吉永先生(以下よ)「おはようございまーす」 みさえ(以下み)「あ、吉永先生おはようございます。もう少しでしんのすけ来ますんで、ちょっと待っててくださーい。」 いつものように、幼稚園バスが来ても、しんのすけはトイレにいる。 み「しんのすけー、早くしなさーい。」 しんのすけ(以下し)「今、うんちしてるからだめー」 み「もうっ早くーバスが来ちゃってるわよー」 し「ほっほーい」 み「全くしんのすけったら・・・すみません吉永先生。いつも遅れて・・・」 よ「いえいえ・・・」 し「かあちゃーん、できたぞー」 み「じゃあ早くバス乗って」 し「おっ、吉永先生、今日おデート?」 み「こらっ、しんのすけ!」 し「だって吉永先生、いつもより楽しそうな顔だゾ」 よ「おはようしんちゃん。今日は楽しいどころか、幼稚園を休んでいる人がとても多いのよ。」 み「えっ、そうなんですか?やっぱり、インフルエンザが流行ってるからですかね」 よ「それが、実はみんな、休んでいる理由が分からないのよ。いつものようにバスで家まで行ったら、呼んでも出てこなくて・・・」 み「えー、そうなんですか。不思議ですね・・・」 よ「まあとにかく、しんちゃんバスに乗って。」 し「ほーい」 しんのすけはバスに乗り込んだ。 まさお(以下ま)「あ、しんちゃんおはよう」 し「おーマサオ君来てたのか。なーんだ、がっかり」 ま「しんちゃん、それどういうこと?」 風間(以下か)「しんのすけ、このところ変だよな。」 し「何が?」 か「何がって、みればわかるだろ?バスに乗ってる人が少ないだろ。」 し「ほんとだ。そういえばさっき、吉永先生が言ってたぞ。休みが多いって。家に行っても、だれも出ないんだって。」 ねね(以下ね)「やだー怖いわ。」 ボーちゃん(以下ぼ)「どうしたんだろ」 ・・・ 次の日 ま「しんちゃんおはよー」 か「おい、今日ねねちゃん休みだぞ」 し「よかった、うるさいから」 か「そういう問題じゃないよ。昨日よりもっと休みが多いんだぞ。それに今日、上尾先生が休みだって。」 し「そういえば、隣のおばさん、昨日かあちゃんが回覧板届にいったら、いなかっただぞ。それに、みっちーとよしりんも、急にいなくなっちゃたぞ。」 か「おかしいぞ、しんのすけの知ってる人がどんどんいなくなっちゃてんじゃん。」 ぼ「いつか、僕らも・・・消える」 ま「嫌だー怖いよーうわーん」 続く か「おい、しんのすけ。何か覚えてないか。だれかに何か変なことした?」 し「変なことといえば、今日は歯磨きをしたことかな。」 か「歯磨きは変なことじゃないだろ。しかも、今日じゃなくて少し前のことだ。昨日から異変が起きてただろ!」 し「オラ、覚えてないぞ」 ぼ「それより、だれがこんなことを、しているか。他の人が、しんちゃんにいつもと違うことした?しんちゃん」 し「えーと・・・おぉ、そういえば、あいちゃんが、うるさかったぞ。」 か「あ、思い出した。何日か前、あいちゃんの様子が変だった。いつもよりしんのすけにべたべたくっついて、<しん様はあいだけのものよ。他の方は近づかないでください。>とか言ってさ。それで、しばらく二人の様子を見てたんだ。<しん様はあいのこと、好きですか?>って言って、しんのすけは<好きじゃないぞ、しつこいし、嫌だぞ>って言って・・・」 ぼ「それが、影響したかも。だって、その日から、あいちゃん、幼稚園こなくなった。」 か「そうだよ。あいちゃんならきっと、こういうのは黒磯とかに任せて、みんなを消すに決まってる。あいちゃんだ!」 ま「みんな・・・なんであいちゃんばっか攻めるの?他の人かも知れないじゃん。」 か「じゃあ他に考えられるのか?あいちゃんしかいないよ。」 ま「僕はあいちゃんを信じる。必ずこんなことやってないって。あいちゃんがこんなことするはずかないよ。きっと、やったとしても、何かに取りつかれてると思ってるよ。」 か「まあ、それは置いといて。僕らにできることを考えよう。」 ま「ちょっと、置いとかないでよ。」 ぼ「やっぱり、あいちゃんの家に行く方が、いい。」 か「そうだね、幼稚園が終わった後、公園にレッツ」 し・ま・ぼ「ゴー」 続く しんのすけ達はあいちゃんの家に行った。 し「お〜おっきいぞ。オラん家と比べ物になるぞ」 か「それを言うなら比べ物にならない、だろ」 し「そーともゆー、おかゆのゆー」 か「全く、しんのすけのやつ・・・」 ぼ「とにかく、入ろう」 し・か・ま「うん」 ピーンポーン 黒磯(以下く)「どちら様でしょうか」 し「オラ、野原しんのすけだぞ。キュートな5歳児だぞ。父ちゃんは・・・」 か「そこまで説明しなくていいから。僕たち、あいちゃんの家に来ました。」 く「何のご用でしょうか」 し「あいちゃんが、みんなを消してウム〜」 風間はしんのすけの口を押さえた。 か「僕たちは、あいちゃんの家に遊びに来ました。 く「・・・あいお嬢様はそんなことおっしゃっていませんが・・・とにかく、えー、あいお嬢様は習い事があり、その、えー、忙しいので今日は無理です。それでは失礼。」 黒磯はインターホンを切った。 か「あ、切られた。」 ぼ「黒磯さん、なんか、焦った、感じだった。」 か「僕もそう思った。やっぱり、僕たちが入ったらやばいからかも。」 ま「でも、あいちゃんがそんなこと、やるわけないよ。」 か「まだそんなこといってるのか!マサオ君。だってあいちゃんは明らかにおかしいよ。」 ま「僕はだれが何と言ったって、あいちゃんを信じるから。僕はもう帰る!!!」 マサオはぷんぷんと怒りながら帰ってった。 か「僕たちも帰ろう。待っても仕方がないよ。」 ぼ・し「うん」 みんな、帰ってった。 そのころ、マサオ君は・・・ ま「みんな、なんであいちゃんを信じないんだ。」 その時、マサオ君の前に黒いスーツを着た男の人がいた。それはなんと、黒磯だった。 ま「く、黒磯さん!?なんでこんなところに・・・」 く「マサオ君、ちょっといいかな。フフフ・・・」 ま「や、やめて!嫌だやめてよっ・・・わ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」 マサオ君は・・・消えた。 続く 次の日の朝 み「しんのすけ!大変よ!」 し「なんだ、母ちゃん。なにが変態だ。」 み「変態じゃなくて大変!パパがいなくなったのよ。」 し「父ちゃんが、そりゃ良かったな。」 み「良くないわよ。ひまわりもいないのよ。」 し「なんだって、あ、もしかしたら、あいちゃん家にいるかもしれないって。昨日、みんなであいちゃん家に行ったけど、いれてもらえなかったんだぞ。」 み「そっか・・・じゃあ、もう1回行くわよ。無理矢理でも行くわよ。パパとひまわりを連れ戻しに。」 し「よーし、野原一家、ファイアー!!!」 み「ファイアー!!!」 シロ(以下シ)「アアウーン」 し「おおーシロ、いたんだ。」 シ「アン」 こうして、野原一家はあいちゃん家に行った。 続く み「ここが、あいちゃんの家ね。」 ピーンポーン く「はい、どなたでしょうか。」 み「あのー、えっと・・・前、しんのすけを助けてもらったから、お礼にケーキを持ってきました。」 もちろん、助けてもらったっていうのも、ケーキを持ってきたのも、嘘である。 し「オラ、助けてもらってンググ・・・」 みさえはしんのすけの口を押さえました。 く「私どもは、そのようなことをした覚えはありませんけど・・・とにかく、あいお嬢様は忙しいので・・・」 み「まあ、ケーキだけでも受け取ってください。」 く「しかし、本当に忙しいので・・・」 み「まあまあまあ受けとってくださいよ」 ぶちっ インターホンが切れた。 み「なかなか入れてもらえないわね。」 し「・・・おっ、門あいてるぞ。」 み「えー、結構そそっかしいのね。ここの人。とにかく、入りましょう。」 し「母ちゃん、いけないぞ。母ちゃんが、よその家には勝手に入っちゃだめって。」 み「今はいいの!」 しんのすけたちは、あいちゃん家に入ってった。 み「うわー、庭広いわね・・・って言ってる場合じゃないわ。カスカベのみんなを連れ戻さなきゃ。ここの人たちに見つからないように・・・」 し「母ちゃん、見てみて!!!お庭に噴水があるぞ〜」 み「コラッ、静かに。」 あいちゃん家の人(以下あ人)「くせものじゃ〜であーれであーれ!!!」 し「見つかったぞ!!!」 み「イマドキくせもの!?とにかく、あなたたち!!!カスカベのみんなをここから出して!!!」 あ人A「私たちは、あいお嬢様のいいなりになっているだけでございます。」 あ人B「今すぐここからでないと、あなたたちも消しますよ。」 続く あ「しん様、なぜこんなところに!?」 し「おー、あいちゃん」 あ人「あいお嬢様!中にお入りください!」 み「あいちゃん!カスカベのみんなを元に戻して!!!」 あ「それは無理ですわ!!!」 み「何でよ!?」 く「まあ、とにかくお二人さん、中に入ってゆっくりお話いたしましょう。」 ・・・ み「ねえ、何でみんなを」 あ「だってえ、しん様があいのこと嫌いなど・・・しん様!!!何でですか?おかしいでしょう。」 し「え、うーん・・・」 く「このごろあいお嬢様がおかしいのでございます。なんか、やたらとしんのすけ君に会いたいとばかり・・・歩いていきたいとか・・・」 あ「それはいつものことですわ!!!黒磯は黙っていただけます!!!しん様とあいがこれからの人生について語ろうとしていますのに・・・ねえしん様」 し「いつもよりしつこいぞ。でも、いつもと同じだぞ」 み「それで、しんのすけが嫌いとか言ったっていうのは・・・どういうことですか?」 あ「あいが私のことを好きと思っていますかと言ったら、嫌いって言うんですもの」 み「もしかして、それでみんなを・・・」 あ「ええ、そうですわ」 み「どうやってそんなことを」 あ「簡単ですわ、黒磯などが、カスカベの人の前に表れて、誘拐するのです。」 し「その人たちはどこにいるの!?」 あ「それは教えられませんわ。自分で探してください。」 二人は探すことにした。 続く あいちゃんの家にはたくさんの部屋があった。 み「うわ〜すごいたくさんの部屋!い〜なあ・・・パパがもっと月給高かったらこんなのだろうねえ。」 し「それだったら、チョコビ何個買えるかなあ。アクション仮面の骨折しちゃったから整骨院で入院だセット、買えるかな。」 み「もう、何だって買えるわよ。って早く探さないと。」 し「おっ、この部屋、やあしいぞ。」 み「それを言うならあやしいでしょ。」 し「そうともゆう、お風呂のゆう。」 み「じゃあこの部屋に入りましょう。」 く「この部屋は私以外は立ち入り禁止です!」 み「何よ!ここにみんないるんでしょ!」 く「やめください!!!あー!」 みさえは黒磯の言うことを聞かず、その部屋のドアをあけました。すると・・・なんと、どでかい水着姿の若い女性のポスターや、その写真集などがあちこちにありました。 し「おおーこれはすごいぞ!!!水着のおねいさんだ!!!」 み「黒磯さんって・・・こういう趣味だったんだ・・・」 あ「黒磯!!!なんですかこの部屋は!!!今すぐ捨てなさい。」 く「だからやめてくださいと言いましたのに・・・うう・・・」 しんのすけとみさえは再び探し始めました。 み「あっここじゃない!!!」 し「じゃああけるぞお」 ここはあいちゃん家で一番大きな部屋です。そこを開けると、カスカベの住民がみんな縄で縛られてるではありませんか。 し「おお、みんないるぞ!」 か「しんのすけ、今すぐ縄をほどいてくれ!」 ま「え〜んえ〜ん」 し「ほいほい・・・」 みさえとしんのすけはみんなの縄をはずしました。 く「こんなに簡単に見つかるとは・・・」 あ「くっ!でも、しん様はあいのものですわ!!!!!」 み「しんのすけならいつも会えるじゃない!もうこんなことはやめなさい!いくらあいちゃんだからって許されないわよ!ぐおりゃあああああ」 みさえはあいちゃんにぐりぐり攻撃をしました。 あ「やめてください!うわ〜〜〜〜〜ああああああああああああああああああ」 あいちゃんから何か魂のようなものが出てきて、それは天高く昇って行きました。 あ「・・・あれ、私は何をしていたのですか?みなさんどうされたのですか?」 み「つ、つまり、あいちゃんの中に変なものが取りつかれてたから、こんなことを」 ま「やっぱりあいちゃんはこんなことするはずないよ。良かった・・・」 あ「気安く触らないでくださる!」 ま「やっぱりあいちゃんだ・・・」 それからというもの、平和になりましたとさ・・・ 完結 |