ジョウビタキ (ヒタキ科 ジョウビタキ属)
Daurian Redstart
Phoenicurus auroreus
♂  2011年3月 房総風土記の丘(千葉県)        ♂  2009年11月 井頭公園(栃木県)
♀ 2005年1月 井頭公園(栃木県) 2011年3月 松戸市(千葉県)
いずれも(基)亜種ジョウビタキ Phoenicurus a.auroreus
私がジョウビタキを初めてそれと意識したのはいつ頃の事だったのでしょうか・・・と思うくらい子供の時から親しんできた身近な小鳥でした。 記憶としてハッキリ覚えているのは会津若松で生活していた中学生時代、父親の勤務する会社のおじさんにモンツキ(紋付)という俗称を教えてもらった事です。冬のある日、多分正月の寄合の場に子供ながらに顔を突っ込んでは博識なおじさんに質問を連発したのでした。私的には最古の鳥談義だったのです。♂の美しさも格別なものですが、♀の愛くるしい姿、特徴ある鳴き声(地鳴き)と尾羽を細かく震わせ、興味深げに人間を観察するような仕草には本当に心癒されるものがあります。
冬鳥として全国に渡来しますが、ガンカモ類やシギチドリ類のように北から南に日本列島沿いに南下するのではなく、大陸側から日本海を横断する形で渡来します。従って10月上旬から中旬にかけての初認日は列島の南北に関係なく、北から南までほぼ同時に記録されるとのことです。

分類上2亜種が記載されています。
(基)亜種ジョウビタキ 
Phoenicurus a.auroreus はシベリア南部からモンゴル、中国東部、朝鮮半島、樺太、千島列島などで繁殖、冬期は日本列島、琉球列島                     で越冬
亜 種 leucopterus  
Phoenicurus a.leucopterus は中国西部、からチベット南部。タイ北部にかけて繁殖し、冬期はミャンマー北部に渡る。

日本での繁殖記録について
1983年に北海道上士幌町糠平で国内初の繁殖が確認されましたが、この数年は国内の各所で繁殖が確認されています。 特に八ヶ岳の長野県側から霧ヶ峰方面では2010年に富士見町の富士見高原での繁殖が確認されて以来毎年複数の繁殖例が報告され、偶発的な繁殖ではなく定着が報告されています。
下の写真2葉は2013年8月に白樺湖畔の別荘地で私が撮影、日本野鳥の会諏訪に私信として観察記録と写真を提供した資料の一部です。
(以上2016年1月7日 ページ更新時 記)

参考文献   林正敏、山路公紀 「八ヶ岳周辺におけるジョウビタキの繁殖と定着化」 日本鳥学会誌 Vol.63 No2 p311(2014)
巣立ち直後の幼鳥 いずれも2013年8月17日 白樺湖畔の別荘地で撮影