日本沈没(1973)

★★★★

  監督 : 森谷 司郎
CAST : 藤岡 弘
       丹波 哲郎
       いしだ あゆみ
TIME : 2時間24分


STORY: 神奈川県三崎港から一隻の船が出向した。田所博士を乗せた海洋探査船だ。先日沈没した無人島の調査の為に
       深海挺「わだつみ」で調査をするのだ。しかし、調査を開始して判明したことは、どうやらその無人島は地震や
       海底火山の噴火で沈没したのではないらしいのだ。そして田所博士は日本海溝を調査する事にし、そこで恐るべき
       事実を目撃してしまうのだった・・・。

  評価 : 小松左京のベストセラーの映画化。日本映画がまだパワーを持っていたころの大スペクタクルムービーです。
       出演陣も超豪華。そのころまだ世界と互角に渡り合えた特撮を駆使し、パワフルな映像が展開されています。
       でも、東京壊滅のシーンでの、あの大爆発はなんともはや・・・。まるでウルトラマンやゴジラを見ているよう
       でした。あそこまでやってしまうと、なんか真実味を感じなくなってしまうんですよねぇ。だって、東京は火の
       海なのに、首相官邸はビクともしてないんだもの。28年も前の映画ですから、つっこむ場面は多々あります。
       石油コンビナートなども大爆発を起こした東京が、1年後にはほとんど復興してしまっているとかね。まぁ、
       それを差し置いても後半の日本沈没シーンは圧巻ですので、ぜひともご覧ください。

        ★★★★


日本の黒い夏 -冤罪-(2000)

★★★★☆

  監督 : 熊井 啓
CAST : 中井 貴一
       寺尾 聰
       細川 直美
TIME : 1時間59分


STORY: 平成6年6月26日の深夜、松本市。その日、日本犯罪史上希にみる有毒ガス中毒事件が発生。警察は事件後
       数十時間で、事件の第一通報者「神部 敏夫」をこの事件の犯人と断定。マスコミもそれを受けて、神部 敏夫氏
       を犯人として報道、事件は解決へと向かうかと思われた。しかしその事件はマスコミ報道、警察捜査、そして
       一般市民のモラルをも問う事件へと発展して行く・・・。

  評価 : 1990年代、日本人には忘れてはならない二つの出来事が起こりました。一つは大都市を襲った未曾有の天災
       『阪神・淡路大震災』そしてもう一つは日本犯罪史上最も最悪の犯罪『新宿地下鉄サリン事件』です。この映画は
       その発端とも思える『松本サリン事件』をベースに、この国のマスコミ、警察のあり方を問うた作品です。過去
       にも、そのあり方を問うた作品は有ったと思いますが、これほど真に迫った作品は無かったかも知れません。
       特に目新しい映像表現も無く、凝った作り方もして居らず、ごくオーソドックスに作られた作品ではありますが
       逆にそれが、このテーマを曇らせる事なく浮き彫りにする事に成功していると思います。ラストではあまりに
       悲し過ぎて泣いてしまいました。是非ともこの映画をご覧になって、今一度あの出来事について考えて見ては
       いかがでしょうか?

        ★★★★☆



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