トップその他の情報2010公開初日舞台挨拶旅行レポート

2010年4月17日、運営者が5年連続5回目の劇しん公開初日舞台挨拶に参加しました。ここでは、その旅程を記しておきます。
注意:以下、鉄道ネタが随所に登場します。興味のない方は適当に読み飛ばしてください。

前準備

今年もこの時期がやってきました。今年も公開初日にいつもの場所で舞台挨拶が行われるであろうということで、早々と1月のうちにオフ会の計画を立てていました。ところが、ひとつ悲しいお知らせが。いつも舞台挨拶の時のチケットを手配していただいていたチョルスさんが、今年は公開初日に日本にいられないというメールを1月末にいただいたのです。お会いできないのは残念、そしてチケットの手配はどうしよう…。

と悩んでいても仕方がないので、とりあえず列車の切符だけは1か月前に手配しておきました。今回は単に東京まで行くだけではなく、思い切ってさらに遠出をすることにしました。「秋田に里帰りだゾ」(2008年1月11日放送)で、寝台特急「おたけび007号」が登場していました。その列車の元ネタになった寝台特急「あけぼの」が、今年12月に新幹線が青森まで延びた際に廃止されるのではないかという噂もあったため、今回舞台挨拶の後の土曜夜に「あけぼの」個室に乗ろうと考えました。

これを踏まえて乗車券を考えますと、まずは東京を経て「あけぼの」「こまち」の経路をたどるように購入します。大宮駅で経路がぶつかるので昨年の場合と同じく連続乗車券となり、連続1が大宮駅までです。連続2は東海道線の岸辺駅までにしました。大阪駅から東に4駅のところです。ここまでにすると運賃が310円安くできますので…。余談ですが、この切符で大阪駅まで乗り越した場合の精算額は、岸辺→大阪の170円となります。今回の経路の場合、大阪駅まで行く場合でも、とりあえず岸辺駅まで買っておくと140円節約できることになります。

その他、東京までは昨年と同じ、「サンライズ」のノビノビ座席で熱海駅まで行き、熱海駅から小田原駅を新幹線利用として乗継割引を適用させる方針でいきました。

劇場のチケットですが、4月15日の0時からインターネット予約ができるとのことで、0時20分ごろに1席抑えることができました。

乗車券(連続1):塚口→大宮 途中下車:小田原、(有楽町)、新宿、大宮、(大曲)
乗車券(連続1)塚口→大宮
乗車券(連続2):大宮→岸辺 途中下車:(八王子)、(名古屋)、千里丘
乗車券(連続2)大宮→岸辺
特急券・B寝台券(個)大宮→秋田 あけぼの
特急券・B寝台券(個)大宮→秋田 あけぼの

そして出発

4月16日になりました。しかし、今年は仕事が忙しくなってしまって夜10時過ぎまで神戸にいるという状況になってしまいました。それでもどうにか、スタート地点の塚口駅に23時50分に着きました。すると、駅の手前で停止している列車の姿が。少々嫌な予感がしましたが、どうやら信号が瞬間停電で赤に変わっていたので止まっていたようでした。23時53分にその列車が動き出し、私も乗り込んで今回の旅が始まりました。尼崎駅で乗り換え、大阪駅には日付変わって0時12分に到着しました。「サンライズ」が出発するホームの待合室に入ってしばらく待っていると、「サンライズ」は10分遅れになっているとのことでした。さらに遅れは15分に拡大していきました。このままズルズルと遅れが拡大すると翌日の計画に響くのですが…。それでも15分遅れがそれ以上は拡大せず、0時47分に「サンライズ」が入線したので乗り込みました。0時49分発車、しばらく起きていましたが、いつまでも起きっぱなしというわけにもいかないので適当なところで寝ました。

箱根(前編)

目が覚めると、列車はちょうど富士駅に停車していました。時刻を確認すると、3分遅れといったところでした。そして5時44分、定刻より1分遅れで熱海駅に到着しました。昨年はこの後、300系新幹線に乗るために3時間ほど滞在しましたが、今年は他に行くところがありましたのでさっさと始発の新幹線に乗って、小田原駅には6時43分に到着しました。ここでいったん途中下車とします。
さて、今年は箱根へ立ち寄ってみることに決めていました。小田原駅で箱根登山電車とケーブルカーに1日乗り放題の「トコトコきっぷ」を購入しました。ここから1駅ずつ降りながら、駅周辺を散策しつつ進んでいきます。箱根駅伝でおなじみのロケーションを楽しみつつとのところでしたが、このあたりではかなり雨が降っていて大変でした。

鈴廣かまぼこ博物館。箱根駅伝6区→7区の中継所付近です。この時は雨が激しかった…
かまぼこ鈴廣=17日07時22分、神奈川県小田原市風祭
箱根湯本駅外観。これも箱根駅伝で毎年映るものです。
箱根湯本駅の外観=17日08時20分、神奈川県足柄下郡箱根町湯本

登山電車とケーブルカーに乗れる「トコトコきっぷ」ではありますが、朝の段階ではまだ本格的な登山に差し掛かったばかりの塔ノ沢駅まで行ったところで引き返します。8時過ぎではありますが、10時25分には有楽町の日劇に着いていないといけないので時間がいっぱいなのです。8時42分に小田原駅に戻り、JRに再入場して8時45分発の東海道線に乗り換えです。3分しかないので不安でしたが、駅構内図を見る限りは間に合うだろうと思って計画したものでした。実際には1分の余裕を持って乗り換えができ、満員で少々苦しんだものの10時02分に新橋駅に到着しました。京浜東北線に乗り換え、10時06分に有楽町駅に降り立ちました。いつもなら改札を出たところでチョルスさんがお待ちのところですが、今年は待っていません。一人のままで劇場へと向かいました。

日劇2で上映。例年と違ってポスターが小さいのですけれど…。
日劇=17日10時09分、東京都千代田区有楽町
日劇チケット。昨年は「クレヨンしんちゃん2009」が途中で切れて「クレヨンしんちゃん200」となってしまいましたが、今年は改善されていました
日劇のチケット(使用済み半券)です。

「嵐を呼ぶオラの花嫁」本編上映、舞台挨拶

インターネット予約したチケットを引き換える機械があるはずなのですが、なかなか見つけることができませんでした。しばらくうろついているとやっと見つけることができて引き換え、そして入場したのが10時19分でした。まもなくCMと予告編が流れ始めました。そのまましばらく待ち、10時39分にいよいよ「オラの花嫁」の上映が始まりました。客の入りはかなりいい感じでした。9割がた埋まっていたように見えました。

映画の内容に関してはここには記載いたしませんが、1回だけ見た段階では、過去数作品の中で最も好印象というところです。ストーリーも初見でもわりと理解しやすかったですし、最終的に何が言いたかったのかというところも比較的明確だったと思います。12時18分にエンドロールが流れ、最後に原作者へのメッセージが表示されて上映終了となりました。上映時間は99分ということで、劇しんとしてはかなり長めの部類のようです。

上映が終わると続いて舞台挨拶の準備にかかります。しばらくして準備が整い、司会進行の八木麻紗子テレビ朝日アナウンサーが登場しました。「やぎまさこ」という響きが「やじまあきこ」と似ていると感じて少し動揺したのはここだけの秘密ということで。例年通り、しんのすけを呼ぶところから始まります。「しんちゃーん」とみんなで叫ぶと、舞台袖からひまわりを抱いたみさえ、そしてひろしの着ぐるみが登場しましたが、なぜかしんのすけは出てきません。どうしたのかと思っていると、劇場後方からの登場でした。さらにウエディングドレス姿の花嫁(希望)軍団の4人を引き連れての入場でした。本来は5人ですが、角野卓造…じゃなくて近藤さんは残念ながら欠席です。通路のそばの席に座っていた人はフラワーシャワーを渡されていて、しんのすけたちが歩いてくるところに投げるということができたようです。私も通路際の席を取ったものの、残念ながら別の通路だったのでフラワーシャワーはもらえませんでした…。

しんのすけと花嫁(希望)軍団が舞台に上がり、さっそくそれぞれが挨拶をします。花嫁(希望)軍団はそれぞれ、司会の八木アナから年齢に関することを言われていました。そして毎年同じ言い回しのような気がしますが「生き生きとした命を吹き込む」といった表現で野原一家の声優陣も登場しました。今回は全員、基本的に挨拶中は素の声だったようです。役柄の声も聞きたかったのですけれどね。

続いて、花嫁(希望)軍団の4人がブーケトスを行うことに。それぞれが叫びながら客席にブーケを投げるのですが、そこでハプニングが発生しました。それは、はるな愛さんがブーケを投げた時です。素の声で叫んで力いっぱいブーケを放り投げたところ、本来の女性よりも強い力が出たせいかブーケが空中分解してしまい、バラバラになって客席に落ちていってしまったのです。ちょうど通路を挟んで隣の席の人のところにも、花1輪だけが飛んできていました。

最後にウェディングケーキが登場しました。そして、しんのすけがファーストバイトを行うことに。そう言われたしんのすけは「初めてのアルバイト?」と聞いていましたが、そうではなく花嫁にケーキを食べさせてあげることです。しかし、私もしんのすけと同じことを思ってしまったというのはここだけの秘密なので絶対に書いてはいけない…。花嫁(希望)軍団4人が目をつぶって口を開け、しんのすけが一番きれいだと思った花嫁に食べさせることに。そしてしんのすけが選んだのは「この人おじさんだよ!」 でもいいにおいがしたそうです。

こうして13時01分、舞台挨拶は終了しました。いつものように帰り際にパンフレットを購入してから劇場を出ます。来年もまた、こうしてこの場に参加したいものです。ぜひとも大ヒットを!

箱根(後編)

有楽町駅から東京駅に山手線で移動し、これまた毎年恒例っぽくなっていますがそこでお土産を購入しました。その後、中央快速線乗り場へと移動し、中央快速線で新宿駅へ移動しました。ここで再び途中下車して、向かうは小田急新宿駅、そして箱根です。14時10分発の特急ロマンスカー「はこね29号」の特急券を購入し、箱根湯本駅まで快適な移動をしました。15時36分に箱根湯本駅に到着、そのまま登山電車に乗り換えて、朝の続きの各駅乗下車を大平台駅から再開しました。大平台では箱根駅伝でおなじみのヘアピンカーブを見に行きましたが、行ってみると想像以上の急傾斜でした。テレビで見ているとそこまですごい坂に見えなかったのですが…。

1時間半お世話になったロマンスカーです。
ロマンスカー=17日14時04分、東京都新宿区新宿(小田急新宿駅)
はこね29号の特急券。同じ距離でもJRなら1410円かかります(JR東日本のB特急料金)
新宿→850円区間。これと「トコトコきっぷ」を併用しました
はこね29号特急券と乗車券
国道1号の大平台ヘアピンカーブ。ここも箱根駅伝(以下略)
ヘアピンカーブ=17日16時00分、神奈川県足柄下郡箱根町大平台
国道1号の小涌谷踏切。ここも箱根(以下略)
小涌谷踏切=17日16時47分、神奈川県足柄下郡箱根町小涌谷

宮ノ下駅に続いて小涌谷駅へ。ここでは、これまた箱根駅伝で有名な踏切を見に行きました。まあどこにでもある踏切とそう大きな違いはありませんが…。彫刻の森駅に着くと17時01分、すでにすぐ近くにある彫刻の森美術館は閉館時間を過ぎていましたが、とりあえず建物だけは見てきました。登山電車の終点、強羅駅に着いた時には17時19分となっていました。そこからさらにケーブルカーに乗り換えて、標高761mの早雲山駅まで行きました。早雲山という名前通りなのか、濃い霧のために雲の中にいるような感じで、地面には今朝降ったであろう雪が見られました。雄大なはずの景色は霧にかすんで見えず、ここで箱根観光は終了となりました。

早雲山の景色。雪と霧とで白いです
雪と霧の早雲山=17日17時44分、神奈川県足柄下郡箱根町強羅

ここからは再びケーブルカーと登山電車(下山電車?)で小田原駅まで戻りました。1時間ほどで標高761mの早雲山駅から標高26mの小田原駅まで下りてきたため、気圧変化で耳に違和感が…。違和感は翌朝まで残りました。さらに小田急で新宿駅に20時48分に戻ってきました。トコトコきっぷは小田原駅より箱根側で使用可能なのですが、今回時間の都合により小田原駅で切符を買えず、そのまま乗り越しの形となりました。電車内で車掌に申し出るもその場で精算できないらしく、そのまま乗り続けて新宿駅で乗り越しを申告したのはいいのですが、トコトコきっぷを回収されてしまいました。まだその気になれば使える1日乗車券を乗り越し精算で回収するのは正しい取り扱いなのでしょうか? まさか回収されると思っていなかったので、トコトコきっぷの写真は撮っていませんでした…。

「おたけび007号」、もとい「あけぼの」の夜

※この段落は、2008年1月11日放送の「秋田に里帰りだゾ」を参照いただくとよろしいかと思います。

新宿駅でJR線に戻り、湘南新宿ラインで大宮駅へ移動しました。大宮駅到着は21時23分となっていました。劇中の野原一家はおそらく東武野田線で大宮入りしたと思いますが、そこまでの再現は時間の都合でできませんでしたが、あまり時間に余裕がないのは同じです。一度途中下車して、劇中冒頭に出てきた「大宮駅」の看板を探しました。が、同じような雰囲気の看板は見つかりませんでした。そうこうしていると21時35分になってしまい、「あけぼの」の入線時刻が迫ってきました。再入場してホームに上がり、ここでジュースを買うことに。しかし、残念ながら現在の日本に「スイカジュース」という商品は存在しないようなので、代わりにSuicaで買える自動販売機を使って適当な飲み物を購入することとしました。ジュースを買うと、すぐに「あけぼの」が到着しました。劇中では機関車は赤色のEF81型でしたが2009年春からEF64型に変更されており、この日は青色とクリーム色のEF64 1032が青い客車を引っ張っていました。もちろん今回利用するのは、野原一家が使ったのと同じB寝台1人用個室「ソロ」です。車内の様子、個室の様子はかなりそっくりでした。ひろしはカプセルホテルのようなものだと言っていましたが、確かに大差ないです。カプセルよりは高さがありますけれど、幅は似たようなものでしょう。

スイカジュースの代替案…
Suica利用可=17日21時38分、埼玉県さいたま市大宮区(JR東日本・大宮駅)
「あけぼの」EF64 1032@大宮
「あけぼの」=17日21時40分、埼玉県さいたま市大宮区(JR東日本・大宮駅)
「あけぼの」ソロの通路。左右の扉が個室入口ですが、かなり高さが低いのがおわかりいただけるでしょうか?
「あけぼの」通路=17日21時41分、埼玉県さいたま市大宮区
「あけぼの」ソロの扉。折戸とテンキーロックなど、忠実な再現度でした
「あけぼの」ソロ出入口=17日21時41分、埼玉県さいたま市大宮区

21時40分、静かに列車は大宮駅を離れていきました。検札を終えたところでとりあえずはくつろぐことにします。まだ寝るには早すぎる時間ですし…。買ったもののまだここまでは一度も開いていなかった「花嫁」のパンフレットを読み、半日前に観た話を思い出していました。その後も本を読んだりDSで遊んだり、時に室内灯を消して車窓を眺めたり…。結局、備え付けの浴衣に着替えて寝たのは1時過ぎでした。なお、劇中で美女が部屋を間違えて個室に入ってこようとするしんのすけの想像がありましたが、現実にもなぜか突然個室の扉が開きました。しかし美女ではなくおじさんでした…。理由は同じで部屋を間違えたっぽいです。ちょっとびっくりしましたが、鍵がちゃんとかかっていなかったようです。そこまで再現しなくてもいいのに。

やってきました大曲

その後、サスペンス劇場のような事件が起こり車内に悲鳴が響く…こともなく夜は過ぎ、朝6時25分のおはよう放送で目を覚ましました。あと20分で秋田駅に到着します。着がえて顔を洗って荷物を片づけているとあっという間に時間となり、「あけぼの」は6時45分に秋田駅に到着しました。到着したら、まずは先頭に走って行って機関車のチェックを行いました。というのは、実は途中の長岡駅で機関車を付けかえているのです。しかし長岡駅ではドアが開かないので見に行くことができません。この時初めて長岡駅からの機関車を確認しました。この日はEF81 139が担当していました。劇中で出てきたEF81 136だったらうれしかったのですが惜しいところです。

「あけぼの」@秋田。JR東の駅名標は漢字が大きいタイプとかなが大きいタイプがありますが、秋田駅は後者です。これは「里帰りだゾ」でも登場しています。ただし新幹線用は前者のタイプでした。
「あけぼの」=18日06時46分、秋田県秋田市(JR東日本・秋田駅)
この日の長岡から青森までの機関車はEF81 139でした。ちょっと番号が欠けていますが。ヘッドマークも「おたけび」そっくりですね
「あけぼの」=18日06時47分、秋田県秋田市(JR東日本・秋田駅)

終着青森駅へ向けて走り去る「あけぼの」を見送ったら、すぐに乗り換えです。奥羽線の普通列車に乗り、大曲駅へと移動しました。劇中の野原一家が秋田駅で「おたけび」を下車した後大曲駅までどのように移動したのかが不明ですが、わずかな距離ですので新幹線を使うのはちょっともったいないですし、接続もいい普通列車があったのでそれで移動しました。途中で秋田新幹線と並走するような場面もあり、在来線と新幹線で幅が違うレールが一緒になっている「三線軌条」というものも見ることができました(実は前日通った箱根登山鉄道にも三線軌条が存在しており、その時にも見ています)。大曲駅到着は7時44分でした。

到着すると途中下車して、まずは劇中で登場していた駅舎を探します。すると、忠実な再現度だということがよくわかりました。そっくりの雰囲気です。駅前のコンビニで朝食とお土産を購入し、指定席券売機で次に乗る新幹線の切符も買いました。乗る列車自体は行程計画段階で決めていたものの、「あけぼの」の切符を買う時に一緒に買ったら、わざわざ大宮から秋田までブルートレインに乗って、その日の朝のうちに新幹線で大宮に戻るという、あまりにも珍妙な客だと思われるかもしれないのでその時には買いませんでした。また「あけぼの」は比較的運休あるいは大幅な遅延になってしまうことが多く、そうなって乗り継ぎが不可能になると払い戻しが面倒になる(JR都合による払い戻しは無手数料のはずですけれども)ということもあります。

大曲駅。縦に並ぶ桟のような雰囲気が「里帰りだゾ」とそっくりです。「里帰りだゾ」では「JR」マークがありませんでしたが
駅外観=18日07時56分、秋田県大仙市大曲通町(JR東日本・大曲駅)
大曲駅の新幹線用駅名標。こちらが漢字の大きいタイプです
駅名標=18日08時32分、秋田県大仙市大曲通町(JR東日本・大曲駅)

8時35分発の「こまち8号」に乗り、ここから大宮駅に戻ります。途中の盛岡駅までは、厳密には新幹線ではなく速度も最高130km/h止まりです。カーブも多く、また雪深いところを走ることもあって車窓は退屈しないものがありました。一転して盛岡駅で「はやて8号」と連結後は最高275km/hで快走します。しかし防音壁に阻まれ、またほとんど直線主体でトンネルも多いので車窓の面白みでは大きく劣ります。結局「あけぼの」で9時間かけて行ったところが、3時間で大宮駅に舞い戻ることとなりました。ダイヤ通り11時42分に到着です。

秋田・岩手県境付近の雪景色を窓越しに撮影
雪景色=18日09時10分、岩手県岩手郡雫石町(JR田沢湖線田沢湖・赤渕駅間)
新幹線特急券・大曲→大宮 こまち8号
新幹線特急券・大曲→大宮 こまち8号

中央突破大作戦

…というほど大げさなものではありませんが。大宮駅からは埼京線に乗り換えて武蔵浦和駅へ、さらに武蔵野線で西国分寺駅へと移動しました。中央快速線で八王子駅へ行き、ここで次の特急券を購入しました。長野県の塩尻駅まで、特急「あずさ17号」の自由席で中央本線を移動します。13時31分に八王子駅発車、15時36分塩尻駅到着の2時間、車窓からは駒ケ岳と思われる山をはじめとするアルプスの険しい山が見えたりして退屈することなくあっという間に過ぎていきました。

たぶん、甲斐駒ケ岳と思われます。「あずさ」車内より
甲斐駒ケ岳=18日14時59分、山梨県北杜市小淵沢町(JR中央本線長坂・小淵沢駅間)
自由席特急券・八王子→塩尻 自由席だと列車名がないので少々寂しいかも
自由席特急券・八王子→塩尻

塩尻駅から西側の中央本線はJR東海の管轄になります。ここでは普通列車を乗り継いで移動することに。特急も走っていますが、名古屋以降の旅程を考えると特急でも普通列車でも結果的に同じ乗り継ぎになることがわかったからです。16時07分、所定より2分遅れで岐阜県の中津川駅行きの普通列車が出発します。山あいをひたすら進み、途中の木曽福島駅で7分ほどの停車時間がありました。駅には蒸気機関車が保存されていたので停車時間中に見に行き、ダイヤから3分遅れの17時59分に中津川駅へ到着しました。次に名古屋行き快速に乗り換えますが、3分遅れた影響で乗り換え時間が2分しかなく、しかも地下通路を経て別ホームだったのでギリギリになってしまいました(同じ会社なのに接続待ちの考慮なしですか…)。どうにか間に合い、次第に都会の景色に変わって行くはずですが日没で見えなくなり、19時18分には名古屋駅に到着しました。これにて中央本線を走破ということになります。

木曽福島駅前に保存されているSL・D51 775です。屋根はあるものの、あまり状態が良くないような…
展示SL=18日16時52分、長野県木曽郡木曽町福島(JR東海・木曽福島駅)

混乱の中京、予定外の初乗車

名古屋に着いたら、まずはホーム上で名物のきしめんを食べて夕食としました。次に東海道線の列車でさらに西を目指すことにしていたのですが、東海道線ホームの様子がおかしいようでした。どうも夕方に南大高駅で人身事故があったようで、ダイヤは大きく乱れていました。この時、名古屋〜岐阜で名鉄による振り替え輸送が行われていたため、どうせならと振り替えを受けることにしました。私はこれまで名鉄には一度も乗ったことがなく、予定外のことではありましたが名鉄初乗車を果たすことができることになりました。名鉄名古屋駅で待っていると、すぐに特急岐阜行きがやってきました。しかし名鉄の知識がなく、特急券なしで乗れるのかがわかりませんでした。振り替え乗車証だけで乗れることを近くの駅員に確認してから乗り込みました(実際には1列車の中に「特別車」と「一般車」があり、特別車に乗る場合はミューチケットという料金券が必要です)。最初は大混雑でしたが、次の停車駅で多くの客が降り、岐阜に着くころにはガラガラになっていました。名鉄岐阜駅からJR岐阜駅へと移動しましたが、意外とお互いの駅は離れていて、5分以上は歩いた感じです。名古屋はすぐそばにあるのですけれどね…。

名鉄振替乗車証。予定になかった名鉄初乗車でした
振替乗車証=18日19時58分、愛知県一宮市今伊勢町(名鉄名古屋本線名鉄一宮・今伊勢駅間)
岐阜駅発車案内。しらさぎ15号は20時23分発車予定
しらさぎ20:23=18日20時26分、岐阜県岐阜市橋本町(JR東海・岐阜駅)

JR岐阜駅に戻った時点で20時15分でした。発車案内を見ると、この後乗ることにしている特急「しらさぎ15号」が20時23分発と出ています。この列車も東海道線人身事故の影響を受けているはずでしたが、一応駅員に確認すると3分遅れで運転中とのことでした。ということはあと10分ほどで到着するわけで、当初はこの先の大垣駅から米原駅まで乗る予定にしていた「しらさぎ」に急きょ岐阜駅から乗ることにしました。時刻表で岐阜〜米原の距離を確認して、49.6kmとギリギリ50km以下だったのも幸いでした(50kmを境に特急料金が420円も跳ね上がるので…)。すぐにみどりの窓口に行って特急券を買おうとしましたが、すでに隣の駅にまで来ているから乗ってから買ってと言われてしまいました。それならば仕方がないということでホームに上がりましたが、結局「しらさぎ」が岐阜駅を発車したのは7分遅れの20時30分でした。買えるだけの時間はあったように思いますが…。とりあえずそのまま乗り込み、車掌が回ってきたところで、岐阜から米原の自由席特急券と米原から京都の新幹線特定特急券を買いました。こうすることで、米原までの特急券は乗継割引が適用できます。ただし、通常は乗車前に在来線と新幹線の特急券を同時に買うことが乗継割引の条件なので、本来乗車後に車掌から買う場合は乗継割引は適用できないことになっています。

自由席特急券・岐阜→米原(「しらさぎ」車内発行・乗継割引適用)
自由席特急券・岐阜→米原[乗継]
新幹線特定特急券・米原→京都(「しらさぎ」車内発行)
新幹線特定特急券・米原→京都

「新垂井線」乗りつぶし

ところで、なぜこのたかだか50kmの区間で、しかも名古屋近郊で普通列車の本数もそこそこ多いのに(大垣・米原間はそれほど多くないのですが)特急に乗ることにしていたのかというと、まだ乗ったことのない線路を走る列車だからです。大垣駅と関ヶ原駅の間で、普通列車と特急列車では通る線路が異なる部分があります。大垣駅と関ヶ原駅の間に垂井駅があるのですが、特急列車は垂井駅を通らない別の線を走り、かつてこの線上に新垂井駅があった(1986年に廃止)ので、通称「新垂井線」と呼ばれています。実際には今回乗った、垂井駅を通らないほうが東海道線の本線で、垂井駅を通る線は支線の扱いなのですが…このあたりの事情は地形と戦争による影響が出ているのです。ここであまり詳しく書いても仕方がないので省略しますが、興味のある方は「新垂井線」などで検索してみてください。これまでに何度かこの区間は通過していますが、これまではいつも普通列車でした。今回この機会に、特急列車の通る線路も乗りつぶししておこうと考えた結果でした。米原駅には4分遅れの21時05分着、ここで列車の行き先が変わりました。もともと「しらさぎ15号」は富山行きの列車ですが、この日は北陸新幹線工事の関係で高岡止まりとなっていたのです。しかし岐阜駅では行き先表示は「富山」となっていました。米原駅で降りてみると、最初は「富山」のままでしたがいつの間にか行き先表示が「高岡」に変わっていました。普段は見られない珍しい表示だったので、事故の影響で予定が大きく狂ってしまったのも忘れて少し喜んでみたり…。

「しらさぎ」富山行(通常見られる表示)
富山行=18日21時08分、滋賀県米原市米原(JR西日本・米原駅)
「しらさぎ」高岡行(この時限りの表示)
高岡行=18日21時10分、滋賀県米原市米原(JR西日本・米原駅)

ラストスパート

米原駅では21時38分発の「ひかり485号」に乗ります。新快速もありますが、新幹線のほうが結果的に京都着が早くなるので新幹線に乗ることにしていました。新幹線に乗るとあっという間に京都へ。21時58分に京都駅到着となり、さらに乗り換えです。新快速で高槻駅へ、普通列車に乗り換えて千里丘駅まで移動しました。持っている切符の着駅は岸辺、千里丘駅からはあと1駅でしたがここで途中下車とします。

すこし歩いて、1か月前に開業したばかりの阪急摂津市駅に着きました。最後は阪急で移動することになるので、大阪まで行かずにここで乗り換えることでわずかな額ではありますが、節約することができます。こうして23時17分には最寄り駅に到着し、今回の旅行は幕を閉じました。正直言って、わずか2日しかないのにいろいろと詰め込み過ぎな感じはします。箱根に行くならそこだけで1泊して温泉につかるとか、秋田まで行くならそこで1泊してもっと観光するとか、乗ったことのない路線に乗るなら昼間に乗れるようにするほうがいいとか、いろいろもったいない点はあります。でも、楽しければそれでいいのです。実際に楽しかったですから。来年もまた無事に映画が公開され、初日舞台挨拶に参加して、そのついでにいろいろ遊べたらいいなと思っています。

(乗車列車詳細)

乗車駅
発車時刻
降車駅
到着時刻
列車名
行先(列車番号)
車両系列編成番号乗車号車/編成両数車両番号
塚口
23:53(23:46)
尼崎
23:56(23:50)
(福知山線)
四条畷行(4656M)
207系T104号車(自由)/7両クハ206-1010
尼崎
00:05
大阪
00:12
(東海道線)
京都行(1250C)
207系T213号車(自由)/7両サハ207-2002
大阪
00:49(00:34)
熱海
05:44(05:43)
特急サンライズ出雲
東京行(5032M)
285系I25号車(指定)/14両モハネ285-202
熱海
06:35
小田原
06:43
こだま800号
東京行(800A)
700系C105号車(自由)/16両725-309
小田原
06:56
箱根板橋
07:00
(箱根登山鉄道)
箱根湯本行(7007)
1000形1058F4号車(自由)/4両1058
箱根板橋
07:14
風祭
07:17
(箱根登山鉄道)
箱根湯本行(7011)
1000形1060F3号車(自由)/4両1010
風祭
07:31
入生田
07:34
(箱根登山鉄道)
箱根湯本行(7015)
8000形8059F2号車(自由)/4両8109
入生田
07:48
箱根湯本
07:52
(箱根登山鉄道)
箱根湯本行(7019)
1000形1058F1号車(自由)/4両1158
箱根湯本
08:00
塔ノ沢
08:04
(箱根登山鉄道)
強羅行(413)
モハ1形-1号車(自由)/2両107
塔ノ沢
08:13
箱根湯本
08:17
(箱根登山鉄道)
箱根湯本行(414)
モハ2形-2号車(自由)/2両110
箱根湯本
08:27
小田原
08:42
(箱根登山鉄道)
小田原行(7042)
8000形8059F4号車(自由)/4両8059
小田原
08:45
新橋
10:02
(東海道線)
東京行(788M)
E231系K-036号車(自由)/15両サハE231-1024
新橋
10:04
有楽町
10:06
(京浜東北線)
南浦和行(904C)
E233系ウラ1014号車(自由)/10両モハE232-1001
有楽町
13:11
東京
13:12
(山手線)
内回り(1216G)
E231系トウ5139号車(自由)/11両モハE231-537
東京
13:35(13:29)
新宿
13:48(13:43)
(中央快速線)
豊田行(1305H)
E233系H518号車(自由)/10両モハE233-609
新宿
14:10
箱根湯本
15:36
(小田急電鉄)特急はこね29号
箱根湯本行(0029)
20000形小田急ロマンスカー
RSE
5号車(指定)/7両20101
箱根湯本
15:41(15:39)
大平台
15:57(15:55)
(箱根登山鉄道)
強羅行(473)
2000系S21号車(自由)/2両2004
大平台
16:09
宮ノ下
16:18
(箱根登山鉄道)
強羅行(475)
モハ2形-1号車(自由)/2両110
宮ノ下
16:38
小涌谷
16:43
(箱根登山鉄道)
強羅行(477)
2000系S32号車(自由)/3両2203
小涌谷
16:58
彫刻の森
17:01
(箱根登山鉄道)
強羅行(479)
クモハ1000形B13号車(自由)/3両1001
彫刻の森
17:16
強羅
17:19
(箱根登山鉄道)
強羅行(481)
クモハ1000形B22号車(自由)/3両2202
強羅
17:30
早雲山
17:39
(箱根登山鉄道)ケーブルカー
早雲山行
ケ200形HT12号車(自由)/2両201
早雲山
17:53
強羅
18:02
(箱根登山鉄道)ケーブルカー
強羅行
ケ100形HT11号車(自由)/2両101
強羅
18:18
箱根湯本
18:51
(箱根登山鉄道)
箱根湯本行(496)
2000系S33号車(自由)/3両2005
箱根湯本
18:52
小田原
19:09(19:07)
(箱根登山鉄道)
新松田行(7150)
1000形1051F2号車(自由)/4両1101
小田原
19:10(19:08)
新宿
20:48(20:47)
(小田急電鉄)急行
新宿行(1326)
1000形1091F9号車(自由)/10両1041
新宿
20:54
大宮
21:23
(湘南新宿ライン)
小金井行(1780E)
E231系U1611号車(自由)/15両クハE230-6008
大宮
21:40
秋田
06:45
特急あけぼの
青森行(2021レ)
24系-5号車(B寝台ソロ)/8両オハネ24-552
秋田
06:54(06:52)
大曲
07:44(07:42)
(奥羽線)
横手行(432M)
701系N152号車(自由)/2両クハ700-15
大曲
08:35
大宮
11:42
こまち8号
東京行(3008M)
E3系R913号車(指定)/16両E329-9
大宮
12:01
武蔵浦和
12:12
(埼京線)
新宿行(1208K)
205系ハエ12号車(自由)/10両モハ204-239
武蔵浦和
12:22
西国分寺
12:48
(武蔵野線)
府中本町行(1106E)
205系M66号車(自由)/8両モハ205-5012
西国分寺
12:52
八王子
13:07
(中央快速線)
高尾行(1211T)
583系T85号車(自由)/10両モハE232-208
八王子
13:31
塩尻
15:36
特急あずさ17号
松本行(67M)
E257系M1143号車(自由)/9両クハE257-114
塩尻
16:07(16:05)
中津川
17:59(17:56)
(中央西線)
中津川行(834M)
115系N73号車(自由)/3両クハ115-1213
中津川
18:01
名古屋
19:18
(中央西線)快速
名古屋行(5736M)
211系K184号車(自由)/8両クハ210-5313
名鉄名古屋
19:38
名鉄岐阜
20:09
(名古屋鉄道)特急
名鉄岐阜行(195)
1200系1511F3号車(自由)/6両1361
岐阜
20:30(20:23)
米原
21:05(21:01)
特急しらさぎ15号
高岡<富山>行(15M)
683系B54号車(自由)/8両サハ683-2511
米原
21:38
京都
21:58
ひかり485号
岡山行(485A)
700系C364号車(自由)/16両725-35
京都
22:09
高槻
22:22
(東海道線)新快速
網干行(3317M)
223系V429号車(自由)/12両クモハ223-2069
高槻
22:28
千里丘
22:37
(東海道線)
新三田行(1233B)
207系S295号車(自由)/7両クモハ207-1048

(箱根登山鉄道1日乗車券・トコトコきっぷ利用実績)

乗車駅下車駅通常運賃備考
小田原箱根板橋130
箱根板橋風祭130
風祭入生田130
入生田塔ノ沢130この時、箱根湯本では乗り換えただけで下車していませんので、通し運賃です。
塔ノ沢箱根湯本130
箱根湯本小田原300
小田原箱根湯本300ロマンスカー利用。新宿から小田原までの運賃850円と特急料金は別払いしてます。
箱根湯本大平台180
大平台宮ノ下130
宮ノ下小涌谷130
小涌谷彫刻の森130
彫刻の森強羅130
強羅早雲山410ケーブルカー。強羅から早雲山まで、中間駅が4つあり、隣接駅間の運賃は全て80円となっています。
早雲山強羅410(続き)ということで、途中駅で区切ると10円安い400円で強羅・早雲山間を乗ることができたりします。
強羅小田原650この時、小田原でいったん下車できずに新宿まで行って精算したらトコトコきっぷを回収されました…。
合計3,420トコトコきっぷは1,500円なので、1,920円お得となりました。わざとお得になるような乗り方をしたせいですが。


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