今日のお昼の休み時間に、何となくインターネットを無性にやりたくなった。
それで近くにあるインターネットをやらせてくれる所へ行って、
20分ほど時間を過ごして帰ろうとした時に、ちょっとした悲劇が起きた。
いつものように自転車にまたがって漕ごうとしたその時。
「むにゅ・・・ズズズ・・・」という感触がハンドルと椅子に伝わってきた。
もしやと思った。
この瞬間、なんだか辺りの車の通り過ぎる音が、耳元で大きく響いたような気がした。
そんな事がないようにと祈りながらタイヤを見ると案の定、後ろのタイヤがパンクしていた。
「ゲゲ・・・冗談だろ?」と思いつつ、ため息つきながら自転車から降りた。
タイヤを見ると当然のようにペチャンコになっていたけれど、それをよーく見てみると、
タイヤに亀裂のようなもの・・・いや、ひびが入っていた。
何かのいたずらかと思ったけれど、これはどうも違うかもしれない。
どこから空気が漏れたのか、ヒビの入った部分を指先で触ってみると、
なんだかパサパサしていて、ちょっと刷れているような感じがする。
しかも今になって分かったのだけれど、地面に接している部分から、
ちょっと浮いたところまで一定してヒビが入っているので、その部分が円を描くようになっていた。
しかもそのヒビからなんだか黄色い何かが付いていた。
その黄色いものがどこから来たのかを付きとめるべく、
ハブのほうを見ると自分で想像していた状態よりも、かなり錆びていた。
なるほど、ここから線のような針金のようなものを伝ってきているからタイヤのヒビから漏れているように見えたわけだ。
でも、それでも納得できない。大体、金属の錆びがタイヤのパンクの理由につながるとは、とても思えないからだ。
思わず腕を組んで、何が原因だったか考えた。私は、しっかりとした原因と、そこまでの経過がはっきりしていないと無性にイライラしてしまう。
何も分からず、そして納得できないものに関して妥協は絶対に許したくない。
もはや走らなくなった自転車を中心にしてさまざまな角度から、その自転車を観察してみた。すると分かった。
汚い。古い。そして思った。
早く買い換えたい!
そう。今やっと気がついた。この自転車は汚れている。そして古い!
しかも見ろ。タイヤの溝を。ツルツルだ。いいや、ツルツルならまだしも、中心から、さらに、さらに、さらにっ!ヒビが入っている!
がーん。さらにショックが大きくなった。
どうして自分は今までこのことに気がつかなかったのだろう。しかも見ろ!ぼろぼろ!
思わず頭の中に、クラシックな曲が響いた。「おんぼろぼーろろろ・・・・・。」
(確か、お父さんのレコードで自分が小さいときに聞いたことがような気がする。)
なんだか辺りが寒くなってきた。風も吹いていないのに・・・・・。
すると向こうから来る人が何かを促すような視線で、こちらをじーっと見ていた。
思わずその人の指す視線をたどって自分の自転車見ると、通路を塞ぐように道路にそらずに置かれている自転車、それが真横に置いていることに、気がついた。
思わず自分の自転車を通路に沿うように自転車の体制を変えた。
その人が通り過ぎると、またもや気がついた。そう時間。
こんな事をしている場合じゃない。早く帰らないと休み時間終了時刻に間に合わない。
時計をみると12:48分だった。ダブルショック!!!
だいたい自転車を漕いで20分でここまで来るというのに、残りの時間は12分しかない。しかも徒歩ときたもんだ。さらには自転車はパンク・・・・・最悪なパターンだ。
そう。
途方ににくれて何が悪いのかを考えている場合じゃなかったんだ。
パンクでもいいから早く帰ろうと、自転車にまたがって漕ごうとした。でもだめ。
ぜんぜん駄目。現実はそう甘くない。それで進んだとしても、タイヤの中にあるチューブが、それで駄目になったら修理では効かない。もはやタイヤごと、またはチューブごと交換だろう。ノンパンクタイヤにすれば良かったと思いつつも、ここでは降りて歩くことにした。もう、時間内に到着することを諦めて目的地まで歩こうということになったのでした。
その後、目的地に到着して、事情を説明した後、用事を済ませて自転車屋に行くことになった。自転車に乗らずに、歩く時の風景の流れはとても遅い。まるでナメクジのようだ。
遅いのは嫌い。でも事故るよりはマシか。
それから確か、出かける前にそこの自転車屋に、修理はどれだけの費用がかかるかと聞いたらパンク修理は一回につき1000円だと行ってたっけ。
(こんにちは。かいせつ します。にほん は たかくても 200円で ぱん 1つ かえます。のみもの も 200円 で かえます。)
あるいていて気がついたけれど、秋になっているにも関わらずまだまだ暑く日差しが強い。
北海道ではどうなっているのか、知らないが、まだここは暑い。沖縄もそうかも知れないと思いつつ、自転車屋に到着した。
すこし大きな声で言うとガラスでできたフスマを空けて眼鏡をかけた叔父さんがでてきた。
早速、おじさんは自転車の修理にとりかかってくれた。
思わずお店にある段に腰掛けた。その状態で前をみると、近くを通る路上は、自転車に乗っていたときには気がつかなかったが以外と車通りが多い異に気がついた。
それにしても自分が走っているときの車の音はそれほど気にはならないものだが、こうやって車が多いことに気がつくと、うるさいような気がする。
しかも隣にはペットショップがあり、そこには鳥の専門店なのかもしれないが、それを多く取り扱っているところだけあって、鳥の鳴き声がする。だから、その鳥の泣き声の方を聞きたいのに、なかなか自動車の音は押さえてくれない。
なんて自動車という物の多くはは無神経に作られているのだろうと思いつつ、
叔父さんと自分が道路に向かって並んでいる、この空間と、このひと時ができていた。
ひざに両腕のひじ先をつけて、両手をほおにつけて、修理を待ち、何も考えていると、おじさんが修理が終わったよと声をかけてくれた。そして小銭ばかりのお金を渡すとおじさんが言った。
「もう大分古くなったね。」
「ええ。もう5年ぐらいは乗っています。また何か買うときがあったら、お願いします。」と少し大きな声で言い、そしてそこを離れた。
乗らなかった時の、この自転車は古い自転車には見えたのだが、
実際に乗って走ってみると、もうすこしは乗れるじゃないかと僕は思った。