現在は、ハンドの強さはポイントで評価します。しかし、ポイントは万能ではありません。一つの尺度に過ぎません。

例えば、プりエンプテイブ・ビッドの場合、２と３のルールを使いますが、これはポイントでは判断できません。これには、プレイング・トリックやクイック・トリックの知識が必要です。

本書は著者たちがこれまで発表してきた、ハンドの評価法やビッデングにおける判断基準を集大成したものです。

目次は次のとおりです。

第１章から第４章までは、オークション一般のチップスです。

第１章では、長いスートにハイカードが集中しているハンドは強いこと、３番手では、長いスートにハイカードがあって、オープニングリードの役に立ち、リビッドに困らなければ、軽いハンドでもオープンすること―クリンガーは、他の本では、オーバーコールできるハンドと説明しています―、４番手の１５のルールなどを説明しています。

第２章はレスポンス、リビッドに関して、ハンドのかたちも考慮すること、ミスフィット時の考え方などを説明しています。
参考まで、二、三、例を紹介しましょう。

W N E S 1 / 1 / 2 / ?	QJ732 8 AK Q8643	KQ743 8 AK AJ742
	16ポイントあるから、3NTといきたいところですが、2NTで誘う。	3。

心得：ミスフィットでNTをプレイする時は、コントラクトが高くならないよう注意せよ。

W N E S 1 / 1 / 2 / 2 / ?

9 KQ984 AJ87 KJ8

2NTとビッドしたいでしょうが、 パス。 ミスフィットでゲームの保証がなければ、低いコントラクトで。

第３章はLTCです。これも参考になりますが、第４章のプレイングトリックを紹介しておきましょう。

プレイイングトリックはアナーとスーツの長さで決まります。

Q986542 K10 J98 Q	KQJ9854 Q1073 4 3	KQJ9862 84 2 984
PT=5 パス。	PT=6.5 ３番手で（黄）なら3。	PT=6 （黄）なら3。 （緑）なら4。

この表の（黄）はバルネラビリテイが同じ、（緑）は相手がバル、こちらがノンバル。（赤）は相手がノンバル、こちらがバルの時。
Rule 2 and 3 が Rule 2,3 and 4 に変わっています。（これは、最近のROOTの本でもそうなっています）

サポートするにはクイックトリックを使います。クイックトリックは上記の
Ｂ表と同じです。

パートナーが3でオープンしました。（バル関係は黄色）。
レイズしますか。

9 A875 AK53 A973	7 KQ87 KQJ8 KQ32	K843 7 632 K8543
QT=4 4。	QT=3 パス。	QT=1 4。 サクリファイス上。

他の章の説明は省略しますが、中級者には参考になる本です。
一読をお勧めします。