もりもり通信 2003年1月号No.41

薬の飲み方、飲み合わせ

処方された薬を飲ませようとしたとき、「水以外のもので飲んでも大丈夫かな」「粉薬を何かに混ぜて飲ませてもいいかしら」と思ったことはありませんか?

薬は、水またはお湯で飲んでください粉薬を飲めない小さなお子さんに飲ませる場合は、粉薬1回分をお皿などに移し、1〜2滴ほどの水を加え、練ってペースト状にします。それを少しずつ、上あごや頬の内側にこすりつけておくと自然になめていきます。

水以外の飲み物、食べ物と飲んだ場合には、どのような事が起こるのでしょうか

 牛乳 粉薬と混ぜた場合には、牛乳の味が変わって牛乳嫌いになることがあるので控えてください。

 コーラ・コーヒー・紅茶などカフェインを含む飲み物 薬の作用が弱くなってしまうことがあります。

お茶 鉄の薬と飲むことで吸収が弱くなるといわれていますが、玉露などの濃いお茶でなければ、それほど心配ありません。

 ミネラルウォーター 外国産のミネラルウォーターはカルシウムイオン、マグネシウムイオンなどが若干多く含まれています。そのイオンと反応して作用が弱くなってしまう薬がありますが、国産のものなら大丈夫です。

 ジュース類 グレープフルーツジュースは、薬の副作用が強くでることがあるので、一緒に飲むことは控えてください。

 プリン・ヨーグルト・ゼリー・アイスクリーム 一緒に混ぜることで苦味がでる粉薬があります。

薬の保存のしかた    薬は、直射日光、湿気をさけるため、乾燥剤を入れた缶の中に保存することをおすすめします。水剤、目薬、坐薬など、薬袋に冷所保存の指示のあるものは、冷蔵庫に保存しましょう。子供が薬をまちがえて飲んでしまうことがあります。薬は必ず子供の手の届かない所に保存しましょう。                                                                   
内服薬の飲み方 食前服用(食事の約30分前に)水薬  食後服用(食事の後、30分以内に) 最も一般的な飲み方で、食物によって薬の胃への刺激が緩和されます。  寝る前に服用 下剤 内服の下剤は、寝る前に服用すると、翌朝に便通があります。 鉄剤 食物やお茶の影響を受けやすく、空腹時のほうが、吸収が良いため、服薬1時間前後は、お茶・紅茶を飲まないようにしましょう。                              時間毎の服用  1日3回8時間毎の場合起床時、昼食後、寝る前に(小さいお子さんの場合は、朝食後、幼稚園や学校から帰宅後、寝る前)1日4回6時間毎の場合起床時、昼、夕食後、寝る前に服用して下さい。

病気のときのお風呂

風邪の場合 熱が高い時にはお風呂は避けたほうがいいでしょう。微熱(37.5℃以下)程度で食欲も出てきたらお風呂を再開していい時期です。熱がまだ上がったり、下がったりしているときには比較的機嫌のよいときに、蒸しタオルで体を拭いてあげてください。咳が多い時、入浴することで気道が加湿され、痰が出やすくなることもあります

下痢・嘔吐の場合 下痢自体はひどくなければ入浴してもかまいませんが、何回も吐き、ぐったりしている時にはお風呂は控えた方がいいでしょう。また小さなお子さんは下痢が続くと、おしりが荒れやすくなりますから、早めにお風呂を再開するか、あるいはおしりだけでも洗ってあげるようにしましょう。           

子どもは新陳代謝が激しく、汗も多いので皮膚の清潔・ケアは特に気を配っていただくことが必要です。また入浴することで大人同様に心身のリフレッシュにもつながります。熱いお湯に長い時間入っていることは体力を消耗するので、体調が戻らないうちは少しぬるめで、早めにすませるようにしてください。冬場は脱衣場の温度にも注意が必要です。また入浴後の水分補給も大切です

中耳炎 最近耳鼻科領域では子供の反復性中耳炎や(特に抗菌剤投与中止後の再発が多い)副鼻腔炎の持続で問題になっています。
急性中耳炎のもとになる細菌は、肺炎球菌PRSP(ペニシリン耐性肺炎球菌)、インフルエンザ菌(ウイルスではない細菌)BLNAR型
(βラクタマーゼ非産生アンピシリン耐性インフルエンザ菌)などが多いとされています。外来通院の急性中耳炎にPRSP ペニシリン耐性肺
炎球菌感染症が増えつつあると言われています。年長児なら、家で過ごしても局所、つまり耳だけに止まるだけですみ、全身症状まで発展
しません。その場合はよく手洗いなどを施行していたら、他人にはうつしません。PRSP ペニシリン耐性肺炎球菌感染症が、急性中耳炎で
発見されたから集団生活ができないということはありませんPRSPは耳鼻科領域でも難治性中耳炎にはかなり検出され、増えています。
これを完全に除菌するのは難しいし、局所感染にとどまることがほとんどです。健康な子供さんで急性あるいは反復性の中耳炎はその部
のみ限局ですので、中耳炎からの検出されても、隔離の必要はありません。そこから、集団感染が起こることはほとんどありません。

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