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〔1〕
議員定数とは何か? |
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議会を構成する議員の数は地方自治法第91条1項において、市町村の人口に応じてその数が決められています。それを「議員定数」といいます。平成11年の地方分権一括法による改正で,平成15年1月1日からは,下の表の《 》欄の人数を上限として,条例により定数を定めることになりました。 議員定数は条例によって減少させることができます(地方自治法91条2項)。これを「条例定数」といい,ほとんどの自治体では法定議員定数に対し、多くの議会で「経費の節減」、「議会運営の効率化」などを理由として,減数が制定されています。 現在、和泉市の法定議員定数は40ですが、法定上限数34、条例では26としています。 |
〔2〕
人口に対する【現行法定数】と《平成15年からの法定上限数》----5万以上の場合のみ |
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(1)5万以上15万未満の市…【36】 (2)5万以上10万未満の市…《30》 (3)15万以上20万未満の市…【40】 (4)10万以上20万未満の市…《34》 (5)20万以上30万未満の市…【44】《38》 (6)30万以上の市…【48】 (7)30万以上50万未満の市…【10万を加えるごとに4人増し】《46》 (8)50万以上の市…【20万を加えるごとに4人増し(100人が上限)】 (9)50万以上90万未満の市…《56》 (10)90万以上の市…《50万を超える数が40万を増すごとに8人を56人 に加えた数(96人が上限)》
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〔3〕
考え方(1) |
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議員一人当たりの人口はどうか。府内各市の場合。ちなみに平成7年の府内全市のデータでは、和泉市の議員一人当たり人口が多いほうから13番目でした。当時5969人でしたが、ほとんど唯一人口増の高い和泉市ですので、現在は下のように6871人となっています。
和泉市…6,871人(人口178,638、議員26) 大阪市…29,609人(人口2,635,172、議員89) 堺市…15,272人(人口794,145 議員52) 泉大津市…4,278人(人口77,000 議員18) 岸和田市…7,146人(人口200,104 議員28) 高石市…2,692人(人口61,920 議員23) 貝塚市…4,078人(人口89,731 議員22) 泉佐野市…4,410人(人口101,436 議員23) 泉南市…2,852人(人口65,601 議員23)
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〔4〕 考え方(2) |
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市全体の歳出に対し議会費の割合はどうかという考え方もできます。議会費は議員歳費、議会の運営費及び議会事務局に関する経費を含みます。今時間がなくて少し古い資料で恐縮ですが、平成7年の府内33市のデータでは、和泉市は0.91%で33市中21位でした。議会費の割合が低いほうというわけです。ちなみに当時一番高い市は池田市の1.91%、一番低い市は大阪市・堺市を除くと東大阪市の0.65%でした。そして、平成14年度決算ベースでは、和泉市はさらに下がって0.74%という結果になっています。議員定数削減が財政節減に大きく寄与するわけではありませんが、定数削減が叫ばれるほど、情勢は厳しいということでしょう。
| 上記のように、他市との比較の上では、和泉市が必ずしも突出した定数や議会費を持たないことはわかりましたが、問題の本質はそのようなところにあるわけではないですよね。住民代表ですから、減らすことは住民の意見を十分反映しなくなる恐れもある。国家ではないですが、三権分立の考え方から言っても、行政に対する立法府として議会は大切な機能を持っています。三位一体計画といわずとも、これからどんどん地方に権限が委譲される時代になりつつあります。そのときに和泉市独自の選択を迫られる、あるいは他市に例を見ない施策を創ることもできるのです。
それでは、これだけの人数がいなければ議会は機能しないのか。議員がすべて議員としての十分な活動をしているのか。議会や議員のあり方について考えるべき課題はいろいろあります。 |