キマユムシクイ
Yellow-browed Warbler
Phylloscopus inornatus
2018年10月 与那国島 2018年5月 舳倉島
2018年5月 舳倉島 
明瞭な翼帯が2本ある小柄な愛らしいムシクイ、メボソムシクイなど見慣れたムシクイと比べるとちょっと頭でっかちで寸詰まりな体型です。この鳥を初めて見たのは2002年12月、年末の九州一周鳥見旅の折、ツルの名所である出水でのことでした。その当時はムシクイ類についての私の知見は貧弱なもので、同行の先達の方が見つけ、教えて頂きました。その後は長い間見る機会がなかったのですが2011年5月に舳倉島で観察。それ以後は時々観察する機会がありました。渡りの時期に関東でも見たことはありますが、やはり離島で観察する機会が多い鳥だと思います。 2本の明瞭な翼帯、3列風切りに見られる幅広い淡色の羽縁、不明瞭な頭央線などの特徴があります。2018年10月、与那国島で秋の渡りの個体をしばしば見ましたが、換羽が終わった直後で、春に見る姿に比べて3列風切り外縁が幅広くよく目立っていました。逆に5月に見る個体ではこの部分は摩耗が進んでいて、秋に見る個体よりも目立たないようです。

中国東北部からモンゴル、シベリア南部で繁殖し、東南アジア方面で越冬します。
亜種の記載はありません。
(2018年11月7日 記)


参考文献
日本鳥学会  日本鳥類目録改訂第7版
BIRDER誌 2011年3月 ムシクイ類パーフェクトバイブル
真木広造、大西敏一、五百澤日丸  日本の野鳥650    平凡社