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ある肢体不自由養護学校の一日、まだまだ続きます。 |
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給食。
着任した日に第一回の摂食指導研修がありました。
我々の嚥下のしくみ、障害の重い子には嚥下のうまくできない子、誤嚥してもむせることのない子がいることなど・・・ それから給食のサンプルを出され、キザミ食・ミキサー食など いわゆる流動食も「ほぉ〜」と内心感心しつつ試食。 だんだん説明を受けているうちに「職員も給食を食べるらしい」ということがわかってきました。 「えっ、給食!?」 そう、私が13年間勤めていた中学校には給食がなかったのです。 どうしても「職員も給食を食べる」というのが理解できず、 給食担当の方に2回も「本当に職員も給食食べられるんですか?」と質問してしまいました。 もとから養護学校にいた方には逆に「なにいってんだ?」と驚かれたでしょうが・・・ そんな些細なことにも仰天した着任1日目でした。 さて、給食。 朝・帰りのバス担当の子につきます。 介助の必要な子はたいていエプロンや食器の滑り止めシート、 その子専用の食器や再調理用の調理バサミ・ミルサーだの補食器だのと 食べる前から机回りがやたらと賑やかです。 食事もまさに「指導」の重要項目。 メニューの説明や、食べる順番、咀嚼を促す・・・など忙しい、忙しい。 今年はたまたま担任クラスにはいませんが 「注入」というチューブから流動食や栄養液を補給する子もいます。 教員はこの「食事介助」をしながら交代で給食を食べますので ほとんど「流し込むように」食べています。 もともと教員は「生徒指導のために」早食い傾向にありますが、 早いと自負していた中学校より 養護学校の方がもっと早食いであることを知りました。 給食は栄養満点でボリュームもあり、 温かいものは温かく出てくるので 冷めたお弁当より流し込むのはきつい。 食べ始めて3ヶ月たった今も 半分上の空で食べているせいか 味がよくわかっていません。 とてもおいしい給食なので、それだけが残念です。 後、食後(子供によっては食前)に薬を服用する子がかなりいます。 また、食後の歯磨きも必須。 職員も歯磨きします。 |
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午後も授業あります。
月・火・木・金は午後2:30まで授業で3:00下校です。
水は給食の後、休憩や帰り支度をして1:30下校。 帰りまでに子供の早退・職員の出張等で人数やメンバーに変化が出ることがよくあります。 また「朝はバスで来たが、帰りは保護者が直接迎えにきて連れて帰る」、その逆、といった変更もしょっちゅうあります。 帰りまでにその確認と誰が誰をバスに乗せるか・・・といった打ち合わせ、 またバスの発着所が一度に全部のバスを収容できないため、 月替わりでバスの発着順と停車位置が変わります。 高等部は教室が2階にあるため、帰りのエレベーターは大渋滞。 「〜バスだから先に乗せてね!」など声が飛び交います。 バスに乗せるときも遠慮なんかしてたらダメ。 どんどん自分が子供を乗せやすいポジションを確保します。 素早く、そして安全に。 子供をしっかり固定したら笑顔で別れのあいさつ。 「明日また元気で会おうね!」 子供たちを乗せたバスが校門を出て行くと 教員は教室に戻ります。 ゴミ箱のゴミを所定の場所に捨てに行き、 机を拭いて、掃除機をかけます。 そう、ここ肢体不自由養護学校では掃除は教員の仕事。 (廊下・トイレなど決まって技術吏員さんがやってくださるところもあります) それゆえ会議・研修などは3:20以降に行われることが多いです。 ですから養護学校の教員に「空き時間」は皆無。 朝8:30〜午後3:20まではノンストップ。 一度忘れ物をして職員室に行ったことがありましたが、管理職以外見事にもぬけのからでした。 |
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バスといえば・・・
バスの発着所というのも一般の学校から異動してくると非常に珍しいものです。
リフト付き専用バスからスムーズに車イスが乗降出来るよう、 駅のホームに柵がついた状態になっています。 あと、各バス用の掲示板に乗降する子の学年・氏名が一覧になっており、 バス内の座席表なんかも掲示してあります。 朝はバス到着前に三々五々集まってきた教員が手すりを利用してストレッチをしています。 最初は呆然と眺めていた私も今やストレッチ組に仲間入り。 この肢体不自由養護学校用のバスは車イスの固定が出来たり、リフトがついているので 1台1,000万円くらいするそうです。 また維持費も相当かかるとか・・・ そんな訳で自治体の公営バスだけでなく 民間のバス会社のバスも参入しています。 また、近場の校外行事ではその送迎もスクールバスが担当します。 私も2度ほど利用しましたが、 各座席は乗る子供にあわせた座位保持の矯正がされているため、乗り心地はあまりよくありませんでした。 あと、そういう校外行事でバスを使うときはいつもとちがう構成メンバーが乗降するため、 乗務員さん・介助員さんとの打ち合わせが欠かせません。 そんなところも一般の学校にない部分ですね。 |