"
The
Law of Total Trick" は1969年に仏人
Jean-Rene'
Vernes が発表した理論です。
しかし、1992年に、
Larry
Cohen が ”
To
Bid or Not To Bid” を出版するまで、あまり顧みられませんでした。
この理論は次のとおりです。
トータルトリックの数は両サイドの切札枚数の合計にほぼ等しい。 式(1)
例えば、
NSサイドの切札がスペードの8枚、
EWサイドの切札がダイヤモンドの8枚とします。
NSがスペードでプレイした時の取れるトリック数を
X、
EWがダイヤモンドを切札でプレイした時に獲得できるトリック数を
Yとすれば、
X+Y=8+8=16 となります。
ここで、注意しなければならないことは
、Xが普通は8ですが、ときには7であったり、9であったりすることです。当然、Xが7の時、Yは9になります。
Vernes によると、調査したデールで、式(1)が成立するのが50%、誤差が1トリックのものが40%だそうです。
このことを知っていると、競り合いビッデングの時に役立ちます。
一般に、この理論は両サイドがトランプフィットをし、かつ
HCPが等分している時に有効です。
そして、この理論を使うためには、勿論、両サイドの切札枚数を把握しておく必要があります。
式(1)のトリック数は3レベルまでは正確だといわれています。
このレベルをこえると、トリック数が式の値より多くなったり、少なくなったりします。
次の場合に該当する場合は、トリック数を調整しましょう。
- オポーネントのスーツがボイドである。 (+1)
- 切札以外にフィットしたスーツがある。 (+1)
- サイドスーツに確実なウイナーがある。 (+1)
- ハンドが非常に偏っている。
例えば、2スーターの枚数が11枚。 (+1)
- オポーネントのスーツにQやJがある。 (−1)
(1)3-OVER-2 が成立する理由
例えば、相互に切札が8枚フィットで、オークションが次のように進んだとします。
8枚フィトですから、LTTの理論ではSはパスすることになります。
しかし、2レベルでは3レベルまで上げる方がよいのです。
それは、下表の示すとおり、得することが多いからです。
表Aは3ケースとも、表Bは2ケースとも、3
![](../../heart.gif)
に上げたほうが好結果になります。
トータルトリックは16で一定ですから、こちらが9トリックとれれば、オポーネントは7トリックしかとれない勘定になります.
<両方ノンバル>
3 までいった時 |
2 をパスした時 |
CON |
BY |
M |
D |
NS-SCORE |
TRICK |
CON |
BY |
M |
D |
NS-SCORE |
TRICK |
3H |
S |
3 |
|
140 |
9 |
2S |
W |
|
1 |
50 |
7 |
3H |
S |
|
1 |
-50 |
8 |
2S |
W |
2 |
|
-110 |
8 |
3H |
S |
|
2 |
-100 |
7 |
2S |
W |
3 |
|
-140 |
9 |
<バル対ノンバル>
3 までいった時 |
2 をパスした時 |
CON |
BY |
M |
D |
NS-SCORE |
TRICK |
CON |
BY |
M |
D |
NS-SCORE |
TRICK |
3H |
S |
3 |
|
140 |
9 |
2S |
W |
|
1 |
50 |
7 |
3H |
S |
|
1 |
-100 |
8 |
2S |
W |
2 |
|
-110 |
8 |
3H |
S |
|
2 |
-200 |
7 |
2S |
W |
3 |
|
-140 |
9 |
(2)こちらが10枚フィットなら、あちらは9枚フィット
自分達に10枚フィットがあるとき、オポーネントのスーツの分布は次表のとおりです。
即ち、こちらが10枚フィットなら、あちらは64%(3.5/5.5=.636)の確率で9枚フィットです。
自分達のスーツ分布 |
相手のスーツ分布 |
度数 |
10−7−5−4 |
9−8−6−3 |
2 |
10−6−5−5 |
8−8−7−3 |
2 |
10−6−6−4 |
9−7−7−3 |
1.5 |