トップその他の情報2009公開初日舞台挨拶オフ会レポート

2009年4月18日、運営者が4年連続4回目のオフ会関東遠征を行いました。もちろん、主目的は当日行われた「野生王国」公開記念舞台挨拶にありました。移動手段は、昨年までとは違います。と言うか同じ手段は使えなかったのですが。
注意:以下、鉄道ネタが随所に登場します。興味のない方は適当に読み飛ばしてください。

前準備

今年も初日舞台挨拶が同じ場所で行われることを予期して(実際に舞台挨拶の発表がされたのは4月8日でした)1か月前に切符を買いに行きました。去年まで使っていた「ムーンライトながら」は臨時列車化され、当日の運転はありません。それでも前夜出発して当日の朝には現地入りしなければなりません。そこで今回は、東海道線で唯一残った夜行列車の特急「サンライズ出雲・サンライズ瀬戸」を利用することにしました。しかし帰りは「サンライズ」が姫路まで停車しない(大阪通過時はまだ未明の時間帯なので)ために使えません。ということで、新潟から大阪へ日本海側を通る急行「きたぐに」を利用することとしました。
ということで、昨年までは「ながら」指定席の510円×2で済んでいたところが、特急や急行料金が必要となり交通費が大幅に上がってしまいます。そんな中でも少しでも安くするために、あれこれとひねった切符を買うことにしました。

まず乗車券ですが、今回のルートでは行きは太平洋側、帰りは日本海側を通ります。JRの乗車券は距離によって値段が変わりますが、長距離になると1kmあたりの値段が安くなります。具体的には300kmまで1kmあたり16.2円、300kmから600kmまで12.85円で、600kmを超えた分は7.05円となります(本州3社の幹線の場合)。塚口(大阪から西、尼崎から福知山線で1駅)と東京の往復だと、片道約560kmで8,720円、往復ではその倍で17,440円となります。しかし今回は、東京まで東海道線を使い、そこから北上して日本海側まで出て大阪に戻ってくる乗車券を作りました。ただし、途中の山科(やましな・京都の1つ東にある駅)で経路がぶつかってしまいますので、片道乗車券ではここまでしか乗れません。このような場合に連続乗車券という乗車券にすることができ、今回実際に連続乗車券としました。塚口から東京を経て山科までが約1,300kmあり、東京往復より長い距離ですが3,000円も安い14,390円でおさまります。山科から大阪までは820円で、これを足しても15,210円で全行程を網羅できます。
…が、さらに安くすることができます。京都から大阪までは私鉄との競合区間となっていて、特別に安くなっています。そのため、山科→京都(180円)と京都→大阪(540円)に分割することで100円安くできます。さらに裏ワザになりますが、金券ショップを利用するともっと安くできます。京都・大阪が12枚で3,670円(つまり1枚あたり306円)という破格の回数券があります。「昼間特割きっぷ」(通称:昼特)というもので、これを金券ショップでバラ売りしています。今回、京都・大阪の昼特を320円で購入しました。つまり、山科→大阪を820円から500円にまで節約することができました。なお昼特は利用時間制限があるのでご注意ください。

連続乗車券(1) 塚口→山科、経由:福知・東海・熱海・新幹線・小田原・東海・東北・高崎線・高崎・新幹線・信越・北陸・湖西/途中下車:大阪、熱海、有楽町、上野、高崎、長岡 連続乗車券(2) 山科→京都、経由:東海道
昼特きっぷ 大阪⇔京都

次に特急券・急行券ですが、こちらは乗継割引を活用しました。乗継割引にはいくつか適用パターンがありますが、そのうちの一つ「新幹線と在来線特急・急行を乗り継ぐ場合の割引」を使います。サンライズに乗車する際、大阪から終点の東京まで乗ってしまえば楽です。しかし、あえてサンライズは熱海までで降りることにします。そして熱海から小田原まで新幹線を使えば、乗継割引が適用できます。普通にサンライズで乗り通すと特急料金は3,340円ですが、乗継割引適用で半額の1,670円になります。新幹線特急券も必要になりますが、隣接駅間の自由席利用の場合特別に安くなっており(新幹線特定特急券)、熱海から小田原の自由席は840円です。つまり、3,340円必要な特急料金を1,670+840=2,510円に抑えることができます。
さらに「サンライズ」は個室寝台がほとんどですが、そんな中で寝台料金不要ながらも完全に横になれるカーペット敷きの「ノビノビ座席」という区画があり、寝台料金節約のためにノビノビ座席を確保しました。

一方で「きたぐに」では寝台を利用しました。「きたぐに」は寝台のほかに自由席やグリーン席もあるのですが、帰りは疲れているし、今では定期列車では「きたぐに」にしかない3段寝台という希少性もあります。なお「きたぐに」のB寝台は3段ですが、下段は幅が広く寝台料金が6,300円ですが、上段と中段は幅が下段の7割程度しかありません。高さも数cmですが低いです。そこで下段より1,050円安の5,250円です。
ちなみに今回「きたぐに」の急行券にも乗継割引が適用されていますが、こちらは全体で安くする目的でわざと適用させたものではございません。現地滞在時間を長くしたかったために新幹線利用としました。

特急券 大阪→熱海 サンライズ出雲号 新幹線特定特急券 熱海→小田原
新幹線特急券 高崎→長岡 Maxとき353号 急行券・B寝台券 長岡→大阪 きたぐに号

出発〜熱海

4月17日、仕事を終えていよいよ出発です。まずは夕食ということで、会社近くのマクドナルドへ。普通にセットメニューを注文しますが、100円キャッシュバックをやっているということで夜食用にハンバーガーを追加しました。そして21時53分にJR塚口駅へ到着すると、ちょうど電車が出たところ…幸先が悪いようです。20分後に次の電車がやってきて、大阪駅へ。待ち時間が2時間ほどあるので、いったん改札の外に出てまだ開いていた書店で時間つぶしです。23時に閉店となり、駅に戻りました。「サンライズ」が出発するホームでは、1時間ほど前に新潟行き「きたぐに」が発車することになっており、すでに「きたぐに」が停車中でした。これに明日乗るのだと思うとさらにわくわくしてくると同時に、これに乗ったらすべてが終わるという複雑な気持ちにもなってしまいました。そして日付が変わって18日0時32分、「サンライズ」が到着しました。乗り込んで検札が終わったところでハンバーガーを食べて、しばらく窓から外を眺めていました。1時を過ぎ、京都駅を通過するのを見届けてから横になりました。
その後は眠っていましたが、途中の駅で何度か目を覚ましました。やがて5時25分になり、念のためにセットしておいたiPodのアラームで起きました。ちょうど沼津駅に到着するところで、すでに明るくなってきていました。到着10分前に車掌さんが声をかけてくださいましたので、心配するほどのことはなかったかもしれません。そして5時43分、定刻通り熱海駅へと到着しました。

サンライズ
サンライズ出雲・瀬戸=18日0時32分、JR西日本・大阪駅
サンライズ・ノビノビ座席
ノビノビ座席=18日0時34分、サンライズ出雲5号車(モハネ285-3201)

熱海、そこはヤキニクロード

熱海駅の構内にしばらく滞在したのち改札を出て、海のほうへと歩きました。熱海駅から海まではかなり急な坂道が続いており、あの時のしんのすけのように自転車で駆け下りてみたいという気にもなりますがそういうわけにもいかず…。海沿いの道をさらに歩き、7時頃にやってきた場所はスイートボーイズの本部…のモデルになったのではないかと思われる熱海秘宝館のふもとです。スイートボーイズと同じようにロープウェーが出ていますが、営業は9時半からのようでまだ動いていませんでした。ここから駅の方向へと引き返していきます。野原一家がスイートボーイズと戦った場所はどこだろうと思いつつ歩きましたが、ぴったりくる場所があいにく見つからずに駅の近くまで戻ってきました。とりあえず駅前で写真撮影、三角屋根の時計塔は劇中と同じようなものがありました。
駅に戻り、朝食を仕入れてから新幹線ホームへ。ベンチで食事をして、何本もの700系やN700系が通過するのを見ているうちに8時35分になり、お目当ての列車がやってきました。それは「こだま630号」、引退が近いと言われる300系車両を使用している列車です。あの時の野原一家と同じように「熱海駅から300系に乗る」ことにこだわった結果、5時43分に到着した熱海に3時間近くも滞在することになるのでした。

アタミロープウェイ・熱海秘宝館
熱海秘宝館とロープウェイ=18日6時54分、静岡県熱海市
熱海駅前
JR熱海駅=18日7時43分、静岡県熱海市
熱海駅新幹線ホーム・ヤキニクロードで見られたもの
熱海駅駅名標(新幹線)=18日8時9分、JR東海・熱海駅
300系こだま@熱海
熱海駅の300系=18日8時37分、JR東海・熱海駅

有楽町で逢いましょう→逢いました

「こだま630号」はわずか10分足らずで次の小田原駅に着きました。ここで在来線に乗り換えです。東海道線の東京行き列車に乗り込み、これで新橋駅までの移動とします。8時53分に小田原駅を出発した時点では空席多数でしたが、駅ごとに乗客が増え、やがて満員となったようです。実はこの時、ほとんど寝ていました。それでも川崎駅あたりで目を覚まし、そして10時12分に新橋駅へ到着です。ここでまた乗り換え、山手線・京浜東北線ホームに上がると、惜しくも京浜東北線の列車の扉が閉まったところでした。しかしすぐに山手線がやってきました。さすが都心、電車を待つ時間がほとんどありませんね。10時16分に待ち合わせ場所の有楽町駅に着きました。途中下車の手続きをして改札を抜けると、チョルスさんがお待ちでした。1年ぶりの再会ということで「おひさしぶりぶり」と軽く挨拶してから、すぐに舞台挨拶会場へ向かいました。何しろ10時20分から上映開始なので時間に余裕はありません。事前の打ち合わせで、「熱海駅から300系に乗る」を実行すると有楽町到着が10時16分になることは伝えてあり、どうせ最初は宣伝だからということでチョルスさんにも了承いただいていたのですが、それでもあまりゆっくりはしていられません。ここでうれしいプレゼントがありました。チョルスさんに前売券を購入いただいた際に、前売りプレゼントのエコロジーマイおはしがもらえたようで、私も1膳手に入れることができました。

TOHO CINEMAS NICHIGEKIで上映(著作権の問題上、一部加工)
TOHO CINEMAS NICHIGEKI(日劇2)で上映=18日10時18分、東京都千代田区有楽町

上映〜舞台挨拶

会場のTOHO CINEMAS NICHIGEKIに到着して入場すると、場内はすでに暗くなっていて宣伝が始まっていました。席に着き、しばらくすると本編が始まりました。この時10時33分でした。映画の内容は別のところに書きます。そして上映終了となり、時計を確認すると12時10分となっています。上映時間は97分とのことで、近年の作品ではやや長めのようです(パンフレットによると96分らしいですが)。来年テレビで放送されるときにはある程度のカットが入ることになりそうですので、テレビでいいやと思わずに、上映している間に劇場へ足を運んでください。12時14分から舞台挨拶が始まりました。今回の司会進行はテレビ朝日の矢島悠子アナでした。「矢島」と聞こえた時点で妙な反応を起こしてしまいましたが…。毎年恒例ではありますが、「しんちゃーん」とみんなで呼ぶことにより、ひまわりを抱いたしんのすけ着ぐるみが登場しました。続いてみさえとひろしの着ぐるみも登場し、映画の内容について早速討論がなされました。
続いて今回のゲスト、ジェロさんと山本高広さんも登場しました。今回はしんのすけから2人に対して質問を投げかけるという形式で話が進みます。なぜか途中でケイン・コスギやらETやら、そういう人も登場した感じで場内は笑いに包まれました。質問がひと段落ついたところで、ジェロさんによる「やんちゃ道」ライブが始まりました。今までに私が経験した初日舞台挨拶では見られなかったことです。これまでは主題歌を歌う人は試写会の舞台挨拶に登場されてそこで歌う形が多かったようではありますが。
歌が終わると、野原一家の声優陣も登場しました。矢島さん、ならはしさん、こおろぎさんの服装がどことなく似ているような気がしたのですがどうなのでしょうか…。ちなみにその時の写真が映画公式のブリブリブログにあります。矢島さんは「普通のおばさんに」とか言っておられましたが、いえいえ矢島さんは永遠の素敵なおねいさんですよ。
最後にマスコミによる撮影ですが、いつもは舞台下からカメラを向けるところが今回は逆に、マスコミ陣が舞台に上がって出演者が客席側という形でした。つまり、写真の背景には観客の姿が見えるわけですね。今回私たちの席は左寄りの場所ですのでどさくさ紛れで写っているようなことはないと思いますけれども。

そして春日部へ

舞台挨拶が終わり、パンフレットを買うところで水橋ホトリさんに今年もお会いできました。劇場を出て今回の映画の感想など話をしていましたが、有楽町駅で早くも水橋さんとはお別れとなってしまいました。私は自動改札を通れない切符を持っているので有人改札に向かっているうちに姿が見えなくなってしまいました。ちゃんとした挨拶ができずにすみませんでした。チョルスさんと2人で、これから春日部を目指します。が、とりあえず東京駅でお土産購入をしてからです。京浜東北線で上野駅へと移動し、ここでまた途中下車します。ここから東京メトロに乗り換え、北千住駅へ。さらに乗り換えて東武伊勢崎線の急行に乗ります。しかし、これだと春日部駅に14時13分到着となります。実はこの日、14時に春日部にあるユナイテッド・シネマ春日部にしんのすけ着ぐるみがやってきて、ジャンケン大会や写真撮影ができるというイベントが開催されるという情報を手に入れていたのですが、どうも間に合わない感じです。思ったより舞台挨拶の時間が長かったためですが、ここで慌てても仕方がありません。車内ではチョルスさんが数日前まで行かれていたヨーロッパ旅行で使われていた切符類や、オランダで購入されたという中身は英語の単行本を見せていただきました。

春日部、聖地での鑑賞

14時13分、定刻通りに春日部駅に到着しました。1年ぶりの聖地です。改札に向かうと、その先で募金活動をしている人の姿が見えました。既に「野生王国」を鑑賞された方ならおわかりでしょうが、いったい何の募金なのかと反射的に思ってしまいました。しかしエコ活動のためではなく、あしなが育英基金の募金だったようです。チョルスさんは上野駅で春日部駅までの運賃がわからなかったので初乗り切符だったので(私はSuicaを使用したので問題ありませんでした)、精算が必要でしたが何度も機械の操作を間違えたのかなかなか完了しない人がいて、かなり待たされたようです。みさえのような人だったのでしょうか…。
そしてユナイテッド・シネマのあるララガーデン春日部に向かいますが、すでに14時20分ということでイベントは半ばあきらめ気味です。それでもチョルスさんは、留学のためにもう何年も来ることはないだろうと思っていた春日部にまた来られただけでも十分だとのことでした。ユナイテッド・シネマの前までやってくると…いました! まだしんのすけ着ぐるみはそこにいて、写真撮影の最中でした。数人が並んでいて、私たちも一緒に並びました。そして、それぞれしんのすけ着ぐるみとのツーショット写真を撮ることができました。貴重な経験ができて感激です。おまけにシールももらえました。ちょうど私たちが最後だったようで、直後に着ぐるみしんのすけはすぐ近くのブリブリシネマスタジオのほうへと去っていきました。あと数分遅かったら間に合わなかったと思うと…。
イベントを終え、15時20分からの上映を観るための切符を先に買うことにしました。私は一般で1800円ですが、チョルスさんは前売り券をお持ちでした。ただ、昨年12月に買われていた前売り券をまさか実際に使うことになろうとは夢にも思わなかったそうです。その後、上映時間まで少し時間があるので昼食としました。近くの洋食屋に入りましたが、店員の案内がありません。ヨーロッパでは勝手に適当なところに座るそうですが、日本ではそういう感じではないわけで…結局は勝手に中へ進み、席に着くこととなりました。

ララガーデン春日部
ララガーデン春日部=18日14時24分、埼玉県春日部市

貴重なツーショット記念撮影=18日14時30分、埼玉県春日部市(ユナイテッド・シネマ春日部前)
日劇半券「クレヨンしんちゃん200」 ユナイテッド・シネマ半券「クレヨンしんちゃん オタ」

食事を待つ間、ふと劇場の半券を見ていると…日劇のほうは何と「200」と書いてあります。200作品目とはすごい…。実際は「2009」の末尾が切れただけですが。一方でユナイテッド・シネマはというと、売り場のおねいさんに見破られたのか「オタ」と言われてしまいました。そのことをチョルスさんに話すと、「ヲタ」となっていないだけましだとか…。そして食事が終わり、15時5分にユナイテッド・シネマへ戻ってきました。まもなく入場扱いが始まり、劇場へ入りました。私にとって初めての春日部での鑑賞となりました。さすがは地元だけあって、ローカルネタが登場した時の反応が日劇での上映の時とはかなり違うと感じました。
17時08分に上映が終了しました。出場後はすぐ近くのシネマスタジオに入ってみました。ここには過去の映画で登場した小物が展示してあるコーナーがあるのですが、昨年の「金矛」小物はありませんでした。入れるとしたら何になるのでしょう。竹の物差しとかになるのでしょうかね。店内は昨年訪れた時とあまり変わっていませんが、昨年聞こえたクレしん関係のBGMが聞こえなかったような…。その後ララガーデンの周囲を歩きましたが、なんだかんだと言って春日部には過去にも何度か訪れていますので、今回取り立てて行っておくべき場所というのもなく、18時過ぎには春日部を去ることになりました。

最後は座談会

東武野田線で大宮駅に到着すると18時38分でした。チョルスさんが翌日には留学先のイギリスに戻られるので、20時頃までとのことでした。あと1時間ほどなので、大宮駅の喫茶店で座談会をすることになりました。そこでの話題は、主に「野生王国」の興行収入予測でした。チョルスさんは非日常の登場タイミング、敵の大将のインパクトと登場タイミングで過去の作品を分析されていましたが、その分析によると、今年は過去にないパターンのようでした。ただし似た傾向の作品から類推すると、おそらく今年は13億円台は出るだろうということになりました。是非ともそれ以上の大ヒットを望みたいものですが、果たしてどうなりますやら。そんなこんなで熱い議論をしているうちに1時間が過ぎ、あっという間にチョルスさんとのお別れの時間となりました。チョルスさんが19時48分の京浜東北線に乗り、発車直前にはお礼と握手を交わしました。電車が動き出しても追いかけようとしますが、新型通勤電車は加速力がいいようで、あっという間に見えなくなってしまいました…。

叶わない夕食

チョルスさんと別れた後、私も帰路につきます。まずは高崎線に乗りますが、疲れていることもありグリーン車利用としました。昨年は券売機でグリーン券を購入しましたが、今回はSuicaグリーン券システムを使ってみました。大宮から1時間半ほどで高崎駅に到着します。ここでもいったん途中下車して駅前に出てみますが、さすがに21時半ともなるとあまり何もなく、すぐに再入場しました。新幹線ホームに上がり、ここで狙っていたものがあります。それは「峠の釜めし」。有名な駅弁ですが、本場は高崎の少し西にある横川駅です。時間があればそこまで行こうと思っていましたが遅くなってしまったので不可能になりました。あとは長野新幹線の車内販売で、高崎駅で積み込まれるという話を聞いていたのでそれを狙おうと思ったのですが、こちらも時間が遅すぎたからなのか積み込むような雰囲気がありません。実際に車内に入ってみればいいのかもしれませんが、停車時間が1分しかなく、万一降り損ねて扉が閉まってしまうと本来乗る予定になっている列車に乗れなくなってしまうので車内に踏み込むことはできませんでした。高崎といえばだるま弁当が有名ですが、こちらも時既に遅く、売店が閉まっていたため食事を入手できず、そのまま家に帰るまで食事はお預けとなってしまうことに…。

長岡駅悲喜こもごも

22時34分に「Maxとき353号」が高崎駅に到着しました。これに乗り込み、新潟県の長岡駅へ向かいます。特に何かあった感じはないものの、なぜか長岡駅到着は2分程度遅れていました。ここでまたいったん途中下車して、Suicaの利用状況を印字しようと思っていました。ここで、実は今回使用中の切符では、長岡駅では途中下車ができません。切符に書かれた経路が「…高崎・新幹線・信越…」となっています。本来なら「…高崎・新幹線・長岡・信越…」と表記されるところですが、上越線(上越新幹線も同一視します)と信越線は長岡駅ではなく、ひとつ西の宮内駅でつながっています。このため、運賃計算上の経路は高崎−(上越線)→宮内−(信越線)→…となります。しかし特例で、宮内駅を通過する列車に乗車する場合には宮内⇔長岡のはみ出す部分は経路になくても乗車できることになっているのです。そのために切符の経路にも「長岡」は表記されません。しかし長岡駅で下車したい場合、はみ出す宮内⇔長岡の往復運賃を別に支払う必要があります。この場合、長岡駅では「復路専用乗車券」という切符を売っています。長岡駅で途中下車する場合、経路はみ出し分のうちすでに宮内→長岡(往路)は乗ってきています。そこで、下車する際に長岡→宮内(復路)専用の乗車券を売り、収受する金額は往復分という扱いを行うのです。今回私は復路専用乗車券が欲しかったのですが、「きたぐに」に乗るのなら特別下車ということで支払わなくてよいとのことでした。
余分な出費がかからなかったのは喜ばしいのですが、欲しいものが入手できなかったのは悲しかったり…。それはともかく、長岡駅の駅員さんはかなり親切な対応をしてくださいました。新幹線から降りる際、特急券を記念に持ち帰るか最初に聞いてきました。普通はこちらから持ち帰りたいと申告しないともらえないのですが(なお、本来は使用済み切符はすべて回収するという規則になっています)、ここでは違いました。ちなみに経路になくても長岡駅で乗り換えできるのは規則に明記されていますが、「きたぐに」の乗り継ぎなら特別下車とするという規則はないはずです。

中段寝台、実質上段寝台?

23時49分、長岡駅に「きたぐに」が入線しました。昨夜大阪駅で発車を見送った列車にいよいよ乗る時が来ました。今回の私の寝台は「8号車11番中段」です。この時点でおわかりの方はおわかりでしょうが、解説を。「きたぐに」のB寝台は3段式になっていて、下段は広いですが値段は高め、上段と中段は狭い代わりに少し安いという特徴があります。ほとんど寝るだけなので上中段でも大きな影響はないですが、それでも広いほうがやはり快適です。
「きたぐに」は583系という40年くらい昔に作られた電車を使用しています。電車なのでひし形をしたパンタグラフで電気を取って走るのですが、このパンタグラフがある場所は天井が低くなります。そのため、パンタグラフの真下にあたる場所では上段が設置できません。とはいえ、少し低い程度なのでパンタグラフ真下の中段は通常の中段よりかなりの高さが確保されています(下段より高く、A寝台並みです)。それでいて寝台料金は上中段の安い料金でいいのです。「8号車11番中段」はまさしくパンタグラフ真下の寝台で、お得な中段なのです。パンタグラフ真下の中段寝台は全部で6台あり、「きたぐに」では8号車1,2,11,12,13,14番が該当します。もちろん今回、私は1か月前の発売開始と同時にこの寝台を指名買いしていました。

急行きたぐに(これは前日大阪駅で撮影したものです)
急行きたぐに=17日23時18分、JR西日本・大阪駅
隣の7号車と比べ、8号車パンタグラフ部分の天井が低いのがわかると思います
7号車、8号車天井高比較=17日23時17分、JR西日本・大阪駅
8号車11番中段寝台。窓の上に空間があります
8号車11番中段の寝台=18日23時50分、JR東日本・長岡駅
8号車9番中段寝台。窓のすぐ上が天井です
隣の、8号車9番中段の寝台=18日23時51分、JR東日本・長岡駅

きたぐに問題

さて、今回の切符の経路は「…信越・北陸・湖西」となっています。しかし「きたぐに」は湖西線を通らず、米原から東海道線を通ります。しかし、湖西線には特例があり、湖西線をはさんで北陸方面と京都方面を乗り通す場合湖西線を通ってもいいし、米原回りでも乗車できることになっています。ただし、今回は事情が異なります。山科から米原までの経路は「サンライズ」で一度通過済みなので、米原回りの「きたぐに」に乗ると米原から先が重複してしまいます。乗車経路は重複してはいけないことになっているので、一見すると米原から先は無効のように思われます。これを「きたぐに問題」と称していたりします。規則上はOKとする条文が見当たりませんが、このような場合には特別にOKとするJR西日本の内部通達があるらしいのです。ただし、今回うっかりしていて、「きたぐに」の検札で山科までの乗車券(連続1)と大阪までの急行・寝台券しか見せていませんでした。しかし特に何も言われませんでした。これでは急行・寝台券に対して乗車券の有効範囲が不足しているので、本来はそのまま通ってしまってはまずいと思うのですが…。

帰還

「きたぐに」では、0時55分の直江津駅発車までは起きていましたがその直後に眠りました。起きると外は明るく、すでに新大阪駅に到着するところでした。さすが寝台の寝心地はいいようで、途中で目が覚めることはありませんでした。今回は終着駅なので寝過ごすことはないからとアラームのセットをしていませんでしたが、どうにか5分前に起きることができました。そして6時49分、定刻通りに大阪駅に到着しました。その後は寄り道もせず自宅に向かい、7時48分に帰還し、今回の舞台挨拶オフ会が完結いたしました。
留学中にもかかわらず一時帰国され、舞台挨拶の切符を確保していただき、また楽しい1日を提供いただいたチョルスさんに深く御礼申し上げます。

(乗車列車詳細)

乗車駅
発車時刻
降車駅
到着時刻
列車名車両系列編成番号乗車号車/編成両数車両番号
大阪
00:34
熱海
05:43
特急サンライズ出雲285系I45号車(指定)/14両モハネ285-3201
熱海
08:37
小田原
08:45
こだま630号300系J3515号車(自由)/16両329-534
小田原
08:53
新橋
10:12
(東海道線)E231系K-049号車(自由)/15両モハE231-3504
新橋
10:15
有楽町
10:16
(山手線)E231系トウ5324号車(自由)/11両サハE231-532
大宮
20:03
高崎
21:32
(高崎線)211系C44号車(自由グリーン)/10両サロ213-1005
高崎
22:35
長岡
23:26
Maxとき353号E4系P515号車(指定)/8両E459-217
長岡
23:53
大阪
06:49
急行きたぐに583系B58号車(B寝台)/10両モハネ582-102


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