クビワオオシロハラミズナギドリ
White−necked Petrel
Pterodroma cervicalis
クビワオオシロハラミズナギドリ Pterodroma cervicalis 2015年9月 小笠原諸島海域  
2015年9月、小笠原父島への航路探鳥に挑戦しました。運が良ければオオシロハラミズナギドリを見られるとの期待がありました。出港直後の伊豆諸島海域では風雨が強く荒れた天気でしたが、一夜明けた小笠原海域では綺麗に晴れ渡り青空を映した海面はあくまでも青、海も穏やかに凪いでいました。そんな朝6時半過ぎ、お目当てのオオシロハラミズナギドリが姿を見せてくれました。 船からはかなりの距離がありましたが、充分にその白く目立つ姿を確認することができました。帰宅後写真で詳細を確認した結果、これはクビワオオシロハラミズナギドリであることが判明しました。 分類上はオオシロハラミズナギドリの1亜種とする資料もありますが、別種とする資料の方が多いようです。オオシロハラミズナギドリとは分布域がかなりはっきりと分かれていて、小笠原海域で時々見られるのは殆どがクビワオオシロハラミズナギドリとされているようです。Pterodroma cervicalisPterodroma cervicalisPterodroma cervicalis
クビワオオシロハラミズナギドリの分布域はオーストラリアから小笠原諸島海域までの中部太平洋ですが、オオシロハラミズナギドリはこれより東側で南米チリ沿岸から北米大陸沖に分布しています。(2016年2月5日 記)

オオシロハラミズナギドリとの比較分布、分類については下記の資料を参照しました。
* 真木・大西・五百澤 「日本の野鳥650」 平凡社   別種としているが、
バヌアツミズナギドリについても紹介している。
* 日本鳥学会 「日本鳥類目録改訂第7版」  オオシロハラミズナギドリとして記載し、クビワオオシロハラミズナギドリは
   検討中としている。
前6版(2000年)では基亜種をオオシロハラミズナギドリとする亜種クビワオオシロハラミズナギドリとされ    ていた。7版では2001年に新種として記載されたバヌアツ ミズナギドリ(仮称)=Pterodroma occultaの可能性も含   めて検討中とされていると考える。

* Derek Onley・Paul Scofield 「Albatrosses,Petrels and Shearwaters of the World」 Princeton University  
  別種としている。
また、この図鑑では上記バヌアツミズナギドリについても図版とともに簡単な解説があり、クビワオオシロハラ  ミズナギドリと比べると大きさがかなり小さいものの洋上での識別は困難であろうとしている。(赤字部分2017年6月14日記)

* Avibase-The world birds database  近縁種と併せて種群(species groupe)としており明確ではないように思える。
* 箕輪義隆  「海鳥識別ハンドブック」 文一総合出版  別亜種としている。