忘れ得ぬ鳥達
2,船橋三番瀬海浜公園での出会い 
 カラフトアオアシシギ  2008・6・7  ヒメハマシギ   2009・9・23
カラフトアオアシシギは関東の干潟では非常に珍しい鳥ですが、愛知県や佐賀県の干潟ではしばしば渡来しています。しかしこの場合も多くは幼鳥、冬羽の場合が多く、成鳥夏羽を見られることは少ないと思います。 そのカラフトアオアシシギ、しかも成鳥夏羽が三番瀬に渡来しました。この鳥はそれ以前にも愛知県で見たことがあり、ライファーではありませんでしたが、図鑑でしか見たことのない成鳥夏羽はやはり印象深く、感慨ひとしおでした。
ヒメハマシギはやはり極くたまに見られるとされていますが、三番瀬を観察するようになってから現在に至るまでの約25年間で、出会ったのはこの時だけでした。トウネンよりやや大きく、嘴も大きいので見慣れてくると識別は比較的容易でした。 この時はヨーロッパトウネンもほぼ同じ場所で見られ、時には一緒に採餌する場面も見れました。秋の渡りでは殆どが幼鳥で、この時も幼鳥でした。 去年(2019年8月上旬に九十九里浜に夏羽が渡来したことは記憶に新しいところです。)
1 アライソシギ X オバシギ Hb  2015・9・11 ハシグロクロハラアジサシ   2007・8・19 
2014年12月に冬羽(おそらく1W)として渡来したこの交雑個体は、翌2015年8月に再度姿を見せました。秋の渡りの初め頃でまだ夏羽を残していました。この鳥、嘴や腹部の班、などに北アメリカの鳥であるアライソシギの特徴を残しており、胸部の暗色帯や全体の雰囲気にはオバシギの面影を見て取れます。この年は8月から9月にかけて三番瀬に滞在しましたが、9月中旬には姿を見なくなりました。さらに南に向かって旅立ったのだと思われます。翌春、翌秋にまた見られることを期待しましたが、その後この鳥の姿を見ることはありませんでした。  2008年8月19日、三番瀬の鳥達を観察していた時にコアジサシの群れの中に頭が黒くて翼がグレーのほっそりしたアジサシが混じっているのを発見しました。一緒に観察していた三番瀬の主を自認するベテランのYさんと意見交換、極めて珍しいハシグロクロハラアジサシだろうとの結論になりました。 実は前年の7月に多摩川河口の空き地にこの鳥が降り立って、その時にこの鳥をライファーとして見ていたので確信を持って識別することが出来たのです。同類のハジロクロハラアジサシと比べて、体型がスマート、嘴が細く長い、脚が短いなどの特徴がありました。
三番瀬では季節によって色々な干潟の渡り鳥や冬期にはカモ類が見れますが、常連の鳥達の他に時として非常に珍しい鳥が姿を見せることがあります。 上記4種は幸いに私が見ることが出来た鳥ですが、その他にもソリハシセイタカシギ、ヘラサギ、グンカンドリ、コクガンなどを見ています。また、残念ながらヒメカモメ、ボナパルトカモメなどは見ることが出来ませんでした。 三番瀬で見られる鳥もこの30年程の間に少しづつ変わってきています。冬のダイシャクシギ、春の渡りの時期のコオバシギ、サルハマシギなどは滅多に見られなくなり、数年前まで毎冬見られたハジロコチドリも見られなくなりました。一方でミヤコドリは越冬個体が400羽を超え、国内最大の越冬地になりました。