『 羊 』
暖かい春の日 羊が目を覚ました
ポカポカ陽気の中 眩しそうに空を見上げた
青々と茂る牧草の中 飛び跳ねる
でも 周りに仲間はいなくて
両親も兄弟姉妹も 恋人すら 消えていて
あまりの心細さに 足が止まる
泣き声は 乾いた空に吸収される
ハラハラとこぼれる涙は 視界をにじませた
置いていかれた、と
ただ1人 残された、と
静まり返った世界
そこには何も見えない
独り残った羊は これからどうするのだろう