トップ小説作成者・茨城県民3さん


絶望の町財政難から救え!
  嵐を呼ぶ町長の物語
はじめに
 本日は,この物語を閲覧してくださり,誠にありがとうございます。
この物語は財政難に陥った北海道の新呉町(しんくれまち)の町長が町を救う物語です。新呉町の由来とは,「クレしん」から来ているのですが,この物語の中では,広島県呉市の住民が新天地を求め,移住してこの名前を付け た,という ことにします。新呉町は石炭で栄えた町で,最盛期には2万7千人が暮らしていました。現在は,三分の一以下の8千人となり町に6つあった小学校も半分に減りました。鉄道も廃止され,商店街はシャッター街となりました。
さぁ,町長の手腕が試されます。
プロローグ 町長就任
 前町長が町長の座を投げ出した。町長選が行われたが立候補したのが副町長の野原しんのすけだけだったので野原は無投票当選した。だれも喜ばない。住民はどうせ変わらないと思っていた。


第一章 落ちぶれた議会
 町長に就任した野原は,議会が行われる議場に向かった。議員の数は12人。
そこに,若手の女性議員大原なな子がいた。
大原「前町長は町長を投げ出す前に『来年あたり,財政再建団体になるかもしれない。』と言っていました。本当に財政再建団体になっちゃうんですか?」
野原「君のようなかわいい子がいればこの町も安泰だぜ。」
 し〜ん
風間議長「野原町長,このままじゃ新呉町が大変なことになるんです。我々には時間が無いんです。財政再建団体に転落する前に早くこの町を救わなきゃならないんです。」
野原「ほほーい」
風間議長「大丈夫かなぁ」
 ベテラン議員は寝ていたり,しゃべったりしている。この町を救おうとする者がどんどん減っている。
 町自体の改革よりも,議員の意識改革が必要だった。



第二章 明るくなれない子供たち
 野原は,風間と共に新呉中学校の運動会を訪れた。全校生徒は大体200人ぐらい。古びた来賓用のテントの下で競技を見ていた。
桜田校長「最近,どんどん子供が減って,運動会に活気が見られないんです。ん,町長は?あっ,いた。」
 野原はちゃっかり競技に参加していた。
 午前の部が終わり,ある男の子が風間に相談に来た。
少年「僕は佐藤マサヤ,将来の夢はお父さんの床屋を継ぐことだったけど,先週床屋がつぶれちゃったんだ。僕はこれから何を目指していけばいいんだろう?」
 風間は言葉が出なかった。町が衰退しているのが子供にまで広がっていることを痛感したのだった。
風間「子供たちのためにも,必ずこの町を救ってみせる。」
 そのころ,野原はというと,他人の家の弁当を食べ比べていた。


第三章 耐え切れない酪農家
 ある日,町役場に数軒の酪農家が陳情しにやってきた。その後,野原と役場の農業課長が牧場を視察しに来た。
酪農家ボーさん「とても,生活が厳しい。何とかしてください。」
黒磯農業課長「だからと言って,酪農だけが深刻じゃないんです。」
ボーさん「お互い大変ですね。はぁーーーーー。」
黒磯「はぁーーーーー。」
野原「ぬーーーーーー。」
結局この時は,何一つ話が進まなかった。


第四章 迫り来る市町村合併の波
 新呉町の隣には,虎江市(とらえし)がある。虎江市は,幹線鉄道が通っていて,大都市と大都市を結ぶ重要な中継地点だ。最近は,「しずかの湯」という健康センターがはやっていて,新呉町内にも,リピーターは少なくない。
 野原は,休日に,そこを訪れた。風間からは「町おこしのヒントを得てきてください。」と,言われていた。
 数日後,町に虎江市の野比市長が役場を訪れた。新呉町を救う,という名目で合併話を持ちかけてきた。後日,風間は悩んだ。悩んで悩んで悩んで悩んで悩んで悩んで悩んで悩んで悩んで悩んで悩んで悩んで悩んで悩んで悩んで悩んで悩んで悩んで悩んだ。(つまり,超悩みまくった。)
しかし,野原は,「合併はまた後で。」と言った。
「え?」しばらく沈黙が続いた。


野原は、自分たちだけで町を救っていく決意を示したのであった。風間は、感激した。


第五章 ザ・ラスト
 野原の“合併またあとで宣言”から12年後……
町は寒空だったが、町民は温かかった。野原は、引退することとなった。
15歳のとき床屋を継ぐ夢を失った若き青年、佐藤マサヤが立候補、当選した。佐藤新町長の父、マサオと面識のある野原は、焼き鳥屋でマサオと話していた。
マサオ「君が町長になってこの町は変わったよ。」
産業誘致…
新呉町は、鉱山以外は自然が豊富だった為、広大で景観のきれいなスキー場を誘致して、それがヒットしたのだ。
 虎江市が近かったことも幸いした。虎江からの需要は大きい。さらに、ボーさんたちの牧場は、レジャー牧場へ大変貌を遂げた。そして、新呉は著名な別荘地となった。
地域通貨…
町民には、町内で買い物をして欲しいという意思から、地域通貨「またずれ」が導入された。町の商店街が復活した。
野原「そういえば、マサオくんは、床屋やらないの?」
マサオ「もうじきはじめるんだ。」
 町の歴史はまだ続く… 

 

おわりに
 現在、市町村の大多数が、過疎という問題を抱えています。これらの市町村は、今までの栄光を取り戻す為、日々町おこし、村おこしに励んでいます。町の皆さん、村の皆さん、がんばってください。

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