ?」

という顔をした。
みんなも笑い、まさやんも

「しまった」

と照れた笑いを浮かべてから、ホルダーをとって置き、ギターを無事肩からはずしてかたわらに置いた。
手を振りながら、ステージの下の控え室へ。

 

アンコール
拍手はやまない。
楽しませてもらったことへの感謝と数々の賞賛、もう終わってしまうといった時の短さを惜しむ声、別れの痛みを拍手にこめる。

ステージ下から、あがってくるまさやんが見えた。
白いTシャツに着替えて、おじぎをしてからピアノに向う。
♪灯りを消す前に
薄暗いステージで、ひとことひとこと丁寧に歌う。
静かに歌い終わると、まさやんは立ちあがり

「ありがとう、ありがとうございました」

と何回も頭を垂れた。
アンコールの時と同じ拍手が惜しみなく送られた。
1万余人を前に歌いきったまさやん。
20数曲をひとりで歌い、1度も声がかすれることすらないその美しく伸びる声に、あらためてまさやんの偉大さを教えられた思いだった。
一方で、私の位置からはとても近かったが、その存在は遠く大きなものであった。

終わり

 

今回、幸運なことに前列2列めで堪能できましたが、この武道館にはたくさんの関東組の人が参加しました。
それぞれ、席が違うので恐らく感動の程度も、幾分差があると思います。
それで、今回のレポはあくまでも、レポらしくお伝えするというよりむしろ、

私の思い出の記録

といった感じで、自分勝手な表現をつかって書きました。
わかりにくい部分があるかと思いますが、ご了承ください。
拙文を読んでくださったことを、感謝します。

これから、アリーナ2000に参加する皆さんもまさやんの偉大さを確認してきてください。
ありがとうございました。

 


 

あかりちゃんの武道館ライブレポでした〜
ステージ上のまさやんのことラ、そしてあかりちゃんのいろいろな感動がこめられていてとっても素敵なライブレポです
初の武道館でのライブでまさやんも緊張してたかもしれないけど、
後ろのお客さんにも気を使いそしていつものようにすばらしいライブをしてくれたんですね

名前のない鳥

あかりちゃんのまさやんへの気持ちがとっても伝わってましたよ
思わずウルッときちゃいました・・・

素敵なレポートありがとう

ぶぅぶぅ