読めて聴ける英語英語学習コラム何故映画が聞き取れないのか?

何故映画が聞き取れないのか?

このサイトではもう何度も引用させて頂いてますが、シアトルマリナーズの長谷川滋利氏の本によると、ハリウッド映画は10歳の子供でも理解できるように作られているのだそうです。それなのに日本人の英語学習者で映画を字幕無しで楽しんでいる人は非常に少ないのです。

考えられる原因は英語学習用に使用している教材がまずいのだと思うのです。私も海外ドラマを教材にするまでは利用していたのでよくわかりますが、書店などに並んでいる英語学習用の音声教材は以下のような特徴を持っているものが多いのです。

  • スピードが遅すぎる(ナチュラルスピードではない)
  • 文章に難しい単語や、口語表現、スラングなどが含まれていない。
  • 文法的に正しく、省略もない完全な文章だけどネイティブが普段使わない表現を含んでいる。
  • 英文の内容がアメリカの文化的背景知識がなくても理解できる内容である。
  • スタジオで録音されているので雑音とかが入らず、発音も明瞭にされている。
  • 訛りやアクセントなどない標準的な英語をしゃべる人が教材の英語を吹き込んでいる。

このような教材英語を何年聴いても映画は聞き取れるようにならないのは明白だと思います。

ここでアメリカの10歳の子供と、日本人の英語学習者の違いを考えてみたいと思います。赤ちゃんが母国語を習得するのと、成人が外国語を拾得するのは根本的に違うと主張している人が多いのは承知していますが、私はあえて、その考えに意義を唱えてみたいと思うのです。

1つ例を上げると、ご自分で子育てをしたことがある方(特に女性)なら心当たりがあるかと思いますが、赤ちゃんに言葉を話し掛ける時に、わざとゆっくりしゃべったり、手加減してしゃべったりしないと思うのです。赤ちゃんが理解しようがしまいが、かまわず普段使っている自然な日本語を浴びせ続けると思うのです。そして赤ちゃんはそうやって大量に生の日本語を耳から聞いただけで、段々言葉をしゃべるようになるのです。たぶん3歳くらいになれば、そこそこの会話ができるようになると思います。その間、母親は赤ちゃん用に加工された日本語の音声教材など聞かせないと思うのです。(実際そんな教材は見たことありません)

英語もまるっきり同じだと思うのです。アメリカ人の子供は自然に本物の生の英語を大量に聞いて育っているのです。

生の英語の環境で育った子供は10年なんて経たないうちに皆、アニメや映画など楽しんで見ることができるようになります。

一方、日本人の英語学習者は何故か生の英語には手を出さずに、書店で売っている、英語学習用に加工された教材英語を利用してしまう傾向にあるようなのです。その結果、教材で英語学習した大人は誰一人として映画が楽しめるようにならないのです。

だから日本人の英語学習者も子供と同じ時間だけ生の英語に接すれば、聞き取れるようになると思うのです。確かに英語のネイティブの子供のように綺麗な発音でしゃべれるようになるかは別問題だと思いますが、少なくとも聞き取れるようにはなると思うのです。

実際私は『教材英語』ではなく『海外ドラマ』を教材にして長年学習してきましたが、今では完璧ではありませんが、ドラマも映画も楽しめるようになりました。

よく『日本人は皆学校で英語を8年〜10年も習っているのに出来るようにならない』とおっしゃる方がいますが、この考えも根本的におかしいと思うのです。

学生時代の10年の間にどれだけ生の英語に接したかを考えるとこの説がおかしいことがわかると思います。

★結論★
映画が聞き取れるようにならない2つの理由

@生の英語を教材にしていない
A生の英語に接する時間が少なすぎる



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