トップ小説作成者・パタリロ百世のペット アブラムシのハイドレスト3さん


この小説はまつざか先生と徳先生の恋の行方を描いた話を自分なりにアレンジした物です。因みに
『少年道士の慰霊祭』に登場するキャラクターも出てきますが気にしないで下さいね。

成田空港

ここで数人の男が別れを惜しんだ。

「今日はサポートありがとう。また発掘調査があれば連絡するよ」
「元気でな徳さん」
徳郎「こちらこそ楽しかったです!!教授」

彼、行田徳郎は接骨医師であるが恐竜の化石発掘チームに参加し長期間海外にいた。

「ところで君の恋人が迎えに来てるんだろ?」
徳郎「はぁ一応手紙で知らせておきましたが果たして来てくれるかどうか・・・ずっとほったらかしでしたから・・・」

行田徳郎の恋人とはまつざか梅である。

そしてその心配は杞憂だった。

巨大な板に
『お帰りなさい徳郎さん!
ウェルカム
メンソーレ
ア・ソーレ』
と書かれ紙の造花を飾り付けた看板を持ってキョロキョロ捜していた。

徳郎「いました・・・」
「ユニークな娘だね・・・アハハ」
徳郎「梅さん」
まつざか「徳郎さん」

まつざかは看板を放り投げて抱き付く。

そしてアクション幼稚園の送迎バス。

まつざか「園長先生に頼んで借りちゃった」
徳郎「わざわざすまなかったね僕の為にハハハ・・・」
まつざか「ところで今回はどれくらい日本にいられるの?」
徳郎「保根田教授の発掘調査は今回で一段落したので僕も接骨院の医師に戻ろうかと思っている」
まつざか「え?それじゃもうずっと日本にいられるの?」
徳郎「うん、多分ね」
まつざか「キャー!嬉しい!」

まつざかは徳郎に抱き付いた。因みにまつざかが運転している。

徳郎「ワーッ!!運転・・・前!!前っ!!」

絶好調で運転するまつざか。徳郎は何か考えている。

翌日、アクション幼稚園の職員室のドア・・・

桜田ネネが盗み聞きをしている。

上尾先生は缶を持ちながらビクビクしている。

上尾「まつざか先生・・・あの・・・ごめんなさい、うっかり間違えて先生のコーラ飲んじゃいました」

何故まつざかのかを分かったのか・・・

それは缶の底に『梅様の』とペンで書かれていたから。

まつざかは満天の笑顔で振り返った。

まつざか「よいのです、コーラくらい幾らでもお飲みなさい」
上尾「うっ‥‥‥いつもは悪魔なまつざか先生が天使に見える」

上尾はよしながに相談する

上尾「何があったんですかね?何時もなら的場浩司ばりに怒るのに‥‥‥」
よしなが「よーく見てごらん、『恋人の徳郎さんが日本に帰ってきた』って顔に書いてあるでしょ」
まつざか「ん?何かおっしゃった?」

まつざかは上尾に振り向く

確かに『恋人の徳郎さんが帰ってきたんだぜ!えへへ〜』と書かれていた

上尾「ホントだ」

それは春日部防衛隊にもネネを通じて伝わった

後崎とゼノも遊びに来ていた

風間「え!?まつざか先生の恋人の徳郎さんが?」
しんのすけ「壁際に寝返りうったって?」
ネネ「それはジュリーの『勝手にしやがれ』でしょ!!何聞いてんのよ!このオタンコナス!!」
マサオ「ネネちゃん使う?」

マサオの手にはウサギのぬいぐるみが持たれていた

ゼノ「息ピッタリねあなた達‥‥‥」
崎「遠距離恋愛か‥‥‥ロックマンチフスだな‥‥‥」

ゼノは崎の頭にパラソルをきかした

ゼノ「それを言うならロマンチックだ!何なのロックマンチフスって!」
崎「チフスは病気だろ?」
ゼノ「チックだ!ロマンチック!はい復唱!!」
崎「ロシアチゲ鍋」
ゼノ「どんな耳をしてんのあんたは!」

崎は自分の耳に人差し指を差した

崎「こんな耳」
ゼノ「使い古しのギャグを使うなぁ!!」
風間「あなた達の方が息合ってます‥‥‥」
ボー「でもこれで当分幼稚園が平和になる」
風間「そうだね、まつざか先生御機嫌だろうから‥‥‥」
まつざか「みなさーん御機嫌よぉー」

まつざかは浮かれていた

ゼノ「浮かれすぎでしょこれ!地面に足が着いてないし!」
崎「超能力を得たのかな‥‥‥」
ネネ「んなわけないだろ!ホントに嬉しそう」
しんのすけ「つけ睫取っても怒らないか試したいな」
マサオ「よしなよ」

数日後、『何か腹痛てーな公園』

そこにはまつざかと徳郎がいた

まつざか「徳郎さん‥‥‥」
徳郎「ん?何だい?」
まつざか「よかったらその‥‥‥腕組んだりとかしない?」
徳郎「ああ、別にいいけど‥‥‥」

徳郎は自分の腕に自分の腕を組んだ

徳郎「しかしいい天気だねぇ」
まつざか「そうじゃ無くて‥‥‥(鈍すぎるこいつ‥‥‥)」

2人は散歩中

徳郎「そうそう、サンダバーバラ接骨院の院長に連絡したらまた働かせて貰える事になったよ」
まつざか「ホントに?よかったじゃない」
崎「あれ?そこにいるのはまつざか先生では無いですか?」
まつざか「え?」

後ろから聞こえた声

まつざかはそれに反応し後ろを向くと崎生破とゼノ、久留米勇丸がいた

徳郎「誰だいこの子達」
崎「まつざか梅の隠し子です」
まつざか「何時私は13歳の中学生を産んだのかしら?」
崎「単純計算で‥‥‥11歳」
ゼノ・勇丸「んなわけあるかぁ!」

ゼノと勇丸は崎を同時に蹴り飛ばした

ゼノ「気にしないで下さい!こいつ馬鹿‥‥‥いえ莫迦なんです!突拍子の無い事を状況や場を弁えずに平気で口にしたりするんです!」
勇丸「野原しんのすけ知ってるでしょ?そいつの友人なんです俺達」
徳郎「ハハハハハ‥‥‥」
崎「あれ?克馬は?」
勇丸「郁と一緒だから先回りしたのかもな」
崎「ふーん‥‥‥あそうだ!これから僕達御飯をケンタッキーで食べるんですよ、よかったら一緒に食べません?」
ゼノ「何言ってんだあんたは!」
徳郎「そうだねそうしよう!食事は大勢で食べた方が美味しいし」
崎「よしでは出発!!」

ゼノはまつざかに謝り倒していた

ケンタッキーフライドチキン

そこの出入口に最も近いテーブルの席には男女が各一人ずついた

一人は雪色の髪をした眼鏡をかけた長身の高校生土辺克馬

もう一人、克馬の膝に乗っていて右腕を肩に組んでいる濃い茶髪の中学生程の少女

名前は島谷郁14歳

克馬「よう生破、勇丸、ゼノ」
郁「ヤッホー生破君勇丸先輩ゼノちゃん」
勇丸「ヤッホー郁」
崎「よ」
克馬「郁もう離れろ恥ずかしい」
郁「えぇ〜」

勇丸と克馬との関係は幼なじみの同じ学校の先輩と後輩

郁は克馬に一番懐いている

崎「飯は?」
克馬「頼んどいた」

そしてまつざか、徳郎の頼んだフライドチキンも出来上がりテーブルに届いた

崎達は克馬と郁が既に頼んでいたフライドチキンをかぶりついていた

まつざか「おいひー」
徳郎(よかった機嫌なおって‥‥‥)
克馬「あてめ俺の取ったチキン返せよ」
郁「残念でした。もう口つけたよ」
まつざか「ところで徳郎さん‥‥‥今後の私達の事なんだけど‥‥‥」

徳郎は真剣な表情で何かを考えている

まつざか(ハッ‥‥‥この真剣な表情!!ちゃんと彼も考えてるんだ)

まつざかのその思惑は大きく空振りした

徳郎は自分が食べているフライドチキンを見せる

徳郎「見てよこの骨、素晴らしい色、艶!」

まつざかは立ち上がりテーブルを両手で思い切り叩く

まつざか「徳郎の馬鹿!あんたなんか一生骨だけ追いかけなさいよ!」

まつざかは目尻に手を当てながら走って去る

徳郎「梅さん‥‥‥!!」
克馬「あの‥‥‥そこ‥‥‥て郁!今度は俺が口に運ぶ前の奴を横取りしやがって!」
郁「早い者勝ちですよ土辺克馬先輩♪」

まつざかは開くのが遅い自動ドアにぶつかる

ゼノ「あ‥‥‥」
しんのすけ「徳郎さん」
徳郎「しんちゃん、恥ずかしい所を見られてしまったな」
しんのすけ「恥ずかしがる事ないですよ」
ゼノ「そうですよ」
しんのすけ「誰だって残す事ありますよ」
ゼノ「はい?」
徳郎「そっち?」
しんのすけ「よかったらオラ食べてあげますよ、いーえ遠慮なさらずに」
ゼノ「食べれば?」
崎「しんちゃんいいなぁ〜」
ゼノ「分けなよ‥‥‥てかさあんたら‥‥‥」
しんのすけ・崎「何?なんか言いたい事でもあるの?」
ゼノ「いや‥‥‥いいです‥‥‥素で気付いてないようだし‥‥‥」
徳郎「しんちゃん、僕は梅さんの事も骨も大好きなんだよ」
しんのすけ「あそ」

『ガリッ』という音がした

しんのすけ「オラ骨きら〜い」
徳郎「あ〜あ歯が欠けちゃった‥‥‥」

翌日、アクション幼稚園職員室

上尾は空き缶を持ってまつざかに近付いた

上尾「まつざか先生ごめんなさーい、また私間違って先生のジュース飲んじゃって値」

まつざかは上尾の胸倉を掴む

まつざか「なんやとコラーッ!!他人のジュース飲んどいて何が『値』じゃ!!倍にして返してもらうけんの!!」

立腹したまつざかは外に出て行った

上尾「こ、こないだはsteadyと再会して御機嫌だったのに〜」
よしなが「さては喧嘩したな」

正解

外、風間トオルと佐藤マサオ、そしてチーター河村がサッカーをしていた

河村「それ!」

河村の蹴ったボールはまつざかの頭に直撃する

マサオ「ま、まずいよ〜」
風間「平気さ、まつざか先生は今何をされても御機嫌なんだから」
河村「ごめん先生」

まつざかはサッカーボールを三人に向かって投げた

放課後、春日部防衛隊及び春日部に遊びに来ている崎達は公園に集まった

ネネ「これは何とかしないといけないわ!」
しんのすけ「そうだ!双葉社の竹内ひさぴょんの酒の量を減らさないと」
ゼノ「違うだろ!」
崎「うん、今も尚ある麻薬の密売を‥‥‥」
ゼノ「だから違う!」
ネネ「まつざか先生と徳郎さんを仲直りさせるのよ!」
士朗「てかひさぴょんって誰だ?」
風間「再び幼稚園に平和を取り戻す為にもね」

サンダバーバラ接骨院

行田徳郎が帰宅の為勝手口から出て行った

徳郎「院長、お先に失礼します」
「お疲れ徳ちゃん」

待っていたかのようにそこには春日部防衛隊+α×4がいた

徳郎「やぁしんちゃん達」
ネネ「まつざか先生と仲直りして下さい」
風間「お願いします」
徳郎「その事か‥‥‥これは大人の問題だ、君達子供には関係無い!失敬」
ゼノ「取り付く島がないな」
しんのすけ「オラにお任せ」

帰り道の林道

途中に牛の頭骨が落ちていて、徳郎が拾おうとすると動いた

徳郎「えっ?!動いた?!動く骨だ!すげー」

勿論そんな筈は無い

しんのすけが釣り道具を用いて動かしたのだ

当然すぐバレた

徳郎「あっ君達のイタズラか!!コラ!!」
ゼノ「だから言ったんだ‥‥‥『絶対バレる』って‥‥‥」
風間「このまままつざか先生の所まで連れて行くなんて無理だよ」
崎「だけどさ」
士朗「何だ?」
崎「『これは大人の問題だ!』って言ってた割には『動く骨だ!すげーっ』って子供?」
勇丸「プッ」
士朗「ギャハハハハハ!確かに!」
勇丸「笑いすぎだ士朗‥‥‥ククククク‥‥‥」
徳郎「あからさまに笑われた方が遥かに救われるよ」

魚塚士朗、爆笑
久留米勇丸、苦笑
崎生破、二人の笑う様を見て顔が笑っている

数分後

崎や士朗笑うのを抑え本題へ入る(勇丸は既に笑うのを止めている)

徳郎「恥ずかしいけど実は喧嘩の理由は‥‥‥」

その場にいた全員に丁寧に説明する

偶然まつざかは通りかかり隠れて聞いている

士朗「まつざか先生短気だな‥‥‥恋人の事を理解していて」
ゼノ「どうしてそんなに骨好きになったんですか?」
徳郎「僕が小学生だったある日、木から落ちた僕は肩を脱臼して泣いていた」
崎「ここから回想シーンも入ります。ホワンホワンホワーン」
勇丸「話の腰を折るな」

そこへ1人の大学生が通りかかった
彼は僕に応急処置を施してくれた

「僕は柔道部員なので脱臼の手当てなら慣れっこさ」

しんのすけ「『おーきゅーしょち』って鞭と蝋燭を使うような?」
徳郎「使いません!」
ゼノ「応急処置の意味知ってる?」

その後僕はその人に送って貰いながら恐竜について面白い話を聞いた

「○○○ザウルスはね、×××なんだ」
徳郎「へぇー凄ーい」

大学生はポケットから骨を取り出した

「これはブタバナザウルスの恥骨の一部と思われる化石なんだけどブタバナザウルスが確かに実在したという決定的な証拠はまだ見つかってないんだ、だから僕はいつか必ずブタバナザウルスの化石を見付ける!これが僕の夢だ!そうだ、コレよかったら君にプレゼントするよ」
徳郎「ほんと?」

崎「回想シーン終了」
ゼノ「一々言わんでいいから」
しんのすけ「その後少年はその化石をTVの『なんでも鑑定団』に出し大儲け‥‥‥か」
徳郎「今でもちゃんと持ってます」

鞄からブタバナザウルスの化石を取り出す

マサオ「これが恐竜の化石か」
勇丸「色々な恐竜の全身骨格や爪とかの化石なら結構見た事あるがこれは初めてだ」
徳郎「その時の大学生に感銘を受けた僕はいつしか同じ道を進んでいた、恐竜や骨に関する本を読み漁り彼と同じ学問を学び同じ大学に進んだ」
士朗「『好きこそ物の上手なれ』ですね」
風間「その大学生の方とはその後は?」
徳郎「今その人は大学教授をする傍ら、恐竜の化石発掘チームのリーダーで僕もそこに入ってる」
まつざか(保根田教授‥‥‥)
徳郎「『ブタバナザウルスの化石を見付ける』、これが僕等のチームの夢なんだ!」
風間「男のromanですね」
崎「じゃあさ、ブタバナザウルスとアツゲショウザウルスどっちを取るの?」
ゼノ「アツゲショウザウルス?」
崎「まつざか先生の事ですよ」
他全「あーっ納得」
まつざか「誰がアツゲショウザウルスじゃガオーッ!」

まつざかはしんのすけ達の前に姿を現した

顔は蚊にくわれていた

全「うわーっ!」

翌日

アクション幼稚園

しんのすけ「一緒に豚の丸焼きごっこしない?」
風間「何が楽しいんだ?」
崎「山羊の丸焼きごっこならする」
ゼノ「どう違うんだ!」
崎「豚はイノシシ科で山羊はウシ科!」
ゼノ「同じ偶蹄目だろーが!」
崎「山羊は反芻するけど豚は反芻しない、よって豚の丸焼きごっこと山羊の丸焼きごっこは別物!」
ゼノ「こじつけじゃねーか!」


まつざか(先日は徳郎さんが骨好きになった理由を偶然知る事が出来た‥‥‥彼にとって骨は人生そのもの、そして夢なんだ、私はそれを理解してあげなくてはいけないんだ‥‥‥)

意を決して携帯を取り出し、番号をプッシュする

まつざか「よしっ徳郎さんに電話してデート中につまらない事で怒ってしまった事を謝ろう!」


時間はほんの少し遡る

徳郎の住むアパート

借りている部屋で徳郎は読書をしていた

徳郎「あーっもうせっかくの休みなのに読書にも集中出来ない。やはり梅さんとの事が中途半端になっているせいか?あーっ女性の扱いって難しいっめんどくせーよ!」

意を決して立ち上がり、電話へ向かう

徳郎「ウジウジしてても仕方ない!梅さんの携帯に電話してもう一度話し合おう!」

コール音がして電話を出る

徳郎「もしもし行田ですが‥‥‥」
『もしもし徳郎君!!今から会えないかね?ニュースだ!」
徳郎「教授‥‥‥」

徳郎の恩師、保値田教授だった

一方幼稚園

通話中なので当然かからない

まつざか「話し中か‥‥‥」
しんのすけ「徳郎さん他の女と話していたりして」
まつざか「まさか」
しんのすけ「ああ見えて週刊プレイボーイだったりして」
まつざか「いやあああっせめて週刊大衆でいてっ」

しんのすけの台詞で取り乱すまつざか

風間「どーゆー意味?」
しんのすけ「先生お元気出して」
まつざか「あんたのせいで凹んだわ」

まつざかはしゅんと落ち込み、しんのすけから離れた

ネネ「まつざか先生この頃元気ないね」
崎「病気かな?肺癌とか‥‥‥」
ゼノ「まだ仲直り出来ていないみたいね」

ボケを敢えて無視する

ボー「愁いに沈むまつざか先生って‥‥‥」
マサオ「なんか色っぽ可愛い‥‥‥」

崎を除く男子達は皆見惚れていた

まつざかがふらつくと一斉に寄ってきた

「大丈夫ですか?」
上尾「急にモテている、何故?」

茂みに隠れている上尾は不思議がっていた

それに不審に思ったゼノが上尾に対してごく当たり前の質問をする

ゼノ「‥‥‥何で茂みに隠れているんですか?」


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