飼育用語辞典 飼育上で遭遇する様々な用語についてまとめてみました。
用   語 意   味
あ行
亜終齢 幼虫の成長段階のうち、2齢の時期のこと。2齢と同義語。
暴れる 幼虫が一カ所に留まらず、頻繁に移動して菌床を壊していく行為。もしくはフレーク内を頻繁に移動する行為。
1年1化型 幼虫の成長パターンのうち、孵化から羽化まで約1年を要し羽化後はすぐ野外活動を始めるもの。
1年1越型 幼虫の成長パターンのうち、孵化から羽化まで約1年を要し羽化後も蛹室内で越冬し翌夏活動するもの
居食い 幼虫があまり移動せず、ほぼ一カ所に留まってエサを食べる傾向のこと。
遺伝 親から子・孫に、体の体型や性質の伝わる現象。
羽化 蛹から脱皮(変態)して成虫になること。
羽化不全 羽化の過程で、何らかの要因によって脱皮に失敗し不完全な成虫になること。
エクボ 成虫の体に出来たくぼみのこと。
越冬 冬を越すことであり、冬眠とは違う。成虫、幼虫ともに朽ち木やマットの中でじっと耐えて春を待つ。
エノキ材 広葉樹の一つ。飼育、産卵材として抜群の効果があるといわれている。
オオヒラタケ 菌床飼育に使用されている代表的なキノコ菌。アワビタケという商品名で販売もされている。
オガコ、オガ 木を粉砕したもの。「オガコ」と表現する場合が多い。
か行
加温飼育 冬期などに温室などを使用して温める飼育法。
加湿 水分を与えて湿り気を与えること。
カワラタケ菌 幼虫を大型化させることが知られているキノコ菌。森林の中ではどこでも見かける。
活性状態 生き生きとした状態。菌糸が伸び盛りの状態にあること。
環境コントロール 幼虫が体内バクテリアや有用菌などを活用して自分の住みよい環境に変えたり維持すること。
菌床 オガコに添加剤を加え、人工的にキノコ菌を植菌させたもの。幼虫飼育の主流。
菌糸 キノコ菌から吹き出した糸状のもの。白系統の色のものが一般的である。
近親交配 同系、近親間で行われる交配。同じ種親から産まれた子供同士の交配などが該当する。
食い上がり 幼虫がフレークを食べながら、徐々にビンの上に移動してくること。菌床飼育の場合によく使われる。
朽ち木割採集 主に冬期に行う採集方法。幼虫や成虫の入っていそうな朽ち木を割って取り出す。
クヌギ材 産卵材として、また粉砕してフレークとして最も利用されている広葉樹の一つ。
牽制音 幼虫が足を擦りあわせて発する音。坑道が交錯しないよう、自分の所在を相手に知らせる為。
交尾 子孫を残すための行為。
広葉樹 幅が広く平たく表裏のある葉をつけている樹木。冬期に葉が全て落ちる落葉樹と年中葉を付けている常緑樹がある。
コナラ材 クヌギ材とならびシイタケ栽培に利用されている広葉樹。クヌギと比較して外皮は薄くもろい。
さ行
材飼育 広葉樹の朽ち木に幼虫を埋め込んで飼育する方法。最も自然の状態に近い飼育法である。
採卵 ♀に卵を産ませること。または卵を取り出すこと。
雑菌 雑多な菌のこと。オガを劣化させたりカビの原因となる。
里山 人里近くにある生活に結びついた山。主に広葉樹の群生した場所。多くの動植物の住処とされている。
皿木 ゼリーなどを固定しておくためのもの。一般に木材で作られているものが多い。
産地 生産地。オオクワガタが採集できる場所・土地。能勢、山梨、佐賀福岡県境が有名である。
産卵 卵を産み付けること。
産卵準備期間 産卵、交尾させる前に設ける期間のこと。例えば、越冬中の個体を温室に入れた場合、環境に慣れるには20〜30日の期間が必要とされている。また♀に高タンパクのエサを与えておくことも必要。
産卵痕 産卵のために材を削った痕跡。産卵しているのか否かの判断材料にもなる。
成虫の一つ前の段階。成虫の鋳型をしている。蛹の期間は♀で約20日、♂で約27日前後である。
産卵木 卵を産み付けさせる材。
三齢、3齢 幼虫の成長ステージの最終段階。最も大きく成長する。この次のステージは前蛹である。
酸欠 酸素不足となること。オガを堅く詰めすぎた場合や水分率の過大、フィルターが塞がれた場合などで発生する。特に、菌床飼育の場合に発生する事象である。
シイタケ菌 シイタケを出す菌である。市販の産卵飼育材のほとんどがシイタケ栽培に利用した材を扱っている。
死亡 死ぬこと。寿命が来て死亡したり、アクシデント等で死ぬこともある。
死亡率 孵化した幼虫が成虫になることなく途中で死亡する確率。もしくは成虫になってから死ぬ確率。
終齢 3齢と同義語である。
樹液 木の出す液のこと。一般にクヌギ、コナラ、エノキなどの落葉広葉樹が樹液を出す場合が多い。
樹液採集 樹液の出ている木に集まってくる昆虫を採集する方法。最も手軽な方法である。
樹洞 木のほら穴。昆虫の住処、隠れ家になる場合が多い。
寿命 命のある長さ。生きられる期間。オオクワ成虫は3年〜5年程度の寿命があるといわれる。
猩猩蝿 体長2〜2.5o、小型のハエである。家の中、台所で食物、傷んだ果実などに集まる。
食痕 幼虫が産卵木を食し掘り進むのにつれて出来る痕跡。材割り時はこれがあると楽である。
新成虫 羽化して1年以内の成虫のこと。多年生の昆虫を区別する際に使用される。
針葉樹 細く表裏のない葉を付ける樹木。杉や桧、松などが該当する。広葉樹と比較して雑虫が発生しにくい。
水分率 オガの容積に含まれる水分の量の程度を数字で表したもの。
スズメバチ 猛毒で刺されると死に至ることもある。晩夏〜秋にかけて最も攻撃的になる。黒いものに反応する傾向がある。
ステージ 幼虫、成虫の成長状態、段階、程度を表す。
成熟 体を構成する器官全てが十分に成長すること。 
生息地 生息している場所。オオクワが採れる場所のこと。
積算温度 基準温度からの増分、もしくは日々の温度を加算して算出する温度。植物では一般に知られている。
絶滅 死に絶えて一匹もこの世にいなくなること。
ゼリー 成虫用のエサである。人間が食べるゼリーと基本的には同じ性質のものである。
潜洞性 木の洞や穴などの中を好む性質、傾向があること。
た行
立ち枯れ 木が立ったままの状態で枯れること。
ダニ 成虫を飼育していると、自然発生したりケースの中に進入してくる。成虫に取り付くと駆除が必要である。
種親 繁殖のための♂♀。にどちらも大きいと子供も大きくなるといわれているが100%の根拠はない。
ディンプル 成虫の体に出来たくぼみのこと。エクボと同義で扱われることが多い。
添加剤 フレークの栄養を強化するために混ぜるもの。小麦粉やプロティンなどがある。
灯火採集 夜間に水銀灯や蛍光灯を灯し、飛んでくる昆虫を採集する方法。
倒木 倒れた木のこと。
トラップ採集 果実などを袋に入れた「仕掛け」を木に吊るし、集まってくる昆虫を採集する方法。
な行
内歯 大顎の内側にある1対の歯。小型種には見られないことが多い。
ナラ材 クヌギ材と同様産卵材として、また粉砕してフレークとして利用されている広葉樹の一つ。
2年1化型 幼虫の成長パターンのうち、孵化から羽化まで約2年を要し、羽化後はすぐ野外活動を始めるもの。
2年1越型 幼虫の成長パターンのうち、孵化から羽化まで約2年を要し、羽化後も蛹室内で越冬し翌夏活動するもの
二齢、2齢 幼虫の成長段階のうち、1齢の次の段階。この次が3齢となる。
登り木 成虫飼育ケースの中に入れる直径3〜5p程度の木。運動不足の解消?にもなる。
は行
培地 オオクワ飼育下では、菌床飼育で使用されているキノコ菌を培養させたオガのことを指す。
ハイブリッド オオクワ飼育下では、遠隔地の種同士を交配することを表している。
培養 微生物、生物組織などを人工的に発育・増殖させること。菌床の菌糸再生時などによく使われる表現。
歯型 ♂成虫の大顎の形状。特に内歯の位置により、大歯型・中歯型・小歯型に分けられる。
バクテリア 細菌のこと。オオクワ幼虫は複数のバクテリアと共存関係にあるとされている。
発酵 酵母・細菌類などの微生物が有機化合物を分解してアルコール類、有機酸類、炭酸ガスなどを生じる作用。
標本 防腐処理などを施し、個体やその一部を保存したもの。
微粒子 粉砕したオガクズの中で、特に細かく粉砕したものをいう。
フィルター オオクワ飼育下では、雑菌、ダニの進入を防ぐために空気孔に被せた紙類のことを指す。菌床ビンには必ず付いている。
孵化 卵から幼虫が誕生すること。
腐朽 朽ちて腐ること。
不凍液化 凍らない液のこと。幼虫は越冬中に体が凍らないよう、体液を不凍液化することが確認されている。
ブリード 家畜や植物の交配・繁殖を行うこと。
ブリーダー 家畜や植物の交配・繁殖を職業とする人。。
フレーク 細片。クワガタ飼育下では、広葉樹を粉砕したオガクズのことを指す。
フレーク飼育 フレークを詰めた容器に幼虫を入れ飼育する技法。
ブロー容器 幼虫飼育用の円筒形の飼育ケースのこと。
プラケース 主に成虫飼育用として利用される透明のケース。プラケと表現されることもある。
ペアリング お見合いのこと。♂♀を同じケース内に入れて飼育すること。
変態 卵から孵化した後、成体になるまで時期により種々の形態をとること。元の姿・形を変えること。
ホダ木 椎茸栽培に使用されている木材のこと。一般にクヌギ、コナラが多い。
ま行
蝮  本州、北海道に生息。体長60p前後の有毒蛇。全体に暗灰色で銭形斑がある。噛まれると出血、腫れを伴う場合が多い。噛まれた場合は早急に病院で手当・処置する必要がある。    
や行
ヤマカガシ 本州に生息。全長70p〜120pの有毒蛇。背面はオリーブ色。黒斑や紅斑がある。噛まれたら患部が腫れたり出血が止まらないこともある。噛まれた場合は早急に病院に行く。
有用菌 役に立つ菌。利用できる菌。
蛹化(ようか) 幼虫から変態して蛹に姿を変えること。
蛹室(ようしつ) さなぎになるために作る部屋。
ら行
乱獲 必要以上に(生き物を)取ること、採集すること。結果、生息数が減少して絶滅につながることが多い。
粒子 細かいつぶのこと。オガクズのつぶのこと。
累代飼育 代を重ねて飼育すること。親と子、孫と年を経て次々と繁殖させていくこと。
劣化 状態が悪くなること。菌床飼育下でよく聞く言葉である。
わ行
ワイルド 野生という意味。野外採集でゲットしたオオクワのことをワイルド、ワイルドオオクワと呼ぶ。