April.6,2003 第1週 祭りに咲いた恋心

        私は今までNHKで毎朝放映されている『連続テレビ小説』、いわゆる朝ドラなるものをまともに見たことがなかった。まともに見たことが無いというのは、画面を見ていなかったということ。ちょうど朝食どきに家族で食事をしながら見ているのだが、私が座る位置が、ちょうどテレビを背にしているので音声だけが聞えてくるという状態だった。あまり関心もなかったから、上の空で聞いていたのだが、ときどきテレビにツッコミを入れたくなるときがあった。ヘンなのだ、この朝のドラマは。今回、ある事情からこの朝ドラをちゃんと見てみようという気になって、こんなページを始めることになった。

3月31日
        初日のテレビドラマは忙しい。第1回放送分で、物語の骨格を総て出そうとするからあわただしくなってしまう。1時間もののドラマならまだしも、1回が15分では、主用な登場人物を全部出しても、その人がどういうキャラクターなのかまでは紹介しきれないようだ。

        舞台は浅草の老舗のうなぎ屋さん。三社祭りも近い。なぎら健壱とモト冬樹が、このうなぎ屋の玄関先に祭りの飾り付けに来る。店内はお昼時らしくて超満員。おかあさん役の伊藤蘭が外に出て来て、なぎら健壱らと話しているところにおばあさん役の岸恵子が寄合いから帰ってくる。お昼の忙しいときに寄合いに行っているというのは、あまり飲食店ではありえないとは思うのだが・・・(笑)

        伊藤蘭と岸恵子が「もう夏ね」なんて話して空を見上げると飛行機が飛んでいる。伊藤蘭が突然何かに気がつく。なぎら健壱が飾り付けをやっている台をモト冬樹が押さえているわけなのだが、これにびっくりしてモト冬樹が手を離してしまう。おさだまりのパターンでなぎら健壱が台から落ちる(笑)。

        このドラマの主人公こころ(中越典子)はスチュワーデス。目覚まし時計をいくつもかけているのに起きられない。この日も寝坊というわけ。主人公が寝坊して慌てて外に飛び出すというのは、ドラマの黄金のパターン。またなのね(笑)。それにしても、スチュワーデスが毎日寝坊するかね?(笑)

        タイトルが出る。ずいぶんと豪華な配役だ。最後の方まできたら、意外な名前が出てきた。三遊亭円龍、五明楼玉の輔。あらららら、噺家さんが出ているよ。ところが、そのまま最後まで見たのだがこのふたりの姿が見つからない。ビデオを最初から再生てみたら、タイトルが出る前、うなぎ屋の客としてほんの一瞬映った。もちろん台詞無し。エキストラとして出たわけじゃないだろうから、このあと常連客の役かなんかで、また出てくるのだろうか?

        「遅刻しちゃう」と、急いでいるはずなのに、玄関先で家族と長話。どうでもいいから早く行けよ。飛行機出ちゃうよ(笑)。浅草観音の前に差し掛かると、思い出したようにお堂に手を合わす。いいから、早く行けよ、遅刻しちゃうだろ(笑)。

        スチュワーデス仲間と医者のグルーブが合コン。中にパパイヤ鈴木がいる。パパイヤ鈴木は、どう見たって医者には見えない(笑)。

        こころの相手役、仲村トオルが登場。合コンに遅れてやってきた医者なのだが、ここであるキッカケで、こころがビールを仲村トオルに吹きかけてしまう。なんだか寝坊といい、相手役との出会いといい、少女マンガの出だしそっくりだなあ(笑)。

        気になってしょーがないのが、こころという呼び方。普通、心だとすれば、[ころ]と真中にアクセントがくる。それが[ころ]と頭にアクセントがくるから、どうもヘンな感じなのだ。トトロみたい。

4月1日
        こころが添乗している飛行機に仲村トオルが客として乗って来る。こころの同僚に仲村トオルが、「かけるものをください」と言うと、ハンガーを持ってくる。「そうじゃなくてかけるもの」と言うとペンを出す。「それはかけるものじゃなくて書くものだろう」と言うとメモ帖を出す。「飛行機でかけるものと言ったら毛布だろ」と怒り出す仲村トオル。ごもっとも、ごもっとも。漫才演っているんじゃないんだから(笑)。いかに新人のスチュワーデスという設定でも、これはないよなあ(笑)。

        その様子を見て、こころが仲村トオルに食って掛かる。「かけるものなら、ふりかけだって音楽だってあります」って、それはあまりにも屁理屈じゃないの(笑)。

        こころが誤って仲村トオルに飲み物をかけてしまう。タオルでも取りに行くのだろう、慌てて通路を走って、躓いて倒れてしまう。そして気絶。おいおい、スチュワーデスが飛行機内を走るなよ。しかも倒れて気絶って、そんなんでよくスチュワーデスになれたなあ(笑)。

        仲村トオルが介抱してあげて、途端にふたりの仲が良くなる。これも黄金のパターンだなあ(笑)。

        三社祭り。喧嘩が起こる。水をぶっかけて喧嘩を静めようとするこころたち。そこになぜか仲村トオルが。またもや仲村トオルずぶ濡れ。三回も水をかけられたことになるのだが、そんな偶然ってあるかなあ(笑)。

4月2日

        三社祭りの喧嘩で、モト冬樹が倒れる。中村トオルが助けて病院に連れていく。てっきり喧嘩で倒れたのかと思ったら、なんと脱水症状だった。まぎらわしいところで倒れないでね(笑)。

        モト冬樹は銭湯のオヤジさんだ。銭湯のオヤジさんが仕事ほったらかして神輿担いで脱水症状おこして倒れるなんて考えにくいが、まあいいか(笑)。

        オヤジさんが倒れちっゃたので、花火職人の阿部サダヲや、船宿の娘小池栄子らが銭湯の片付けを手伝っている。デッキブラシで床を磨いたりしたあと、「それじゃあ風呂に入っていってくれ」ということになる。おいおい、せっかく掃除したあとに風呂入っちゃってどうするの(笑)。

4月3日

        悪ガキが飛行機に乗っている。スチュワーデス・コールが鳴るので、こころが行ってみると、悪ガキが小さな声で何か言うので聞き取れない。耳を悪ガキの口元に持っていった途端に、悪ガキが大きな声で「わっ!」。こんなのいまどきの小学生だってひっかからないよ(笑)。

        おかあさん役の伊藤蘭が再婚のお見合いに行く。ところが相手がドタキャン。帰ってくる伊藤蘭がいるところで、「破れる、キャンセル、壊す」なんて言葉を言ってはいけないと相談がまとまる。これもパターンだなと思っていると、やっぱり。伊藤蘭が帰ってきた途端に店の者が、「予約がキャンセルになった」とか言ったり、食器を壊したり、果てはよろめいて伊藤蘭の着物に触れて破いてしまう。パターンとはいえ、もうミエミエじゃない?(笑)。お約束お約束。

4月4日

        パパイヤ鈴木がまた出ている。今度は病院の中。白衣を着ているのだが、どうしても医者に見えない。アフロヘアーでヒゲ面でデップリ太った医者ってやっぱりいないよ、絶対(笑)。

        岸恵子が卓袱台で一杯呑んでいる。卓袱台には冷やっこ。これには手をつけようとしない。「それじゃあ、あたしは寝るからね」と、卓袱台のものを出しっぱなしでいなくなってしまう。おーい、片付けてから寝ろよー。冷やっこ食べないなら出すなよー。ちゃんと冷蔵庫にしまいなさーい。腐っちゃうよー(笑)。

4月5日

        こころの家を訪ねてこようとしている仲村トオル。近くまで来たのだがどこだかわからない。携帯電話でこころに道を訊いている。「近くに何が見えますか?」 「浅草公会堂」 「じゃあ、そこにいてください。迎えに行きますから」 あのねえ、浅草公会堂が見えるからって、その近辺けっこう広いよ(笑)。

        仲村トオルはこのあとヘンな行動を取る。たまたま歩いて来た寺尾聰に道を訊くのだ。寺尾聰は実はこころの父なのだが、寺尾聰が連れて行ってあげると言うと一緒に歩き出してしまう。あのねえ、こころが、そこで待っていろというのだから待ってなさいよ。すれ違いになっちゃうじゃないの(笑)。


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