朝が来る。 ネネは少し眩しそうにしながら、昇る朝日を見つめていた。 ザザー 足元まで迫る海水が皮肉にもその朝日を美しく彩る。 「ボーちゃん、朝よ。」 「ボ?もう、朝?」 「そうよ。今日もみんなを探さなきゃね。」 「うん。僕、今日は、やってみたいこと、ある。」 「ほんと?ネネもしっかり生活できるように、なにか探さなきゃ。」 「よろしくね、ネネちゃん。」 2人は別々に、膝まで海水に浸かりながらそれぞれの役目に向かった。 3ヶ月前。 突然、世界中を襲った地震と火山爆発により、 北極、南極大陸の氷がすべて溶けた。 そして世界中の海面が何十メートルも上がった。 その時の光景は忘れられないものだった。 人、物、自然、すべてが流されて飲み込まれていく。 人はその無力さを思い知ったのだ。 そうして、ほとんどの国や地域が沈み、人々は連絡をとる手段を失った。 世界がどういう形をしているのかも、もう知る者は誰もいない。 ネネとボーは、たまたま一緒にいてたまたまその難を逃れたのだ。 そして、自身の生活と家族、知り合い、友達を探す日々が始まったのだ。 「ネネちゃん。どうやって、次の、島まで行く?」 「そうねえ。ネネ泳ぎたくないし。ボーちゃんなんか考えなさい?」 「・・・う。」 こんな感じで海だらけになった世界に、ポツンポツンとある島を漂流しながら みんなを探していたのである。 「船、作った。」 「ボーちゃんやるじゃない!いきましょー!」 |