映画と関係ないページ

長い物に巻かれた

考えた時期:2003年3月

続き

さていよいよ本題。暫く日本に行っておらず、行っても西友、セブンイレブンなど一般のスーパーしか覗かないので、日本事情がどうなっているのか分かりません。もしかしたらこの話「なんだ、そんなの知ってるよ」となるかも知れません。ま、その辺は仕方ないとして・・・書き進みます。

ベルリンにラーメン屋というのが無いので食べたくなると日本で避けていたインスタント・ラーメンに頼らざるを得ないということも起きて来ます。ニューヨークに札幌ラーメンができたなどというニュースを聞いたので、いずれベルリンにも来るだろうと待っていましたが、ベルリンには寿司屋の方が先にできてしまい、ラーメン屋はできません。聞くところによると林家木久蔵がスペインにお店を出したそうですが(本当の話なのか、落語のネタなのかは不明)、ベルリンには来ませんでした。というわけで食料品店へ。

アジア系の食料品店というのも来た当初は少なく、日本の商品を専門に置いている店は学生の身には恐ろしく高かったので、じき足が遠のいてしまいました。大分してから町の目抜き通りに東南アジア系の店ができました。ちらほらあった中国食料品店に比べ規模が大きく、値段が安く、バラエティーに富んでいるので時々顔を出すようになりました。そこで見たのがインスタント・ラーメン。結構安いのです。それでいくつか買ってみました。それほどいい味ではなく、日本でも初期にはこういうのがあったかなあと思いました。この店はその後豆腐、生野菜なども売るようになり、どんどん品数が増えて行くので、時々行っていました。

するといつの頃からか、いわゆる日本式のラーメンでなく、トムヤムクムの味のするラーメンとか、ラーメンでなく、はるさめのようなヌードル、米粉など、日本では見たこともないような物を売り始めました。作っている会社は主に東南アジア系ですが、1度は明星食品が海外から出しているらしいものも見かけました。これはおもしろい!というわけで、その後少しずつ売っている物を試してみるようになりました。値段が安いというのも魅力です。ユーロに変わる前ですが 65 ペニヒとか 80 ペニヒといった値段で、円が高くなっている時期の換算ですと 50 円行くか行かないかというような値段。グルタミン酸ソーダの使い過ぎかと思えるような物もあり、これを毎日食べるという気にはなりませんが、その前に試した物と比べるととてもおもしろい味がします。もっぱら東南アジア系ですが時たま韓国製品も入り、キムチの味のするスープなども試しました。

最初は乾いたインスタント・ヌードルばかり売っていたのですが、そのうちに韓国製のうどんを売るようにもなりました。半分茹でたような感じのうどんを密封してあり、横っちょに2つスープが入っています。1つはワカメ、ねぎ、かまぼこなどのみじん切りを乾燥させた物、もう1つは赤いスープで、日本のうどんスープに七味唐辛子を入れ過ぎたような味がします。これが意外な味で、おいしいです。

悪乗りついでに私はこの店で生のコリアンダーを買い(トムヤムクムの材料になるものは全部この店で手に入ります)、それと葱を刻んでスープに入れてみました。韓国の人は怒るでしょうが、おいしいです。特にこれで久しぶりにうどんが食べられるので大喜び。

後記: 残念ながら後に問題発生。買ったうどんが腐っていたので、店に行ったらすぐ取り換えてくれました。ところがそれもまた腐っていたのです。2、3度取り換えてもらいました。店はそのたびに新しいダンボールから新しいのを出してくれたのにこの有様。店の人も返金する方を選びました。味が他より良かっただけに残念です。実は私はいずれダンボールごと買うつもりにしていたのです。乾いたヌードルに比べ長く持たないのでしょう。海外に持って来ると生産から消費までの時間が長いですからね。

元々は厳密な和食の麺類を好んでいたのですが、冒険を始めてからはエスカレートするばかりです。比較的気に入っているのがトムヤムクムの味のするラーメンで、スパイスの効き具合を象徴するような赤い袋に入っています。悪乗りしてこの間大きなダンボールに1箱買って帰りました。30個入っていて、ただでさえ安目の値段なのに、さらに値引きしてくれました。こんなに買ったからけっこう持つだろうと思っていましたが、あっという間に空。朝「今日は食べない」と決心してから起きないと、朝っぱらから手が出てしまい、日に2食などという危険な事にもなってしまいます。大学時代の友達もラーメンが好きだったなあとふと思うこともあります。・・・いえ、行けません、そんな事を考えては。あれはあくまでも補助的な食べ物。忙しい時に食べるものです。カロリーはあるが、ビタミン他の栄養になるものが不足しているから他に何か補う方がいいとか、塩分が多過ぎるから気をつけるようにと普通の辞書にも書いてあります。

しかしインスタント・ヌードルがもう日本だけのものではなく、箸を使うアジア人だけのものでなく、さまざまなバリエーションができ、1つの文化を作っていることは確かです。上に書いた東南アジア系の食料品店で売っているのと同じ物が歩いて僅かな距離にある大きなドイツのスーパーにもありました。

後記: 2005年3月現在ではトルコ人やアラビア人が行く食料品店にも置くようになっています。

この後どこへいきますか?     次の記事へ     前の記事へ     目次     映画のリスト     映画以外の話題     暴走機関車映画の表紙     暴走機関車のホームページ