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チョコレートは苦い /
Bitter, bitter...

話を知った時期:2004年1月

チョコレートを見た時あまり出来のいい作品に思えなかったのですが、オスカーを貰ってしまい驚いたことがあります。ところがああいう作品でもある程度南部の情報が伝わって来るという意味では、無いよりはあった方がいいかと改めて考え始めています。

実は今日ニュースを見ていて驚いたのです。グラディス・ナイト、レイ・チャールズのジョージア州で判決があり、白人の、事件当時15才の少女と性的関係を持った黒人の18才の少年が禁固10年になりそうなのです。2人は恋人で、関係をした時に少女が怪我をしたため通報されて事が公になり、少年は逮捕。陪審が有罪を決定したから起きたことなのですが、陪審は有罪の場合10年の刑になるとは知らなかったそうです。陪審の役目は「本件で被告は有罪か無罪か」を決めるだけ。後で判事が量刑を決めるシステムだそうです。検察側は大いに乗り気、弁護側は時代錯誤だと裁判の後も議論になっています。婦女暴行など犯罪性はないという事は裁判でも認められているので余計部外者の私には不思議に思えます。

事件の起きた町は白人が多数派で、人種差別をする人もまだおり、少女の父親もその1人。それで隠れて会っていたようなのです。怪我をしたので学校のカウンセラーに相談したら警察に通報されてしまったとのこと。カウンセラーが少女に通報するように勧めたのではなく、大人の判断でいきなりだったようです。

不幸な家庭の出で、両親とは小さい頃別れ、白人のリトル・リーグの監督に育てられた、成績の良い、奨学金が約束され、名門大学進学が決まっていた黒人少年が事件に巻きこまれ、タイタンズを忘れないチョコレートを混ぜ合わせながら報道を読んだ私は考えてしまいました。片や当事者同士の話し合いで解決のつく問題を告訴に持ち込み黒人少年の将来をめちゃくちゃにする人がいるのに、もう一方では彼の恋人になる白人少女がいて、我が子のように大切に少年を育てた白人の監督がいるのです。同じ町にこういう2種類の白人が住んでいる。この少年、あと暫くで判決。有罪判決が出ているので、量刑が少なくなっても大学や奨学金はだめでしょう。この少年が成績優秀、名門校でなくてもひどい話ですが、つい「これは映画になる」と思ってしまいました。

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