トップ小説作成者・桜ダネネさん


夕方がやってきた。
いつもどおりのことだ。

「さようなら。みんな。」
「先生さようなら。」

私は園児を見送ると、職員室に向かった。
・・ところまでは覚えているのに、それがどうして・・・?


「ここは・・・どこなの?」
そう思わず口走っていた。誰も回りにいないのわかってるのに。
だから突然声がしたときは本当にびっくりしたわ。

「ここは島・・・みたいよ。よしなが先生?」
「ひっ!誰?!」
「私よ。まつざかよ。」
「・・・まつざか先生?!姿を見せてよ!どこにいるの?まつざか先生!」
「あなたも縛られてるの?よしなが先生。私も、このヤシの木に縛られてるのよ。」
「ま、まつざか先生もなの?」
「そう。だから私も波音が聞こえてきたからここが島じゃないかって思っ・・
・・・うっ・・・。」
「まつざか先生?!どうしたの?!」
「・・・。」
「まつざかせんせ・・・うっ!!!」

こうして再び私の意識は途切れた。

「あれえ?組長、今日、みどりはあ?」
「よしなが先生は、今日、お休みです。しんちゃんも良い子にしてね。」
「ふーん。」
「しんちゃん!かくれんぼしましょー。」
「ほーい!じゃっ組長!」
「はいはい。遊んでおいで。」
しんのすけ君はすぐに教室から出ていきました。
それにしても、よしなが先生もまつざか先生もどうしたんでしょう。
2人揃って無断欠勤だなんて・・・まさかなにかあったんじゃ・・・
もう一度あとで連絡してみましょうかね。あ、その前に上尾先生に
聞いてみますか。
私は上尾先生のいる職員室に戻ることにしました。

「上尾先生。ちょっとよろしいですか?」
「はっはい。な、なんでしょうか。」
「実は、今日、よしなが先生とまつざか先生、無断欠勤なんです。
なにか連絡を受けてませんか?」
「ええっ?!!そ、そうなんですか?!私、私・・・なんにも連絡受けてないです。本当です。信じてください!!」
「えっ、えっ、ちょっと、上尾先生!私はただ連絡を受けてないか聞いただけじゃないですか。なにか知ってるんですか?」
「ひいいい!すいませんすいません!私本当になにも知らないんです。」
上尾先生の必死な訴えにそれ以上聞けませんでした。なにかあったんだとしか思えません。しかし、どうすれば良いでしょうか。

「ネネちゃん見つけた!」
「もー風間くんがオニだとすぐ見つかっちゃってヤダー!」

「そうだ・・・そうですよ。あの子に頼めば・・・」

コンコン
「どうぞ。」
「失礼します。園長先生、どうしたんですか?話ってなんですか?」
「わざわざごめんね、風間くん。
今日、よしなが先生とまつざか先生お休みだったでしょう。実は、無断欠席なんですよ。それで、上尾先生に聞いても何かに怯えてるようで何も知らないの一点張りでして・・・電話をしてもつながらないので、私も先生方のおうちまで行こうと思ったんですが、子どもの方がなにか先生方が悩んでいた場合、話しやすいと思いましてねえ。今日、よしなが先生とまつざか先生のおうちに行ってみてくれませんか?」
「ええ!僕がですか?でも、今日、僕、塾があるんですよ。」
「そこをなんとか。実は、さっき電話があって、市長に呼ばれてしまいまして、3日後にならないと帰ってこれないんですよ。お願いしますよ風間くん。」
「・・・仕方ないなあ、わかりました。僕が様子を見てきますよ。」
「ありがとう。くれぐれも、しんのすけくんたちには内緒で。」
「そうですね、デリカシーのないやつらですから。じゃ、塾もあるので、失礼します!」

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