海の若大将

2年ぶりだぜ若大将!夏のしぶきを浴びて歌いまくるぜ 泳ぎまくるぜ!

データ
1965年8月8日封切[宝塚映画作品]
併映作品/フランケンシュタイン対地底怪獣(監督:本多猪四郎)
カラー/東宝スコープ/99分2710メートル/モノラル


スタッフ
製作:藤本真澄、寺本忠弘
脚本:田波靖男
監督:古澤憲吾

キャスト
田沼雄一・・・・・加山雄三
芦野澄子・・・・・星由里子
田沼久太郎・・・有島一郎
田沼リキ ・・・・・飯田蝶子
田沼照子・・・・・中真千子
石山新次郎・・・田中邦衛
江口   ・・・・・江原達怡

解説
黒澤明の「赤ひげ」撮影のため、2年ぶりに製作されたシリーズ第5作。監督は「ニッポン無責任時代」の古澤憲吾が初参加。
ダイナミックな演出による若大将はまさに体育系のノリ。本作より田波靖男が単独でシナリオを執筆している。加山の愛船「光進丸がスクリーンに初登場。今回のスポーツは水泳、クルージング、ダイビング。加山お得意のマリン・スポーツが登場。宝塚映画製作のため、京南大学や葉山マリーナも関西でロケーション。加山のオリジナル主題歌「恋は紅いバラ/君が好きだから」は30万枚を越える大ヒットとなった。寺内タケシとブルージーンズとの初競演により音楽もますます充実している。

楽曲リスト
・海の若大将(作詞/岩谷時子 作曲/広瀬健次郎)
・ブーメランベイビー(作詞 作曲/弾厚作)
・恋は紅いバラ(作詞/岩谷時子 作曲/弾厚作)
・君が好きだから(作詞/岩谷時子 作曲/弾厚作)
・お玉杓子は蛙の子(作詞/永田哲夫 作曲/東辰三)

音楽解説
「海の若大将」 主題歌はお馴染み広瀬健次郎の作曲。古澤監督らしいダイナミックなタイトル・バックにマッチした元気のいいナンバー。ラストのパーティーシーンで「挨拶は苦手な」若大将によってリプライズされる。
「ブーメランベイビー」 アマチュア無線で一人DJを楽しむ若大将がオープンリールのテレコで多重録音に挑戦したのがこの曲。ロカビリー調のアコースティック・バージョンだが、66年に発売されたLP「恋は紅いバラ」ではエレキ・アレンジが楽しめる。
「恋は紅いバラ」 前作「ハワイ―」の挿入歌だった「DEDICATED」に岩谷時子の日本詞をつけてリニューアル。弾厚作のオリジナルとしては初のレコード化となったシングルは30万枚を突破、東芝ヒット賞を受賞。メロディ、間奏に入るセリフなど「君といつまでも」の原型。青大将主催パーティーで「助太刀」した雄一が歌うシーンはレコードと同一音源。船上で澄子に歌う場面は映画オリジナル。
「君が好きだから」 全編英語詞の「マイ・ジプシー・ダンス」の日本詞バージョン。パーティーでは寺内タケシとブルージーンズをバックにしたがえ歌われるが、アレンジも寺内タケシによるものだ。
「お玉杓子は蛙の子」 教室で雄一がウクレレ片手に歌う、ハワイアン民謡。灰田勝彦が歌いヒットさせた。

青大将主催のパーティ「’64スイムを踊る会」での青大将使用のギターはZEN-ON ZES-1400D(全音初のソリッド・ギターが63年12月国内発売された3種類のソリッドの1本で、当時の日本のエレキとは一線を画したデザインが目をひく。アールデコ調のピックアップは、グレッチ風にアクリルのカバーを裏から塗装したもの。ネックは輸入積層材、指板はローズウッド。ボディはラワンであるボディ裏はピックガードと同じメタリックレッドに塗られている。価格は12000円。)また、寺内タケシとブルージーンズが演奏している曲は「バンドツアーのテーマ(原題)」である。

あらすじ
京南大水泳部のホープである雄一はある日、買出しに出かけたスーパーマーケットでレジスター係りの澄子と出会う。ある日、青大将主催のパーティ「’64スイムを踊る会」に招待された澄子は停電のアクシデントを救うため、ギター片手に歌う雄一に、ほのかな思いを寄せるのだった。級友江口と共に、カンニング見つかった雄一は停学処分に。さらに商科には籍を置かず航海学と水産学を内緒で勉強していた事が、父にバレて勘当される。若大将はこれを機に船に乗り込む事を決意。航海士として乗り込んだ光進丸の船長は何と青大将。出帆の日、雄一の妹と共に見送りに来ていた澄子はこっそり光進丸に乗り込む。船の行く手には台風が待ち受けていた・・・。

興行成績
推定番組配収:3億4400万円
推定入場人員:314万人


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