『秋』


秋の匂いを含んだ風が吹きぬける頃

僕はここに いないだろう

例えば…それは嵐の夜のようで

あるいは澄んだ朝のように

言葉では言い尽くせない感覚が 僕を包む

意識は浮遊し、この世界を見下ろすのかもしれない

唯、いなくなる事は必然で

僕はそれを嘆いたりはしていない

大きな湖に波紋を残し

小高い丘の上で、彼の人を想う

庭先の木の下で、黄色の星を身に降らし

窒息しそうな匂いの波におぼれてしまおう

世界はこんなにも生命力に溢れている

僕は喜んで 旅立とう



僕は喜んで…旅立とう。




モドル   ススム