初級室 ビッデングの基本 2002/09/23
目次    
  T:

このコースではビッデングの基本についてお話します。

ここで、ビッデングの「きほんのき」をしっかり覚えて、ゲームがあるのに、パートスコアで終わることのないようにしましょう。

すでにお分かりのように、ブリッジでは、ビッデングでデクレアラーとコントラクト(切札の種類と取るべきトリック数)をきめます。
これが決まらないと、ブリッジのプレイはスタートしません。

従って、ビッデングを覚えなければ、ブリッジに参加できません

ミニブリッジでは、デクレアラーがダミーのカードをみて、自分達のスートの長さとポイントからコントラクトを決めました。
ブリッジでは、ビッデングの「せり」を利用して、「スートの長さ」と「ポイント」の情報(以下、「ハンド情報」といいます)をパートナー間で交換しながら、コントラクトを決めます。

「せり」にハンド情報を割り付けたシステムがビッデング方式です。
例えば、1とオープンすると、切札をハートにして7トリックとることを約束することになりますが、同時に、「ハートが5枚で、ポイントは13〜21です」いいうハンド情報を送っているのです。

この情報の割り付けかたによって、いろいろなビッデング方式があります。
初級室では、ACBL(アメリカ・コントラクトブリッジ連盟)のテキストに準拠して「スタンダード・アメリカン方式」を説明します。

 
 
  P: ポイントって何ですか。
 
 
  T:

 基礎

「ポイント」はハンドの強さをを表わす尺度です。
ポイントがパートナー間で26あれば、3NT44をつくれることが経験的に分かっています。ポイントからゲームの有無を判断できるのです。

ポイントは次のようにして計算します。

ポイント=絵札点+分布点。
絵札点(HCP)   分布点(LP)
A 4
K 3
Q 2
J 1
 
5枚スート 1
6枚スート 2
7枚スート 3
8枚スート 4

一寸、練習してみましょう。

例1   例2  
J1095
83
K73
Q642
HCP=6
LP=0
total=6

Q7
102
6542
AJ984
HCP=7
LP=1
total=8
例3   例4  
3
AKJ964
1098
K72
HCP=11
LP=2
total=13
AK8642
Q75
AQJ
10
HCP=16
LP=2
total=18

簡単でしょう。

 
 
  P: そうですね。簡単ですね。
でも、分布点は短いスートを数えると聞いたことがありますが。
 
 
  T:

昔は、そうだったんです。いまでも、短いスートを数える流派がありますが、長いスートを数えるほうが多くなりました。

本題に入りましょう。
前にも言いましたが、こうして数えたポイントが

パートナー間で26あれば、
ノートランプで9トリック、切札で10トリック取れます。
即ち、
3NT, 4, 4のゲームがあります。

それから、切札ですが、これは13枚の過半数、8枚持っていれば有利です。(切札が8枚以上あることをフィットしているといいます。)
したがって、つぎの情報を求めることがビッデングの最初の目的になります。

パートナー間に26ポイントあるか。
パートナー間に8枚のメジャー・スートがあるか。
(=メジャースートがフィットしているか)

ここで、一寸、ハンド・パタンを説明しておきます。

13枚のカードはいろいろな分かれ方をします。
このうち、ボイドやシングルトンがなく、ダブルトンも1つというハンドをバランスハンドといいます。
具体的には次のようになります。

4−3−3−3
4−4−3−2
5−3−3−2

これ以外のハンドパタンをアンバランスハンドといいます。

 
 
  P: 第2の目標もあるのですか。
 
 
  T:

あります。

ブリッジではゲームボナースがあります。それで、二人のポイントがゲームゾーンがあるかどうかを見つけることが第1目標でした。

第2目標はスラムゾーンです。33ポイントあれば、スラムの可能性あります。ボーナスも大きいので、ポイント合計がスラムゾーンにないか探すわけです。

パートナー間に33ポイントあれば、スモールスラム。
パートナー間に37ポイントあれば、グランドスラム。

この場合は、ポイントの総量だけではなく、コントロールの有無がスラムコントラクトを買う時に必要になります。
コントロールの探し方は後で簡単に説明します。

 
 
  P: コントロールというのはなんですか。
 
 
  T:

コントロールというのは、オポーネントに即座に1,2,3トリック取られれるのを防ぐものです。エースやキング、スート・コントラクトではボイドとシングルトンがその役目をします。

では、いよいよビッデングの話をしましょう。

オークションの「せり」には、ハンド情報が含まれています。
情報はポイントとスートに関するもので,ポイントは[範囲]で、スートは[保証枚数]で示されます。

例えば1のオープンは、「ポイントが13から21の間であり、ハートの枚数は5枚以上」というハンド情報をもっています。

ビッドはデーラーから始めますが、ビッドできる条件は次のとおりです。

  • 13ポイントあれば、ビッドをします。
    12ポイント以下なら、原則として、パスします。
  • 13〜21ポイントなら、1のレベルでオープンします。
  • 22ポイント以上なら、2レベルでオープンします。

デーラーは13ポイントあればビッドし、なければパスします。
パスすると、ビッド権はデーラーの左隣りのプレイヤーに移り、4人のプレイヤーが全員パスすれば、そのデールは無効になります。(シカゴでは、デーラーがもう一度カードを配りなおします。)

 
  P: 最初にビッドするには、13ポイントを持っていることが条件であることは分かりましたが、どうビッドするのですか。
 
 
  T:

 オープニング

13ポイントあればビッドしますが、普通、1か2のレベルでビッドします。そして、ビッドには優先順序があります。

■1のレベルでのオープン

ポイントが13〜21の範囲なら、次の順序でビッドを選びます。

順位 条 件
16〜18ポイントでバランスハンドなら、1NTをビッドする。
(3スートにストッパーが必要; 5枚メジャーがあってもよい。)
5枚以上のスートがあれば、それをビッドする。
 ・スートが2つなら、長いほうから。
 ・同じ長さなら、上位のランクのスートから。^
1/1のオープンは必ず5枚スート。
長いマイナースートをビッドする。
(4−4なら1、3−3なら1をビッドする。)

   
 
  P: ストッパーとは。
 
 
  T:

オポーネントのリードしたスートに勝てるカードです。
絵札や長いスートがストッパーになります。例えは、Ax QJ10 は確実なストッパーになります。Q3 はストッパーになりません。
実用的には、A, Kx, Qxx をストッパーと考えてよいでしょう。

■2のレベルでのオープン

ポイントが22以上なら、次の順序でビッドを選びます。

順位 条 件
22〜24ポイントでバランスハンドなら、2NTをビッドする。
25〜27ポイントでバランスハンドなら、3NTをビッドする。
上記以外なら、5枚スートを2レベル(2,2,2,2)でオープンする。
(4−4−4−1なら、最強のスートをビッドする。)

2NT,3NTは全スートにストッパーが必要です。

ポイントが12以下でも、条件が揃えば、3レベル以上でオープンすることもありますが、これは後回しにしましょう。

 
 

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