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【読めて聴ける英語・雑記帳バックナンバー】 Vol.98
2009.09.30 何故、八ッ場(やんば)ダムは造ってはいけないのか?
■2009年09月30(水) 何故八ッ場ダムは造ってはいけないのか? |
昨日の雑記とちょっと重複するけど、すごく重要なことなので、今日も書かせて頂きます。
①単なる自然破壊である
八ッ場ダム建設予定地には、レッドデータに記載されている貴重な動植物が多く生息しています。
希少種のウサギコウモリ、ホンドモモンガ、絶滅危惧種のクマタカ、イヌワシ、などなどです。
また吾妻渓谷や、川原湯温泉をダムの底に沈めるのはあまりにも惜しいです。
動植物の住める生態系の豊かな森を切り開いてまで、ダムを造る意味があるのか?と思ってしまいます。
②八ッ場ダムの水は飲めない
下流の知事さんたちが、必死になって、中止した場合の、暫定水利権のことなどを訴えてますが、この水はとても飲料水になるようなものではありません。
農業用水にも適してません。
当然、水利権は、飲み水だけではありませんが、飲めない水しか貯まらないダムなのに、自民党のある議員さんの中に、今水が足りていても50年先のことを考えてダム建設は必要だとおっしゃった方もいました。
それどころか、強酸性の水が貯まるダムは、決壊する可能性が高くなるのだそうです。
強酸性の草津温泉の下流にあり、同じ水が流れ込んでいる吾妻川です。
私も以前、草津の温泉資料館みたいなところに行ったことありましたが、強酸性の水で実際に溶けた金属が展示されてました。
この強酸性の水を貯めるのが八ッ場ダムです。
年間、我々の税金10億円を使って、石灰を投入する中和作業をしていますが、例え酸性は中和されても、鉱毒水を除去するにはさらなる対策やお金が必要です。
完全に除去できるかどうかも疑問なのだそうです。
そんな水が首都圏の飲料水になる予定なのです。
首都圏に住む人は他人事ではありません。
ダム中止に怒りをあらわにしている知事さん達も、八ッ場ダムが出来たら、本当に、この鉱毒水を飲むのでしょうか?
③決壊の恐れがある
下流に住む地元の人でさえ、『ダムが出来なくて、水害が起こったら、中止した人はどう責任取るのだ』というようなことを言っている人がいますが、これは、全く反対なのです。
ダムが出来た方が下流域の人は危険にさらされます。
まず、八ッ場ダムの建設予定地は、全く、ダムを造るには適していない、地盤のもろい所です。
さらに吾妻川の強酸性の水を貯める為、コンクリートや鉄筋が腐食しやすいのです。
老朽化が進めば当然、決壊のリスクは他のダムより高くなります。
さらに、地滑りなどによって、オーバーフローする可能性もあるのだそうです。
そんなところに地元の住民は移転させられているのです。
私も、昨年、春、秋と二度に渡り、建設予定地の吾妻渓谷と、川原湯温泉を訪れました。
川原湯温泉は、山間のものすごい狭い辺鄙な場所にあります。
何故、こんなところに温泉街が広がっているかと言うと、昔の人は、賢くて、安全な場所に家を建てたのです。
ここ以外の場所は、地盤が悪いのを知っていたのです。
最近の日本は、人口が増えすぎたこともあってか、新しく家を建てる場合は、なりふりかまわず、どこにでも建てますが、昔の人は賢かったです。
本当に適した場所に家を建ててきました。
地元の住民は、地盤のしっかりしたところから、危ふい所に移転させられるのです。
さらに、ダム湖がオーバーフローする可能性もあるのです。
世界中で、杜撰な計画が原因で、ダム決壊事故が起きて、多くの下流民が亡くなってます。
八ッ場ダムほど杜撰な計画のダムはないでしょう。
④今後の建設費と完成後の維持費の問題
これだけでも、治水、利水の為に出来るダムではないことがよくわかると思います。
中には、7割完成しているのに中止する方が無駄だという意見もあります。
下流域のある知事さんも『ここまで造ったものを中止するなんて考えられない』とおっしゃいましたが、実際は、単に、関連工事も終わらなうちに、総予算の7割を使ってしまっただけで、実際の進捗状況は10%とも20%とも言われています。
今後、工事が進めば1兆円を超えるであろうと言う意見もあるほどです。
※
八ッ場ダムの総事業費は4600億円で、すでに本体工事の始まらない関連事業だけで、7割使ってしまったにすぎません。もし、ダム建設をこのまま続行した
ら、今後さらに予算が増えるのは避けられません。実際、最初の総事業費は2100億円だったが、すでに、2004年に予算が倍以上になりました。
さらに、このダムは、維持費がかなりかかります。
東電への減電補償も莫大な金額になります。
八ッ場ダムの出来る吾妻川水系には東京電力の発電所が14か所もあります。
ダムが出来れば、これまで通りには水が流れなくなるので当然、発電量は減ります。
また、今まで通りの発電を維持する為には、ダムに水を貯めることはできません。
いくらなんでも、水を貯められないダムを造るなんてことはありえないので、当然、東京電力に、減電補償金を払うことになります。
正確に言うと、永久に払い続けなくてはならなくなります。
さらに、②でもすでに述べた、中和作業のお金もかかります。
このお金誰が負担するのですか?
みんな我々が汗水たらして働いて稼いだお金です。
◇参考図書◇
今日の記事は、この本を参考に書かせて頂きました。
あなたは八ッ場ダムの水を飲めますか?―史上最悪のダムは中止を!
この本は今、アマゾンなどは品切れで買えないので、興味のある方は、あるかどうかわかりませんが、図書館等をチェックしてみて下さい。
また、中古本なら今なら在庫があります。
↓ ↓
あなたは八ッ場ダムの水を飲めますか?史上最悪のダムは中止を!
◇参考サイト◇
八ッ場ダム計画の問題点 八ッ場ダムについて流されている情報の誤りについて (八ッ場あしたの会)
【コメント】
私は、決して、ダム建設をすべて反対しているわけではありません。
日本には、我々の生活に役立っているダムも多くあります。
ただ、私は、この何の役にも立たない、八ッ場ダムの建設を反対しているのです。
例えば、本当にこのダムを造ることによって、下流に住む何万人もの人の命が守られるとか、飲み水が確保されるというのなら、造るのも仕方ないかとも思います。
ただし、八ッ場ダムは調べれば調べるほど、必要ないダムだということがわかってきます。
それどころか、どうも造った方が危険なダムという意見の方が正しそうなのです。
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■2009年09月29(火) 八ツ場ダムは絶対に中止すべきだ |
私は、普段、テレビはあまり見ません。
正確に言うと選んで見てます。
ニュースや、バラエティー番組などはほとんどみません。
見るのは、海外ドラマ、ドキュメンタリー、スポーツ、料理番組などです。
特にニュースを見ないのは、殺人などの暗いニュースが多いのと、本当のことが報道されてないからです。
今回、久々に、以前から関心のあった八ッ場ダム問題を扱ったニュースを見てしまいました。
すべてをみたわけではありませんが、恐ろしくなりました。
八ッ場ダム問題も、全く本当のことが報道されてないのです。
日本も北朝鮮とほとんど変りありません。
案の定、前原バッシング報道の後に、ある新聞社がアンケートをとったら、ダム推進派が過半数をしめました。
今度は、その偏ったアンケート結果をもとに、『ダムを造るのが民意だ』などと言ってブログを書いている人までいました。
あれだけ、偏った報道を連日連夜流せば、よく知らない人は、みな、地元の住民の為にも、ダムを造った方がいいと思ってしまいます。
本当は、地元の住民の為にも、下流域の住民の為にも、将来の日本の為にも、ダムは絶対に中止たほうが良いのです。
というか中止すべきです。(ダム建設と地元住民の保証は切り離して考えるべき問題です)
参考までに何故中止した方が良いのか、本当のことが書いてあるブログやホームページのリンク貼っておきます。
興味のある方は是非見て下さい。
というか、首都圏に住んでいる人は、この問題は、他人事ではありません。
このダムが出来れば、少なくともあなたの水道代はあがりますから。
◇参考リンク◇
①八ッ場ダム:天下りのあきれた構図
これが八ッ場ダムが建設される一番の理由です。
災害防止でも、飲み水確保でもないのです。
②八ッ場ダム 地元住民とは一体誰なんだ?
テレビで、「涙でダムが一杯になるほど泣いた」といった地元のおばさんが実は、ダム推進派の町会議員だったそうです。
ダムが出来れば、懐が潤む人たちです。 ☞ 参考サイト
完全にテレビ報道はやらせだったのです。
恐ろしいです。
③八ッ場ダム:失われるかけがえのないもの
私がダム建設を反対している最大の理由がこれ以上の自然破壊を止めたいと思っているからです。
目先のお金の問題ではないのです。
自然破壊の代償は計り知れないものがあります。
④八ッ場ダムと中和
八ッ場ダムが出来る、吾妻川はもともと、酸性が強くて魚の住める川ではないのです。
毎年10億円もかけて石灰を入れて中和しています。
そうしないと飲み水にならないのです。(というか、この中和の実態を詳しく調べたら、とてもこの水を飲料する気にはなれませんが・・・)
ダムが出来ても、この石灰を投入する作業を永久的に続けなくてはならないのだそうです。
こんな効率の悪くお金のかかるダムが、首都圏の飲み水確保の為にできるなんて、もう笑うちゃうしかありませんね。
めちゃくちゃにも程があります。
そこまでして私腹を肥やしたい人が多いということです。
◇関連サイト: 八ッ場ダム関連の石灰液注入現場を見学
八ッ場ダムが出来れば、我々は、この中途半端な中和水を飲まされるのです。
しかも水道代もあがります。
それでも八ッ場ダム必要ですか?
興味のある方は、ご自分のお住まいの自治体の八ッ場ダム完成後の水道事情をよく調べた方が良いと思います。
⑤天に唾する 群馬県の大沢知事
八ッ場ダムと同じ立場にある九州の川辺川ダムとの根本的な違いは、八ッ場ダムは地元の群馬県知事が推進派で、反対に川辺川は地元の熊本県知事が中止を表明しているところです。
もともと群馬県の大沢知事の家は建設会社経営です。
↓
http://oosawa-kensetsu.com/
建設会社の幹部が県知事になるような土地柄です。
熊本県とは状況が大分違います。
◇関連サイト: 誰も書かない八ッ場ダム 福田VS中曽根の戦
◇参考サイト◇
八ツ場ダムをストップさせる千葉の会
ダム日記2
天野礼子ホームページ
八ッ場あしたの会
もし、マスコミがこのようなサイトに書かれている本当のことを報道したら、新聞社のアンケート結果は全く反対になったと思います。
冒頭で、日本と北朝鮮はほとんど変りないと書きましたが、唯一違う点は、日本では、本人がちょっと努力すれば、真実を知ることができる点です。
上で紹介した、有意義なサイトを見ることが出来ます。
書籍も出版されています。
↓ ↓
①あなたは八ッ場ダムの水を飲めますか?―史上最悪のダムは中止を!
②八ッ場ダムは止まるか―首都圏最後の巨大ダム計画
③八ッ場ダム
ニュースを見るのは良いけれど、マスコミを単に信じるのではなくて、ちょっと疑いの目で見て、自分で調べてみるのが良いと思います。
せっかく、今度の選挙では、これまでの自民党のまずダムありきの政策に反対して、民主党に投票した人も多いと思います。
ここで、もし民主党がダム中止を撤回すれば、何の為の政権交代かわからなくなってしまいます。
それでも、八ッ場ダムは建設すべきだと思う人がいたら、実際にお金がどこに流れるのか調べてみると面白いと思います。
テレビで、必死に、ダム推進を訴えている人たちと一致すると思います。
利水や治水は単なる名目だということがよくわかります。
☞ 私が以前にこの雑記で書いた記事 川辺川ダムと八ッ場ダム
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