北ブリッジ倶楽部 中級室   The Law of Total Trick
応用
調整
□ 練習問題(目下制作中)
付録
  トータルトリック  
  最終更新日 / 2001.01.25  
  
□ The Law of Total Tricks
"The Law of Total Trick" は1969年に仏人 Jean-Rene' Vernes が発表した理論です。
しかし、1992年に、Larry Cohen が ”To Bid or Not To Bid” を出版するまで、あまり顧みられませんでした。
この理論は次のとおりです。

 トータルトリックの数は両サイドの切札枚数の合計にほぼ等しい。 式(1)

例えば、NSサイドの切札がスペードの8枚、EWサイドの切札がダイヤモンドの8枚とします。
NSがスペードでプレイした時の取れるトリック数をXEWがダイヤモンドを切札でプレイした時に獲得できるトリック数をYとすれば、
 X+Y=8+8=16 となります。
ここで、注意しなければならないことはXが普通は8ですが、ときには7であったり、9であったりすることです。当然、Xが7の時、Yは9になります。
Vernes によると、調査したデールで、式(1)が成立するのが50%、誤差が1トリックのものが40%だそうです。
このことを知っていると、競り合いビッデングの時に役立ちます。
一般に、この理論は両サイドがトランプフィットをし、かつHCPが等分している時に有効です。
そして、この理論を使うためには、勿論、両サイドの切札枚数を把握しておく必要があります。

□ 応用
(1)ビッドするレベル
自分のサイドの切札の枚数と同じトリックを示すレベルまでビッドする。
例えば、

N E S W N E S W
1 / ?   1 1 2 2
        / / ?  
J10653
8
853
A964
A4
985
QJ532
973
  ?=4   ?=3(+)
(+)レスポンス時の3は強いハンドになる

(2)せり合うレベル
この場合は、次のガイドラインを使いましょう。

ルール 説 明
Rule of
 3-over-2
相手側が2レベルで止まった時、8枚フィットでも、3レベルまでいく。
Rule of
 3-over-3
相手側が3レベルで止まった時、9枚フィット以上でなければ、3レベルにはいかない。
Rule of
 4-over-3
パートスコアのハンドなら普通パス。
10枚フィットなら、4レベルまでいく。。
4-over-4 パートスコアのハンドなら普通パス。
10枚フィットでも、4-0ver-4以外はパス。
切札が4枚あれば、ダブルを検討する。
5-over-4 パートスコアのハンドでは必ずパス。
切札が4枚あれば、ダブルを検討する。

例題 1  3-OVER-2
N E S W   N E S W   N E S W
1 1 2 2   1 1 2 2   1 / 1 /
?         / /     2 / / ?
62
AQ432
AQ54
J6
  743
K986
J62
KQ2
  98
76
KJ9642
K87
?=pass     ?=3   ?=3

例題 2  3-OVER-3
N E S W N E S W N E S W
1 2 2 3 2 3 ?   1 2 2 3
?                   ?  
KJ9854
A87
84
A4
AJ43
Q7
Q109
K943
QJ7543
A7
A83
87
  ?=3   ?=pass ?=3

例題 3 4-OVER-3
N E S W N E S W N E S W
1 2 2 3 1 3 3 ? / / 1 1
3 / / ?         X 3 3 ?
A87
KQ6
Q842
1063
2
KJ82
A83
K9876
AJ98
75
AK843
K7
  ?=pass   ?=5 ?=pass

例題 4  4-OVER-4
N E S W N E S W N E S W
1 3 4 ? 1 1 4 ? 3 3 4 ?
A82
92
AJ1054
K54
Q9652
72
AK4
542
A1054
J62
K62
J87
?=4 ?=4 ?=pass

□ 調整
式(1)のトリック数は3レベルまでは正確だといわれています。
このレベルをこえると、トリック数が式の値より多くなったり、少なくなったりします。
次の場合に該当する場合は、トリック数を調整しましょう。
□ 練習問題(目下作成中)

□ 付録
(1)3-OVER-2 が成立する理由
例えば、相互に切札が8枚フィットで、オークションが次のように進んだとします。

N E S W
1 1 2 2
/ / ?  

8枚フィトですから、LTTの理論ではSはパスすることになります。
しかし、2レベルでは3レベルまで上げる方がよいのです。
それは、下表の示すとおり、得することが多いからです。
表Aは3ケースとも、表Bは2ケースとも、3に上げたほうが好結果になります。
トータルトリックは16で一定ですから、こちらが9トリックとれれば、オポーネントは7トリックしかとれない勘定になります.

<両方ノンバル>
3までいった時 2をパスした時
CON BY M D NS-SCORE TRICK CON BY M D NS-SCORE TRICK
3H S 3   140 9 2S W   1 50 7
3H S   1 -50 8 2S W 2   -110 8
3H S   2 -100 7 2S W 3   -140 9

<バル対ノンバル>
3までいった時 2をパスした時
CON BY M D NS-SCORE TRICK CON BY M D NS-SCORE TRICK
3H S 3   140 9 2S W   1 50 7
3H S   1 -100 8 2S W 2   -110 8
3H S   2 -200 7 2S W 3   -140 9

(2)こちらが10枚フィットなら、あちらは9枚フィット
自分達に10枚フィットがあるとき、オポーネントのスーツの分布は次表のとおりです。
即ち、こちらが10枚フィットなら、あちらは64%(3.5/5.5=.636)の確率で9枚フィットです。

自分達のスーツ分布 相手のスーツ分布 度数
10−7−5−4 9−8−6−3
10−6−5−5 8−8−7−3
10−6−6−4 9−7−7−3 1.5

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