日 常 な 日 々
〜近くの桜散策2001年〜

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今日は昼の空いた時間を利用して近くで見られる桜を目標とし辺りを散策することにした。
玄関のドアを空けると爽やかな風と空気が、そこで待っていてくれていた。思わず深呼吸したくなり両手を広げつつ空を見上げると真っ青な空と眩しい光が目に差し込んでくる。自分にとって絶好日和といえる、この状態に、いてもたってもいられなくなり部屋にあるデジカメを手にとり外へ繰り出した。

最初に行くことにしたのは自宅から車で約40分ぐらいの所のもちお公園に行くことにした。
行く途中に次々とすれ違う人と車が行き交う中で、桜と思えるのが時折ちらちらと見える。そのひとつひとつは満開だった。
春のもちお公園といったら桜見だと決め込んでいる自分にとって、現場はさぞ素晴らしいだろうと期待しつつも到着した。

もちお公園の玄関ともいえる右横に駐車場があるので、そこに駐車しようとした時、その手前で制服を来た女性が何か言いたいような素振りを見せた。
何かあるのかと思いつつ窓を開け「満車ですか?」と聞くと、いいえと答えてきた。彼女の口調と表情を見て気になったことがある。それは何かを言った後、語尾のほうに・・・「駐車場」と聞えたことだった。いつまでも気にする訳にもいかないので、それはそれとし気にしないことにして来場を待ちわびるかの如く、この日のために用意されたであろう門を潜った。
 

両側に植えてある桜は満開。時折、優しい風が頬を撫でたかと思うと辺りの桜の花びらが美しく舞ってくれる。
それはまるで自分を優しく招待し、包み込みつつも舞いながら手招きをしてるようにも感じた。
そのまま進んでゆくと緩やかな上り坂に差し掛かった。
そういや父が話してくれた他の人から聞いた話なのだが、この上り坂で、どこかの菓子製造販売会社が出資するテレビCMが芸能人を連れて、ここで撮影をしたことがあるという噂を語ってくれたことがある。
それを思えばそれだけ、この桜並木は素晴らしいか、それはよく分からないが、そういうのを思い出すと、ちょっとだけ、ここの桜達を誇らしげに感じずにはいられなかった。
あれこれ考えていると道はカーブに差し掛かる。白い塀をバックに黒い桜木と、そこから延びた桜花が実に素晴らしい。

このもちお公園のいいところは、この桜並木を上への会場まで時間をかけて歩いてゆけるところにある。でも歩いてゆけるとは言っても、そこまで立派な道という訳ではなく、日常使うにしろ、そこそこに歩くにしろ、丁度良い広さだ、と言ったほうが、現場の情景にもっとも近い表現だと思えた。

先へ先へと歩いてゆくと歓迎と掛かれた門みたいなのが次々と手前に差し掛かってくる。
この門みたいなのは正式な単語は何というのだろうか。
ちょっとだけ道が広がったところに、祭りの日に即席で設けられたと思われる小屋があった。
そこでは弁当が販売されていた。その手前の方に長テーブルが置かれており、その上には、この土地の見所を主張する為の印刷物が並んでいる。

その中で『今年も咲きました母智丘の桜』と書かれた印刷物に目がとまった。
何故、こういう印刷物に目がとまったのか。それは、この時にしか出されない一度きりのイベントの内容が示されている唯一のものだからだ。
よって、その年その年で、それぞれ違う印刷なされる訳だし、その時にどういったのが催されたかを示す記念でもある。だから、こういったものを手にする度に内心嬉しかったりする。

手にした記念(先ほどの印刷物)を片手に、先へ続く道先に目をやると祭りといえば欠かせない出店が見えきた。
わくわくしながらも各店舗を歩いて見たものは、桜もち、植木、お面、ボールすくい、鯛焼き、たこ焼き、いか焼き、焼きそば、焼きりんご、クレープ・・・と色々あった。
それぞれの店が示している独自的な彩色をもったテントが目を、この場を楽しませてくれる。その中で驚いて目にしたのが鯛焼き屋だ。

   

鯛焼きそのものに驚いた訳ではなく、鉄板に置かれた鯛焼きが「踊れ鯛焼き君」を歌っている。声と同じくして口を動かし更には時折体を動かし鉄板から飛び出しては踊る。これの斬新さと不自然さを感じさせない鯛焼き人形(?)の踊りの技術に感動してしまい、それを見入ってしまっていた。

はっと我に返ってステージが設けられている広場に足を勧めると、何か宝くじ売場みたいな小屋が見えた。
これが何なのか、自分にはよく分からなかった。込み合ったときに使用するちょっとした事務所かもしれないなどと色々と考えたが、それ以上は詮索しないようにした。
他に面白いものが無いものかと他のものを探すように辺りを見渡すが、これといったものはなかった。
日曜日に来たときのような賑わいとは違い、今日が平日だけあって広場は落ち着いている。そんな中でここで放じされているBGMと共にゆっくりと過ごせるような空間趣向になっている。
 

それでは日曜日、平成13年4月1日は、どうなっていたか思い出してみた。
その日もここに来ていた。あの時のここの様子は長テーブルの上に祭りの案内を提示しているところ、またはこれから出店に差し掛かる場所から、今自分のいる会場から発生していたであろう、カラオケが辺り中に響いており、上手とも下手とも思えない歌声と拍手と共に賑わっていた。
当日は何かの催しがあったものか考えて現在手にしている案内用紙を広げて見ると「BTV都城ケーブルテレビ杯」とある。
恐らくこれのことだろう。他にその時に受けた印象的なことと言えば、屋台と会場を挟む辺りを自分が歩いていたとき歌い終えたと思ったら「もちお公園ありがとー」という楽しげな声がスピーカーごしに聞こえていたのが印象的だった。

それでは、あの日を更にさかのぼって、その前日には何があったのだろうと見てみるとガオレンジャーというキャラクターショーがあったようだ。他にも「ちびっこ太鼓」というのもあるから子供連れの家族が土曜日に多く来たのかもしれない。
そうして色々考え終えたときには足はこの会場から出て階段を登っていた。登り終えた上の方から見て、この場所が遠くから見てどうなっているのか眺めるのが、ここに来たときのいつもの習慣だから、気づいたときには階段へと自然に足が動いていた。

やがて階段を登り終え、展望台が設けられているところへ行き高台から見たら、それは多くの桜が並んで見える、それそのものだった。
階段を降り終え、会場を後にしようかと思ったとき、感動してしまったあの「鯛焼き君」を、もう一度見ようとあの店へ行き「泳げ鯛焼き君」を聞きながら叔父さんから鯛焼きを買った。
確か店のメニューでは確か左から黒あん、白あん、チョコレート、カスタードの順で書かれていた。この中で真っ先に目の中へ飛び込んできたのがカスタードだった。カスタードもいいなあと思っていたとき、このすぐ横にある「踊る鯛焼き君」に、またもや感動しながら鯛焼きを2個ほど買おうと言おうと思っていたら幸運なことに先ほど焼けた鯛焼きを買うことができたのだった。嬉しかった。あまりに美味しそうだったから近くに腰掛けて食べることになった。焼きたてなので香り高いこおばしい臭いと、ふっくらとしながらも、あんこの香りがたまらなく、とても美味しかった。

後は、高台、階段と降り立ち、先ほどここに来る時に登った緩やかな道を降ていると『またどうぞもちおへ』と書かれた門を潜り駐車場へ戻った。
その後、石山観音へ向かった。

こちらの方は車を駐車場に移動するところから桜が出迎えてくれ、それぞれには提灯が備わっている。桜並木を鑑賞するというのもいいけれど、みんなで騒いで飲むのに良いかもしれない。

  

観覧車やボート、ゴーカートもあるので施設面に関しては揃っているように感じた。
確か2001年4月1日に、ここでイベントがあったらしく、かもんたつおさんのコンサートがある地元のラジオなどで宣伝していたから多分ここであったのだろう。
本日ではイベントが終わった後だったので当然の事ながら案内用紙は手に入らなかった。石山観音に行って感じたところはそんなところか。
今日の嬉しかったのは満開の桜と歌って踊れる鯛焼き君が見られたこと、そして絶好の天候だった。

 

 

掲載日2001年4月5日

 

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