ズグロチャキンチョウ
Black−headed Bunting
Emberiza melanocephala
2017年4月 鹿児島県十島村
2017年4月 鹿児島県十島村 ♂若鳥と思われる 2013年3月 ネパール チトワン
この鳥を初めて見たのは2017年4月20日、トカラ列島の宝島でした。そしてその場面は今後もまず経験することはないだろうと思われるほどの稀有なものでした。この日の何日か前に私は八丈島航路に乗ったのですが八丈島で帰りの船の出航を待つ1時間弱の間に港周辺の鳥を探した何名かの方がこのズグロチャキンチョウを見ており、私は大いに悔しい思いをしたのです。その直後の宝島。到着翌日の早朝探鳥で、朝食のため宿に帰ろうとして、何気なく見渡してみた海辺で遠くの草の穂にとまったこの鳥を見つけました。それまで20年以上も出会うことがなかったこの鳥に僅か数日の間に2回の出会いのチャンスがあり、その2回目にとうとう出会ったのです。これだけなら「やった〜」くらいで済んだのですが同時に同じ場所でもう1羽のレアな迷鳥であるイワバホオジロをも見付けてしまったのです。全く我が目を疑うというE言葉がそのまま当てはまるような場面でした。胸が早鐘のように高鳴りカメラを持つ手も定まらずといった地に足がつかない気分でした。・・・・とまぁこのページはフィールドノートではないのでライファーゲットの場面はこのくらいにしておいてこの鳥について。
毎年渡りの時期には南西諸島や日本海側の離島で少数が確認されている鳥ですが、黒海沿岸周辺の繁殖域からインド亜大陸西部の越冬地域を結ぶ渡りのルートは日本列島とは全く異なる地域となっており、少ないとは言え定常的に観察されるということは別の確たる渡りのルートと繁殖地域があるのではないかと素人的に勝手に思っているわけです。

この鳥の分類上の位置づけですが
ズグロチャキンチョウ(Black-headed Bunting=E . melanocephala)を独立種とする考え方が大勢となっているようですが、別にチャキンチョウ(Red-headed Bunting=E . bruniceps)と同列の亜種としての位置付けを主張する説もあるようです。
(2017年10月23日 記)