トップ小説作成者・パタリロ百世のペット アブラムシのハイドレスト2さん


クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ
『少年道士の慰霊祭』

第二部


燎帝「剄蘭!」
燎帝は右手からオーラを発生しそれを放出した。
風月華雷は嵐柳刀で剄蘭を吸収した。
風月華雷「行くぜ・・・」
嵐柳刀を振り剄蘭を風の刃に乗せて発射した。
燎帝は即隠れた。
燎帝(駄目だ、一気に決められない・・・攻撃を吸収しそれを自分の攻撃の威力向上するタイプの宝貝使いか、
仕方ない使うか・・・)
燎帝は風月華雷の前に現れた。
風月華雷「観念したか?あんたは道士化した案内屋・・・だから生者である俺に梵術で立ち向かえる・・・
しかし“相性”だよ闘いってやつはよー」
燎帝「いきがんなよボケカス」
燎帝は毛布をくるみ片手に数珠を持っていた・・・
風月華雷「本領発揮?今更?」
燎帝「ああ・・・」

燎帝「『真紅炎珠』発動」
数珠の色が変わった瞬間風月華雷の腹部に傷が出来た。
風月華雷「な…」
燎帝「俺の真紅炎珠は発動すると自分以外の“進む時間”がかなり遅くなる」
風月華雷は嵐柳刀を振るう。
しかし毛布に“拒まれ”弾かれた。
風月華雷「あんたマジで何者だよ?」
燎帝「道士化した職能力使いの案内屋、それ以上でもそれ以下でも無いよ…」
燎帝は手を再び風月華雷に向けて翳す。
燎帝「剄蘭“印天盤獄憲『渦』”!」
燎帝の翳した手から膨大な剄のエネルギーが収縮され…
風月華雷「嵐柳刀で受けれるレベルじゃねえ…能力…駄目だ…」
直径約2メートルはあろう球状の剄のエネルギー弾が発射された。
それもかなり速度がある。
風月華雷「ち・・・畜生ォォォォォォォォォォォ!」
剄蘭“印天盤獄憲『渦』”をまともに喰らった風月華雷は15メートルは吹き飛んだ。
風月華雷は勿論気絶。
燎帝「さてと剄楓で首を切って・・・」
風月華雷の首もとに当てた途端剄を抑えた。
燎帝「駄目だ、どうしても生破と魚塚の顔が浮かぶ、しゃーねーな・・・」
燎帝は風月華雷を抱えて歩いていく。
仲間達の本へと・・・


そして士朗対瑠奏劫は・・・
士朗「忘れてないか?」
瑠奏劫「何を?」
士朗「俺にもレベル2がある可能性を!」
瑠奏劫はハッとしバックした。
士朗「“インク”に“溶”を加える能力・・・レベル2!」
士朗は自分の周囲にインクをかけた。
しかし何も起こらない。
瑠奏劫「はったりか・・・少し期待しましたが・・・」
瑠奏劫は士朗の身体能力をトレースしていて士朗は動いていない為、瞬時に後ろに回る事が出来た。
その瞬間瑠奏劫の態勢が崩れた。
それもその筈・・・
『インクのかかった地面に足を踏み入れそこが泥のように柔かったから』だ。
士朗「俺のレベル2は効果を加えたインクをかけた物体の硬度を俺の意志で変える事の出来る能力・・・」
瑠奏劫は必死に泥濘から出ようとするが抜けれない。
士朗「さてと・・・安心しなよ、命までは取らねーよ・・・」
士朗は動けない瑠奏劫をひたすら殴り続けた。
そう・・・ひたすら・・・
殴り続ける。
瑠奏劫は気を失い士朗の拳の皮は裂け血が出ている。
士朗「あぁー終わったな・・・やっとよ」
「いたいた、おーい」
士朗「ん?」
目の前には盟友珍平と楡岬冬樹がいた。
士朗「珍平か・・・脅かさんでよ・・・」
珍平「大丈夫か?」
士朗「命はあるよ・・・」
珍平「よかったな・・・」
士朗「俺もそう思うよ・・・」
冬樹「瑠奏劫?あなたこいつ倒したの?」
士朗「君誰だ?」
珍平「後で説明するよ、今はこの戦争を止めるんだ」

現在の状況
崎爆仙・・・現在同チームメンバーを捜索中。
魚塚士朗・・・瑠奏劫と対戦し勝利、珍平、冬樹と合流。
珍平・・・楡岬冬樹と対戦し勝利。現在冬樹と行動し士朗と合流。
久留米勇丸・・・不和姉弟(?)と対戦中。現在劣勢。
伊澄燎帝・・・風月華雷と対戦し勝利。
掘口祥次・・・河内宇美と対戦中。
虻川百合姫、城戸創作、葉孔遺介、土辺克馬、野原しんのすけ、13番目の登録者、全て現在不戦闘・・・
狐里収岳・・・不明。

河内宇美対祥次は・・・
宇美「いい加減諦めてさーこの『盤石土竜』の餌になってよ・・・」
八つ目の巨大土竜が祥次に襲い掛かる。
祥次「『Ver2』!」
人に近い形の60センチ程の尻尾のある青い虫が祥次の前に現れ何かを発動し盤石土竜を弾き飛ばす。
「グ・・・・・・グモオォォォオォォォォオォォォォオォォォォオォ・・・・」
宇美「斥力を発生させる宝貝か・・・」

観客席では・・・
霞「祥次君やっぱ凄いね」
新山「うん」
ひろし「めっちゃ久し振りだな俺達・・・」
みさえ「そうね・・・読者も管理人も忘れてるんじゃない?」
風間「安心して下さい。絶対忘れられていませんから」
むさえ「姉ちゃん」
みさえ「何?」
むさえ「『斥力』って何?」
みさえ「知らない、風間君知ってる?」
風間「いえ僕も・・・」
ひろし「物体同士の間で働く力の1つで引力とは逆の作用の力だ・・・確か・・・」
霞「まあ多分合ってると思いますよそれで」
新山「でも僕達の事管理人さん覚えてるかな・・・不安だな」

祥次「Ver6」
祥次の両手にカブトムシやクワガタムシの幼虫の頭のような形の物が着いた。
それの銃口を盤石土竜に向ける。
宇美「何する気なの?」
祥次「Ver6・・・重力砲・・・」
幼虫の口から圧縮された重力が撃ち出された。
「グモオォォォオォォォォオォォォォオォォォォオォォォォォオォォォオォォオォォォォォオォォオォォォ・・・」
盤石土竜は胸部に穴が空きスローで倒れる。
宇美「え?」
祥次「降参して下さい。Ver6は重力を圧縮し発射する効果を持ちます」
宇美「どうしよう日ノ本さん・・・」
日ノ本「ああ気にするな、それには弾数に制限がある」
新山「バレてる?」
みさえ「そうなの?」
霞「両方合わせて8発なんです」
日ノ本「あのtypeの能力を持つ道具や職能力には強力故に制限がある」
宇美「盤石土竜は無くなった・・・仕方無いな‥‥‥」
河内宇美は手を合わせる。
宇美「“銅鑼”に‥‥‥‥‥“沸”を‥‥‥加える能力‥‥‥」
河内宇美は銅鑼を叩く。


近くにいた瑠奏劫を抱えている士朗、そして珍平、冬樹、そして‥‥‥
燎帝「何ださっきの音は?」
3人の近くにいた風月華雷を背負っている燎帝が聞いていた。
士朗「お燎帝」
燎帝「よう魚塚、傷を癒してくれる奴が近くにいて助かったぜ」
士朗「いやぁ」
燎帝「皮肉で言ったんだぞ俺は」
冬樹「あなた‥‥‥風月華雷を倒したの?」
燎帝「誰だこの娘さんは」
珍平「後で話す」
冬樹「早く行こう!多分さっきのは河内宇美の職能力だ!!」
燎帝「敵か?」
冬樹「音からして多分あっち!!」
冬樹は祥次と河内宇美が戦う方角を指を差す。
珍平「よし行こう!」
燎帝「分かってる!」
士朗「瑠奏劫と燎帝が抱えているこいつはどうする?」
燎帝「抱えとけよ。ほっとく訳にはいかねえからな‥」
4人は祥次と河内宇美が戦う戦場に向かった。

一方ゼノは‥‥‥
ゼノ「みんなどこにいるのかな‥‥‥早く合流しないと‥‥‥」
「ハーイ、僕はここだよ〜★」
ゼノ「え?」
ゼノの後ろにいたのは‥‥‥
整っていない青髪の少年‥‥‥
と表現しても誰も否定しないくらい童顔の中学生から高校生くらいまでの男‥‥‥
ゼノ「アナタは?」
「人に名前を聞く時は自分がまず名乗るのが礼儀だよ?★」
ゼノ「私はゼノ‥‥‥あなたは?」
「僕は国見有香、破城塞のメンバー☆」
ゼノ「その有香さんが私に何の用ですか?」
有香「其方こそ何の冗談?★」
国見はカッターを出してゼノに斬りつけた。
ギリギリで避ける。
有香「わーはやーい☆まあこの程度は避けて欲しかったからね★」
国見は自分の手を併せる。
有香「“コーラ”に‥‥‥“録”を‥‥‥加える能力‥‥‥」
ゼノも手を併せる。
ゼノ「“方旗”に“握”を加える能力!!」


そして‥‥‥
勇丸対不和姉弟(?)は‥‥‥
勇丸「ち‥‥‥」
地面に跪いている大怪我を負っている勇丸とそれを見下す不和姉弟(?)‥‥‥

勇丸「畜生‥‥‥」
美智恵「残念だね」
恭彬「諦める?」
勇丸(こいつらの組み合わせ‥‥‥厄介極まりない‥‥‥破裂した紙風船の爆発的な光で目眩ましをしその光を虫眼鏡で集めて光線を撃つ‥‥‥)
美智恵「諦めなよ」
恭彬「人生にね」
勇丸「誰が諦めるって?」
勇丸は立ち上がった。
美智恵「まだ立てたんだ」
恭彬「ちょっぴり意外」
勇丸「これを見ろ」
勇丸が2人に見せた物‥‥‥
それは2人の能力の詳細が勇丸の筆跡で書かれているチラシ。
美智恵・恭彬「何時の間に!?」
勇丸「てめえ等が俺に攻撃している最中にだよ‥‥‥俺の“サインペン”に“改”を加える能力は確かに弱い‥‥‥最弱と言っても過言じゃない‥‥‥既に字が書かれている物に上書きしその下に書かれた字を消すしか能のない能力だしな‥‥‥」
美智恵「そんな能力で」
恭彬「僕達の能力の詳細を書いてどうするの?」
勇丸「そこが重要ポイントだ、俺にはレベル2があるんだよ」
美智恵「どんな」
勇丸「能力の改竄‥‥‥つまり俺は相手、つまりお前等の能力を自分で自由に変えられるんだ」
美智恵「お願い」
恭彬「止めて」
勇丸「解った」
勇丸は2人の能力の詳細が書かれている紙をビリビリに破いた。
美智恵「ありがとう」
恭彬「これであなたを殺せる」
美智恵と恭彬は手を併せる。
しかし道具が取り出せない。
美智恵・恭彬「どうして?」
勇丸「俺のレベル2が能力の改竄だけとは一言も言ってないぞ?」
美智恵「じゃあ‥‥‥」
恭彬「他にもあるの?」
勇丸「正解、詳細を書いたその主に紙を破くと詳細を書かれた能力者はその日能力を使えなくなるんだ‥‥‥つまりは‥‥‥」
美智恵「私達は今‥‥‥」
恭彬「能力は使えない‥‥‥」
勇丸「そゆ事、降参しなよ、命まで取らないよ」

観客席
霞「順調に勝ち進んでるね」
新山「ああ‥‥‥この分だと楽勝だね」
風間「今の所敵側が数的に大きなダメージを負ってますよ」
ひろし「だが1人しか殺していない‥‥‥このゲームは相手側を1人殺害する毎に1ポイント貯まるルールだからな」
むさえ「けどみんな勝ったけど殺してないよ」
ひろし「そっちの方がいいだろ‥‥‥俺は子供が人殺しをする場面を見たくない」
國広「そっすね」


ゼノ「握れ!」
『方旗』は岩を握りゼノはそのまま国見に放り込む。
しかし‥‥‥
ゼノ「え?」
すり抜けた。
ゼノ「どういう‥‥‥」

有香「こゆ事★」
ゼノ「ブッ‥‥‥」
国見はゼノを蹴り飛ばした。
有香「君の能力は握る能力‥‥‥で僕の能力は録画する能力‥‥‥☆」
ゼノ「今の‥‥‥映像を?」
有香「ピンポーン☆」
ゼノ「握れ方旗!」
ゼノの握っている旗は伸びて握り締めようとした
しかし手応えが無い。
有香「ここだよ?☆」
国見はゼノにのし掛かった。
ゼノ「いっ‥‥‥」
有香「あたしのレベル2は常時録画‥‥‥コーラを口にする度に映像を録るんだ★」
ゼノ(勝てるかな?)
「勝てるかじゃない、勝つんだよ」
ゼノは呆れ果てた様に笑みを浮かべた。
有香「さっきの声は?☆何?★」
ゼノ「超ヘタレのあんたが協力する気になったのか‥‥‥明日は雹でも降るのかな?」
「降るかボケ!」
ゼノ「じゃお願いね‥‥‥『妖精』【方旗】」
方旗「解ってるよ‥‥‥但し天丼特上奢れよ」
ゼノ「生きてたら‥‥‥ね」
方旗「よし行くか!」
ゼノが持つ方旗の布地の部分に眼と口が浮かび上がった。
有香「あ‥‥‥れ?☆何それ★」
方旗「俺の名は『妖精』方旗!ゼノは俺のペットに過ぎん!」
ゼノ「ふざけんな!」
方旗「怒鳴るんなら協力しなーい」
ゼノ「燃やすよ?」
ゼノはポケットからチャッカマンを取り出し火を着け方旗に近付けた。
方旗「ごめんなさい‥‥‥調子に乗りました‥‥‥」

有香「まあそれが何だっていいや‥‥‥☆その妖精ごと‥‥‥潰せば早い話だしね‥‥‥★」
国見は銃を取り出した。
41口径はあるリボルバー式の銃‥‥‥
有香「死ーね★」
容赦なく弾丸をゼノに向けて発射する
しかし‥‥‥
ゼノ「間に合って良かった‥‥‥」
方旗「結構痛いんだぜこれ!天丼特上+エビフライとアジフライとカキフライを十人分寄越せよ!」
ゼノは方旗を周囲の柱や木々等に縦横無尽に駆け巡らせまんまくを作ったのだ。
それで国見の銃の弾丸を防いだのだ。
堅い板等より布のようにヒラヒラしている物の方がかえって銃弾を通しにくいから防げた。
ゼノ「握れ方旗!」
方旗は布を延ばして国見の足に絡みつけた。
有香「しまっ‥‥‥‥‥‥☆」
ゼノ「おりゃぁぁあぁあぁぁぁ!」
方旗の柄を思い切り引っ張り国見は宙に浮いた。
ゼノ「うりゃあぁぁぁぁあぁあぁぁぁあぁ」
有香「ちょ‥‥‥待ってよ‥‥‥もう降参☆」
ゼノはその状態で柄を振った。
国見はその運動に逆らえず壁に激突した。
ゼノ「勝った‥‥‥」
方旗「良かったな!!」
ゼノ「うん‥‥‥」
有香「きゅうぅ〜☆」
国見は完全に気絶していた。
方旗「止め‥‥‥刺さなくていいのか?」
ゼノ「別にいいでしょ?」
方旗「そだな‥‥‥」


一方祥次は‥‥‥
祥次「この状態じゃ‥‥‥‥‥‥まともに闘えない‥‥‥」
辺りには半溶けの岩や建物、焦げている草木があった。

祥次(何だ?あいつが銅鑼を叩くと‥‥‥一瞬で岩や草木が‥‥‥内部から熔けた)

宇美「どう?あたしの職能力、あ・き・ら・め・る?」


河内宇美の職能力
“銅鑼”に“沸”を加える能力
その効果は叩くとその音の響く範囲の固体を内部から沸騰させる
限定条件‥‥‥動物相手には耳を塞ぐくらいの勢いで叩いた事で発する音でのみ効力を発揮する

祥次「諦める?誰が?」
宇美「君」
祥次「ふざけないでよ、これでも僕だってそれなりの場数は践んでるんだ」
宇美「え?(な‥‥‥何?足が‥‥‥数十sの重石をつけられたみたいに‥‥‥)」
祥次「Ver8‥‥‥」
宇美「へ?」
妙な音が響き渡り宇美の足の骨が妙な方向に曲がり骨が突き出ていた
宇美「キャアアァァァァアァァァァァアァアアァア‥‥‥」
祥次「Ver8は1つの物体の内部にS極とN極を発生させる。骨をS極に、筋肉をN極にした」
宇美「痛いぃ」
祥次「降参するなら修復ドリンクX注射してあげるけど‥‥‥どうする?」
宇美「する!降参する!します!」

新山「容赦ない‥‥‥」
風間「てか‥‥‥祥次さんの宝貝、凄いですね‥‥‥」
霞「まあね‥‥‥」
みさえ「けど半分以下になったわ!」
ひろし「後はしんのすけが敵に遭遇しない事を祈るばかりだ‥‥‥」

宇美「あー痛かった‥‥‥」
祥次「降参してくれて良かった‥‥‥」
宇美「仮に‥‥‥仮にだよ?もしあたしが、万全になった今攻撃を仕掛けてきたら‥‥‥どうしてた?」
祥次「殺していたな‥‥‥ほぼ確実に‥‥‥」
宇美「はははは‥‥‥恐いね‥‥‥」
祥次「他の‥‥‥他のみんなはここの人達と戦ってるのかな?」
宇美「さあ‥‥‥これは自分で調べないとね‥‥‥」

一方郊外にある野球ドーム
そこの観客席では城戸創作が売店で買ったジュースを飲んでポップコーンを口に運びながら寝転んでいた
城戸「敵‥‥‥いねーな‥‥‥ま俺にとっちゃこっちの方がいいけど‥‥‥士朗達が倒してくれてんだろな‥‥‥」
「一体どこにいるんだろうか挑戦者側の能力者は‥‥‥箱庭の中を歩き回って足が棒のようになるよ‥‥‥」
城戸「んだ?この声‥‥‥聞き覚えないな‥‥‥誰だろ?」
椅子から体を起こすと最前列の席の前の道にはスーツ姿で金髪で美形の白人の男がポテトチップス(うす塩味)を啄みながら歩いていた
城戸と男は目が合う
「Good afternoon!」
城戸「Hello」

観客席
ひろし「今度はえらく普通そうな奴が出てきたな‥‥‥」
風間「多分強いんでしょうね」

城戸「あんたは?」
「お互い初対面の時相手に名前を訊ねる時は自分から名乗るのが礼儀だよ?」
城戸「名前訊ねる時は大抵お互い初対面だ」
「違いないね‥‥‥こりゃ一本取られた」
城戸「俺は城戸創作、高校生」
「我が名はスターズ、『破城塞』の選手です」
城戸「へー」
スターズ「我が素性に納得いかれましたか?」
城戸「うんまあね」
スターズ「では、死ね、この『玩烙剣』によって」
スターズは巨大な鎌を出し城戸を斬りつけた
城戸は辛うじて避ける事に成功するが2人のいる観客席が割れ地面にも深い傷跡をつけた
スターズ「避けたね上手く‥‥‥と言いたいが‥‥‥避けたのが『玩烙剣』で無かったら‥‥‥だがね」
城戸「はぁ‥‥‥はぁ‥‥‥はぁ‥‥‥」
城戸に右肩から左足の太股までバッサリと斬れていた
胸の傷跡に至っては肋骨まで露わになっている
城戸(不幸中の幸い‥‥‥致命的な怪我は負ってない‥‥‥いや‥‥‥感じ方によっちゃ不幸中の大不幸かな?)
スターズ「これが我が宝貝『玩烙剣』の能力、刃先に接触した物を無条件で真っ二つにする‥‥‥またたとえ触れてないとすると振るった先から50p以内にいると斬る事が出来る‥‥‥」
城戸(農林一号は駄目だ‥‥‥傷が思ったより深くてとてもじゃないが吹奏が出来ない‥‥‥)
スターズ「君じゃ僕に勝てない‥‥‥まあ崎生破ならまず間違いなく僕が負けるが‥‥‥」
城戸「‥‥‥‥‥‥に‥‥‥‥‥‥を‥‥‥‥‥‥」
掌を併せてスターズに手を翳す
すると業火の火柱が掌から発生した
スターズ「な‥‥‥」
『玩烙剣』を振るい火柱を斬り軌道を自分から逸らす
城戸「ハハ‥‥‥やっぱり最初は避けられるか‥‥‥だが‥‥‥その手で何時まで防げますかね?」
スターズ「え?」
自身の宝貝『玩烙剣』を見てスターズは驚愕に満ちた顔となった
『玩烙剣』の刃が一部とはいえ溶けていたのだ
原因は無論城戸の掌から発生した火柱
スターズ「馬鹿な‥‥‥『玩烙剣』は熱や打撃に強い特殊な金属で出来ているんだぞ‥‥‥」
城戸「俺の職能力の方が‥‥‥その特殊金属の耐性より上回っていたって事だよ」
スターズ「嘘だ‥‥‥こんな‥‥‥有り得ない‥‥‥」
城戸「いいか?2つ程言ってやる」
スターズ「何だ?」
城戸「この世に《絶対》は無い。よって《有り得ない》は《有り得ない》‥‥‥そして」
スターズ「そして?」
城戸「それは《剣》じゃなくて《鎌》だろーがぁ!!」
城戸はスターズに接近し頭突きを喰らわした

城戸の頭突きを喰らいスターズは吹っ飛んだ
その際にスターズは『玩烙剣』を落とした
スターズ「ヤバい!武器落とした!拾わないと‥‥‥」
城戸「させるか」
再び手から火柱をスターズに向け発射する
攻撃対象であるスターズはすぐに後ろずさり火柱を回避する
スターズ「危ないな‥‥‥待ってよ、僕は今丸腰なんだ」
城戸「だから攻撃するんだろうが、あんな鎌喰らったら真っ二つになるし‥‥‥」
スターズ「危険度を理解した上で攻撃をくわえるのか‥‥‥なら僕も能力を使おう‥‥‥」
城戸「させ‥‥‥」
スターズは城戸が火柱を発射する直前に城戸を蹴り倒す
そして身を起こしている間に『玩烙剣』を拾い掌を併せた

スターズ「“油絵の具”に‥‥‥“飾”を‥‥‥加える能力!」
取り出した油絵の具を『玩烙剣』に塗り付けた
スターズ「思い知れ‥‥‥我が能力の恐ろしさを!」
城戸に『玩烙剣』を振るった
しかし届く範囲内にいなかった為当然攻撃は当たらない‥‥‥
筈だった
城戸「ゴペ‥‥‥」
左肩から右脇まで深く切り裂かれた
スターズ「どうだい僕の能力は‥‥‥この能力は道具が本来持たない機能を飾り付ける能力‥‥‥敵に有効範囲外でも致命傷を与える能力を飾り付けたのさ‥‥‥」
城戸「“メタン”に‥‥‥」
スターズ「ん?悪あがきかい?」
城戸「“メタン”に“燈”を加える能力!」
右手を翳しそこから火柱が発射された
スターズは火柱を斬りつけ火柱は分解された
スターズ「残念だったね‥‥‥今能力で斬りつけた物を内部からズタズタにする機能を追加した‥‥‥これで君の火柱は僕に火傷一つ負わす事は出来ない‥‥‥」
城戸「それなら‥‥‥これならどうだ!」
指一本一本に着火しそこから小さな火柱が蛇のようにスターズに襲い掛かった
スターズは『玩烙剣』で火柱を数本消し去ったが全ては対処仕切れず一本が右腕に掠った
城戸「どうやら飾り付けられる機能にも限界があるようだな‥‥‥」
スターズ「そうだよ‥‥‥この能力は強大だがその分限定条件が大きい‥‥‥追加可能な機能は二つまで‥‥‥しかも所詮飾りの能力だから30分経つとその機能は消える‥‥‥」
城戸「て事は俺に攻撃する余裕を無くせばいい‥‥‥いわば長期戦だ‥‥‥」
スターズ「減らず口を!」
『玩烙剣』を城戸に振るう
回避して致命傷は避けるが右足の膝から下が消失した
城戸は右手で巨大な火柱を一発、左手で小さな火柱を五発発射した
大きな火柱はギリギリまで引き付けて紙一重で避け小さな火柱は『玩烙剣』で消した
火柱を消している合間に城戸は『修復ドリンクX』を注射する
怪我と右足が治る
城戸「大きな火柱は普通に回避し小さな火柱を宝貝で消す‥‥‥流石にその辺戦闘経験の差が浮き彫りに出るな‥‥‥」
スターズ「では終わりにしようか城戸創作‥‥‥君の事は永久に忘れないよ‥‥‥だから安心して‥‥‥」
城戸は石を投げつけた
石はスターズの右頬に掠った
城戸「勝手に終わらせるな‥‥‥まだ終わってない‥‥‥」
スターズ「諦め悪いよ‥‥‥」
城戸に何の躊躇いもなく『玩烙剣』を振り下ろした

『玩烙剣』を振り下ろしきり再び持ち上げるとスターズは感心しきった表情で城戸を見ている
城戸は右手首の皮膚と右手で掴んでいた『農林一号』がズタズタになっていたが息を切らしているだけで無事だった

日ノ本「おっとこれは『玩烙剣』を振り下ろした瞬間右手に笛を持ちそれでぶつける事で僅かながら軌道を変えた!」

スターズ「流石『破城塞』に乗り込むだけはある‥‥‥この程度の事は出来るか‥‥‥」
ゆっくりと息を整え顔をあげた途端城戸が持っていた『農林一号』が粉々に砕け散った
地面に『農林一号』の破片が全て落ちると再び城戸は膝をつけ顔を伏せた
スターズ「どうしたんだい?降伏かい?」
城戸「暗い‥‥‥」
スターズ「ん?何か言ったかな?」
城戸「何も見えない‥‥‥何も‥‥‥」

観客席
ひろし「あれ?なんか城戸君雰囲気変わったよな?」
風間「どうしたんでしょう?」
むさえ「あんた達どうしたの?」
むさえは蒼白となった新山達に疑問をぶつけた
霞「マズい‥‥‥」
新山「笛が砕かれた‥‥‥」

城戸「アハハハ〜‥‥‥」
スターズ「な‥‥‥」
城戸「こんな暗い世の中に生きていたって無意味だよね‥‥‥人生の意味は持って生まれるのではなく自分で作る物だと嘗て光陰さんから言われたが‥‥‥こんな世の中で人生の意味を作ろうとする事自体が意味の無い事だよね‥‥‥」
スターズ「こんな暗く低い声で‥‥‥何悲観的な事を言ってるの?」
城戸「生きてたってつまらない‥‥‥死のう‥‥‥あの世はこの世と違って死ぬ心配も無くて楽しいと思うよ‥‥‥」

ファミリーレストラン
そこのドリンクバーでC.C.Lemonをコップに入れる土辺克馬がいた
克馬「選手はどんな品を注文しても無料ってのは助かるな‥‥‥すいません、フライドポテトとチキン南蛮定食下さい」
「ハイ注文お受けたまり致しました」
克馬「それと摘みで魚肉ソーセージとイカゲソも」
「ハイ」
入り口の扉が開き、そこから人が入って来た
濃いめの赤というより朱色の肩甲骨に届くか届かないかの長さのシングルテールで全体的なスタイルは意外と良く、胸も相当ある多く見ても二十代前半程の女性
彼女は克馬の席に近付いた
無論克馬は警戒する
「相席‥‥‥して宜しい?」
克馬「俺を倒しに?」
「ううん、幾ら捜しても見付からないからお腹空いて‥‥‥」
克馬「つまりは‥‥‥今は闘わないと‥‥‥受け取っていいのか?」
「うん」
克馬「じゃいいですよ、座って」
「どうも‥‥‥」
克馬は少し動き、女性は克馬が座っていたとこに座った
同時、ウエイターのロボットが克馬が注文したフライドポテトと魚肉ソーセージとイカゲソを持って来た

魚肉ソーセージを口に入れながら相席している女性に声をかける
克馬「あんた‥‥‥『破城塞』の選手でいいんだよな?」
「うん、名前は瀬尾雪奈(せお ゆきな)、宜しくね」
克馬「どうも」
瀬尾「あ、フルーツパフェと焼きそばとスパゲティナポリタンとキツネうどんとエビグラタンとシーフードカレーとビーフシチューと鯛茶漬けと‥‥‥」
克馬(その体にそんなに入るのかよ‥‥‥)
瀬尾「心配無用、あたし胸しか太らないから」
克馬「ふーん‥‥‥」


城戸「アハハハハハハ‥‥‥」
スターズ「何だ?まるで人が変わったみたいに‥‥‥」
城戸「君はこれ程でしかない矮小な存在だ‥‥‥勿論俺も‥‥‥ちっぽけな存在は無力なのを思い知らされるだけの人生を歩むのみ‥‥‥こんな人生もう終わらせよう‥‥‥」
スターズ「黙れ‥‥‥嘗めるな!」
城戸に『玩烙剣』を振り下ろす
それを必要最低限の動きで避け、スターズの顎に頭突きを食らわせる
スターズ(どうなっているんだ?戦闘能力が先程とは桁違いだ‥‥‥)
城戸「君はこんな惨めな人生を歩みたいの?こんな暗く、汚く、絶望にまみれた世界に天寿を全うしたいのかい?もしそうだとしたら随分と奇特な人だね‥‥‥」

スターズ「天寿を全うしたいと思うのは当然では無いのかい?」
城戸「陳腐で、退屈なこんな世界は生きてるだけで絶望がひしひしと伝わって来る‥‥‥」
城戸は黒い三味線を出し、弾いた
三味線の腕は決して上手いとは言えないが何処か惹かれる所がある
職能力で火柱をスターズに向け発射
スターズは跳躍し回避するが、火柱の焔が無数の火球となり、スターズを追った
『玩烙剣』で火球全てを弾くも、服に飛び火し、あっと言う間に燃え広がった
スターズ「ギャアアアアァアァアァァァァアァァアァァアァァアアァァァアァァアアアァァァアァァァァアァア‥‥‥」
服に引火した火を消す為、銭湯に入り水風呂に飛び込んだ
スターズの服は燃えカスと化しており、代わりの先程まで着ていた服と同じ服を着る
着用と同時に城戸が銭湯の壁を熔解させ、突入した
城戸「見付けた‥‥‥‥‥‥」

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