April.17,2003 第2週 夢追う男は危険な男?

4月7日
        なにゆえ朝ドラを毎朝キチンと見てみようかと思ったといえば、今年の始めごろ、明治座によく出ている役者さん石見榮英さんが久しぶりに店に顔を出し、「今、4月からのNHKの朝ドラに出ているんだよ」と言ったことからだった。石見さんの顔が毎朝見られるなら、見てもいいかなという気持ちになったのだった。その石見さんは1週目はついに出なかった。いつになったら出るのかなあと思っていたら、今週のはじめになってようやく登場。後半に町会の役員のひとりで出てきた。きょうはセリフ無し。

        とくにツッコミを入れたくなるところは無かったが、ちょっと面白いと思ったのが、こころ(中越典子)が、母(伊藤蘭)、祖母(岸恵子)と茶の間で話しているシーン。とにかく人が会って話しているシーンでは、何か食べながらということがやたらと多いのだか、この日は串に刺さった団子を食べながら話している。東京の団子は、ほとんどみたらし団子か餡子がついた団子。しかしここで食べているのは、甘辛いタレのついたみたらし団子ではなく、醤油で焼いただけの団子。いや、こういう団子が無いわけではない。築地の茂助だんごなども、この種類で美味しいのだが、あまり一般的ではない。タレがボトボトとたれると、画面的にきれいじゃないから、こんな団子にしたんだろうなあと思う(笑)。私はボタボタとタレが落ちるのと闘いながら食べる、みたらし団子の方が好きだし、浅草でも、みたらしが一般的だと思うんだがなあ。

4月8日
        浅草に診療所を建てたいと思っている医師(仲村トオル)が、町会の許可を取ろうと、こころのうなぎ屋の二階に集まっている町会の会合に出席して演説する。当初はよそ者に警戒心を抱いていた役員たちも、仲村トオルの熱弁に感動し、許可を与える。それを聞いて喜んだ岸恵子が、「きょうは店のおごりだ」と、酒や料理を出してお祝いする。それを見て、伊藤蘭のふくれっツラ。あのさあ、会合での飲食費なんて町会費から出るのは当たり前だよ(笑)。

4月9日
        診療所を出すために、信用金庫と融資の話しが決定している。この信用金庫の係が、こころの友人でもある銭湯の娘(羽田実加)の亭主(東貴博)。ところが、突然に上の方からこの融資は、別のところに融資することに決まったので、無かったことにしてくれと言われる。そんなあ、一度決まってたことを、余所の融資に回すから無かったことにしてくれなんて、それこそ信用問題だよ(笑)。

4月10日
        こころが、うなぎの出前に行く。その持ち方がヘンなのだ。左手の肘から先を突き出して、手首との間に大きな風呂敷包みに入ったうな重の箱を乗せる。すごく不安定な気がするのは私だけか。落とすなよー。しかも、右手にはお吸い物が入っているらしいポットを持っている。こうなると両手がふさがってしまうことになって、危険なばかりでなく不便だ。ドアも開けられないし、エレベーターのボタンも押せない(笑)。ちなみに私の近所のうなぎ屋は手提げの籠に入れて運んでいる。こっちの方が運びやすいよー(笑)。

4月11日
        うなぎ屋のテーブルにほおずき市のほおずきがズラリと乗っている。その数10個。ほおずき市のほおずきとは、ほおずきの鉢植えに風鈴をつけたもの。軒先に吊るしていたりする。どうしたんだろうと思ったら、常連客のみなさんが持ってきてくれたんだそうな。そんなあーーーー。出入りの業者が持ってきたのならともかく、常連客が10人も、そんなものを届けるとは思えないけどなあ(笑)。だいたいどうするの、そんなにほおやずき貰って。普通、迷惑だよな。常連さんに貰ったものだから店先あたりに置いておかなければ、くれた常連さんに悪いだろうし、そんなもの全部置いたらタイヘンなことになっちゃうよ(笑)。

        仲村トオルには女がいるのではないかと疑いだす。こころの友達で船宿の娘(小池栄子)が、ヘンなことを言い出す。ほうずき市でほうずきを買ってきて、仲村トオルにひとつ選ばせてみようと言うのである。青の風鈴のついたものを選んだら女はいない、赤の風鈴がついたものを選んだら女がいる証拠だというのである。どうして? どうしたらそういう根拠になるの? わかんねえなあ。しかも買ってきたのは赤と青以外にも、黄色と緑もある。この4種類の中から選べと言われたら、黄色を選ぶ可能性もあるわけで、そうしたらどうするの?(笑)。

4月12日
        仲村トオルが赤の風鈴を選んだことから、どうも女がいるらしいと悩むこころ。隅田川のテラスで物憂げな表情で階段に座っている。すると、隣にやはり何か思いつめた表情で座っている制服姿の女子中学生がいる。やがて決心したように川に向って走っていく。身投げかと、こころが必死に止めに入る。ところが、これが自殺ではなく川に父親との待ち合わせの場所を記した地図を落としてしまったので、それを取りに行こうとしていたのがわかる。いまどき川に飛び込んで自殺する人なんていないだろうになあ。しかも、高い橋の上からではなく、テラスのとこだよ。季節はほうずき市のころだから7月も中旬。ほうずき市って四万六千日様でしょ。桂文楽の『船徳』の出だしにあるように、「四万六千日。お暑い盛りでございます」だよ。真冬の川ならともかく、この時期、そんなことじゃあ死ねないって! カナヅチならともかく(笑)。


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