マミジロタヒバリ
Richard's Pipit
Anthus richardi
基亜種マミジロタヒバリ Anthud richardi richardi  2017年3月 与那国島
基亜種 マミジロタヒバリ 2012年5月 舳倉島 2012年3月 ネパール  コシタップ(日本産とは異なる亜種か?)
この鳥をそれとしてはっきり視認したのは与那国島初遠征の2010年10月1日のことでした。それ以前にも関東に飛来した折に遠目ながら見てはいましたがライフリストに加えるような状況ではありませんでした。関東への飛来は非常に稀であると思います。それ以降も舳倉島などで見てはいましたが、この鳥を近くでじっくりと観察できたのは2017年3月、与那国島の東崎でのことでした。独特の胸を反らした立ち姿勢はとても印象的でした。九州など西日本で旅鳥又は冬鳥として見られます。

この鳥の繁殖域は西は中央アジアカザフスタン北東部から東は北東中国、ロシア東部沿海州、南は中国南部と広く、その範囲に5亜種が記載されています。日本産鳥類目録改訂7版では、日本に渡来する亜種は基亜種A・r・richardi であるとしています。
5亜種の分布域はおよそ以下の通りです。
Anthus r.richardi  基亜種マミジロタヒバリ  カザフスタン北東部、バイカル湖周辺で繁殖 冬期は南西アジアに渡る。
Anthus r.centralasiae           カザフスタン東部、南部 西部モンゴル、中国北部 冬期はアジア南部に渡る
Anthus r.dauricus    サハ・ヤクート南部、バイカル湖地方、黒竜江省方面で繁殖  冬期はアジア南部に渡る
Anthus r.sinensis     中国南東部で繁殖 
Anthus r.ussuriensis  ロシア南東部 中国東部で繁殖 冬期 東南アジアに渡る  
                                                          (2018年1月13日記)

参考文献
日本鳥学会  日本鳥類目録改訂第7版
P.Alstrom and Krister.Mild   「Pipits and Wagtails」  Princeton University Press
真木広造、大西敏一、五百澤日丸  日本の野鳥650    平凡社