隠れたベストセラー『日本人の英語』の著者マーク・ピーターセン氏の『ニホン語、話せますか?』という本を読みました。
『日本人の英語』同様、ネイティブならではの英語考察、こぼれ話の目白押しで楽しく読めました。
中でも一番興味深く読んだのは映画『ローマの休日』のセリフからアン皇女と新聞記者のジョーが結ばれたのがわかると言う箇所です。
ふたりが川に飛び込んでびしょぬれになった後のジョーの部屋での会話からそれが明らかになるのだそうです。
その会話↓
ジョー:服だめになっちゃった?
アン:No, they will be dry in a minute.
私も、この場面いつもおかしいなと思って見てました。
というのも今濡れたばかりの服がそんなにすぐ乾くはずないと思ったのです。
ただし、深く追究することなく、いつも軽く流して見てました。
実は、ここはふたりが結ばれるには十分な時間があったという重要な暗示の場面だったのです。
1960年代後半前のハリウッド映画では性描写は禁句だったのだそうです。
その為、どうしても表現しなくてはならない場合は間接的に表現するしかなかったのだそうです。
残念なことに、この"they will be dry in a minute."は 『乾けば大丈夫よ』と誤訳されたため、日本語字幕で鑑賞した人には微妙な暗示を読み取る権利さえ与えられなかったのだそうです。
やはりアメリカ映画は英語で見なくては本当には楽しめないということですね。
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