<小人症治療>身長で公費負担打ち切りの波紋について
新規で治療開始する患者の場合、身長が−2.5SD以下でなくても保険医療による治療は可能ですが、自己負担が発生します。
その場合 高額療養費制度 の適用となります。
高額療養費とは医療費の定率負担に伴う患者の負担が過重とならないよう、自己負担が一定額以上になった場合それを越える額を支給するもの。原則として自己負担限度額は治療3ヶ月まで1ヶ月ごとに6万3千6百円、4ヶ月後から3万7千2百円となります。
名古屋市国民健康保険の場合、同一世帯で、30,000円以上の自己負担は合算します。
同一世帯で年4回目からは、負担が軽減されます。名古屋市国民健康保険の場合、高額療養費を受ける手続きはもよりの区役所保険年金課でお知らせのハガキを持参の上手続きをしてください。医療費が高額で支払にお困りの方は無利子で貸付制度もありますのでお住まいの区の区役所保険年金課または支所へご相談ください。社会保険の場合は保険組合により運用に差がありますので担当の課に問い合わせをしてください。
終了基準 男子156.4cm 女子145.4cm に達したとき
(成人の同性標準身長の−2.5SD相当)
前年の1年間の成長率から推定して1年以内に終了基準に達する見込みがあるときは、終了基準に達することとなる月までを治療期間とします。
注釈:
男子身長156.4cmは13歳2ヶ月の中学1年生男子の平均身長です。
その時点での標準体重は47.2kgです。
成長ホルモンの必要量は1週間24単位 成長ホルモン治療費は月50万円必要です。
年間600万円相当で52万円8.7%が自己負担分です。
女子身長145.4cmは11歳5ヶ月の小学5年生女子の平均身長です。
その時点での標準体重は42.3kgです。
成長ホルモンの必要量は1週間20単位 成長ホルモン治療費は月40万円必要です。
年間480万円相当で52万円10.8%が自己負担分です。
今後の治療現状としてはお金のある人は治療が続けられるが。低所得者はあきらめろといっているのと同じです。 年間25万円の自己負担は可能な場合は6ヶ月治療して6ヶ月は休薬するという状況も発生します。年間4−5cmの身長の増加に50万円必要ですので4年間で約200万円の自己負担が発生します。 従来であると早期発見早期治療が原則でしたが今後は希望の身長の伸びをその分払えるだけのお金で買っていただき治療して頂く時代になると考えます。
156.4cm 48kgの治療費
薬品費用 |
窓口で支払う金額 |
3割の場合 |
1カ月目 50万円 |
15万円 |
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2カ月目 50万円 |
15万円 |
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3カ月目 50万円 |
15万円 |
1カ月目の差額入手8万6400円 |
4カ月目 50万円 |
15万円 |
2カ月目の差額入手8万6400円 |
5カ月目 50万円 |
15万円 |
3カ月目の差額入手8万6400円 |
6カ月目 50万円 |
15万円 |
4カ月目の差額入手11万2800円 |
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