ハシブトアジサシ(カモメ科 ハシブトアジサシ属)
Gull−Billed Ternlack
Gelochelidon nilotica

基亜種ハシブトアジサシ 冬羽  2007年8月 三番瀬 基亜種ハシブトアジサシ 夏羽から冬羽に換羽中 2015年9月 三番瀬
基亜種ハシブトアジサシ(Gelochelidon n.nilotica) 2014年9月 三番瀬
餌採りダイビング連続画像 2014年9月 三番瀬
基本的には旅鳥で少数が日本を通過するとされています。2005年7月、三番瀬でこの鳥を初めて見ることが出来ました。地元で頻繁に見ることはありませんが、幸い今までにこの時を含めて3回観察する機会がありました。しかし完全な夏羽はまだ見たことはありません。特に去年(2014年)9月には3ないし4個体が同時に観察され、それぞれ冬羽から夏羽に近い個体までを観察出来ました。アジサシやコアジサシとは違い、水面にダイブするのではなく、主に砂浜の小さなカニなどを採りますが、その際独特の飛翔で砂浜めがけて急降下、地上スレスレで巧みにチゴガニなどをゲットします。他のアジサシ類と比べ、足が長く、嘴も太短いという特徴があります。

分布、分類など
旧北区(ユーラシア大陸)から北米大陸にかけて東西に広く分布し、冬期はアフリカの熱帯域、ペルシャ湾、インド、東南アジア、オーストラリア、中南米地域に渡る。
日本を通過するグループは基亜種ハシブトアジサシ(G.n.nilotica)であるが他の亜種として
G.n.aranea  北米東海岸、ユカタン半島等で繁殖 冬期はブラジル、ペルーで越冬
G.n.affinis   バイカル付近で繁殖 冬期は東南アジアで越冬
G.n.vanrossemi 米国カリフォルニア、ニューメキシコ付近で繁殖、冬期はエクアドルで越冬
G.n.gronvoidi   仏領ギアナで繁殖 アルゼンチン北東部で越冬
G.n.macrotarsa オーストラリアで繁殖
等が記載されている。
(2015年10月19日記)