Roland III (現在は津田静男氏が所有)
 

1978年に、特注したアナログ・シンセサイザー "Roland III"で「ブラスの音作り」の練習に成毛が一人でレコーディングしたもの。
最初、ブラスの音のサンプルにハーブ・アルパートのレコードを買って来て音色のお手本にしていたのだが、何度も聴くうちに他のパートも覚えてしまったので、ついでに全部録音した。
成毛がドラム、ベース、ギター、オルガン、ピアノを弾いて録音したものに、Roland IIIで作ったトランペット、トロンボーン、マリンバの音を重ねている。

Wedding March.mp3
(1:57 932KB)

 


Moog 45 E.E.W. Custom (現在は津田静男氏が所有)
 

1980年に、自分の結婚式の披露宴用に成毛が一人で録音したもの。
E.E.W.の永塚策英氏がMoogのモジュールと自作のモジュールとを組み合わせて作ったMoog 45(成毛が勝手にそう名付けた)、永塚氏がメロトロンを改造して作ったナルモトロン(永塚氏がそう名付けた)、Roland III‥を使った。
後に成毛の親戚の結婚式の披露宴でもこれを使ったらしい。

Tannhauser.mp3
(4:31 2.1MB)

 


成毛が波形を撮るのに使ったシンクロスコープ
成毛が撮ったオーボエ(左)とファゴット(右)の波形
(クリックして拡大できます)

1979年、某レコード会社のディレクターに「シンセサイザーでクラシックのシンフォニーをレコーディングできないか?」と言われて成毛は気楽に「できますよ」と答えてしまい、ワグナーのタンホイザーをシンセサイザーでレコーディングする事になった。
しかし木管楽器などは単独で聴いた事が無く、どんな音か分からないので、オーボエ、ファゴット、クラリネット、ホルン‥などの奏者にスタジオへ来てもらい、シンクロスコープを使ってそれぞれの楽器の音の波形を撮った。
そしてその波形を元にMoog 45とRoland IIIで音を作ってレコーディングを始めたのだが、オーバーチュアの途中まで録音した所でテープを聴いたディレクターに「成毛くん、これじゃ過剰品質だよ」と言われた。
成毛が「どういう意味ですか?」と訊くとディレクターは「これじゃオーケストラと変わらないじゃないか‥。こんなんじゃなくて、もっとY.M.O.みたいな薄っぺらな音にしてくれないとシンセサイザーっぽく聴こえないだろう‥?」。
結局この曲も「没」になったが、その後佐川急便のテレビCMに一部が使われた。
パソコンのスピーカーではピアニシモの所やティンパニが聴こえない事があるので、出来ればヘッドフォンかオーディオのスピーカーを使ってお聴き下さい。