映画のページ
2006 USA 104 Min. 劇映画
出演者
Ian McKellen
(Eric Lensherr/Magneto - 鉄を引きつける男、人類支配を目指す)
Rebecca Romijn
(Raven Darkholme/Mystique - 美女、変幻自在神秘の女、マグニートの腹心の部下)
Patrick Stewart
(Professor Charles Xavier - 思慮深い男、テレパシーの達人、ミュータント・スクールの校長、人類との共存派)
Famke Janssen
(Dr. Jean Grey/Phoenix - 再生する女)
Haley Ramm
(Jean Grey、子供時代)
Adrian Hough
(Grey - ジーンの父親、魔法の力は無い)
Desiree Zurowski
(Grey - ジーンの母親、魔法の力は無い)
Hugh Jackman
(Logan/Wolverine - 狼男)
Halle Berry
(Ororo Munroe/Storm - 嵐を呼ぶ女)
Anna Paquin
(Marie/Rogue)
Donna Goodhand
(Rogue の母親)
Kelsey Grammer
(Dr. Hank McCoy/Beast - 野獣、ミュータント大使、天才学者)
Tanya Newbould
(マッコイの助手)
James Marsden
(Scott Summers/Cyclops - 目の鋭い男、元ミュータントのリーダー)
Shawn Ashmore
(Bobby Drake/Iceman - 冷たい男)
Daniel Cudmore
(Peter Rasputin/Colossus - 金属に変身する男)
Aaron Stanford
(John Allerdyce/Pyro - 熱い男、マグニートの部下)
Vinnie Jones
(Cain Marko/Juggernaut - 乱暴な男、マグニートの部下)
Ben Foster
(Warren Worthington III - 天使)
Cayden Boyd
(Warren Worthington III - 天使、子供時代)
Michael Murphy
(Warren Worthington II - ウォレンの父親、魔法の力は無い)
Josef Sommer
(米国大統領)
Eric Dane
(分裂気味の男)
Dania Ramirez
(Callisto - マグニートの部下)
Omahyra
(Arclight - マグニートの部下)
Ken Leung
(Kid Omega - マグニートの部下)
Vince Murdocco
(Omega Red - マグニートの部下)
Bill Duke
(Trask - ミュータント皆殺しの研究をする科学者)
見た時期:2006年5月
ファンタが開催されますので、私の関心はそちらに向いてしまいます。ファンタの最新情報はファンタのページに随時書き加えて行きます。こちらには平時(!?)に見た作品をいつものペースで行きます。オカルト、ホラー、超能力路線は今回で暫く打ち止め。次回はどの分野に分類したらいいのか分かり難い犯罪物を出す予定です。
3作目だからダメなのか、監督が変わったからダメなのか、期待し過ぎたのが行けなかったのか、いずれにしろ失望しました。
ストーリーはアホらしくて、頭を全然使わなくてもいいのですが、それは原作がそういう風になっているから監督の責任ではありません。その事を頭に置いて今考えると、ブライアン・シンガーは健闘していました。ブレット・ラトナーの作品を見てから思い起こすと、シンガーのX−メンには艶があり、シーンのどこかを思い出すと、絵になっていたなあと思うのです。
シンガーを知ったのは画面はさほどでもなかったけれど、頭脳で圧倒されたユージュアル・サスペクツ。その彼が脳みそが居眠りしても見ていられる作品を作ったので驚きましたが、監督業でご飯を食べている人間としては違うジャンルに挑戦してみたかったのだろうと思っていました。シンガーは写真などを見ると非常に頭が切れる人という印象を受けます。
そのシンガーが親友のラトナーと麻雀をしていて、いえ、違いました、ポーカーをしていて、X−メン:ファイナルディシジョンの監督の仕事を賭けたらしいのです。ラトナーが勝ったからX−メン:ファイナルディシジョンの仕事がラトナーに行ったのか、シンガーが降りたくて、賭けに勝ったからX−メン:ファイナルディシジョンから足抜きができたのか、その辺はよく分かりませんが、2人が親友だというのと、ポーカーをやったという点だけは本当のようです。本当にそのために仕事を取り替えたのかは分かりません。偶然にしろ何にしろ、ラトナーがやることになっていたスーパーマン リターンズがシンガーの手に、シンガーがやることになっていたX−メン:ファイナルディシジョンがラトナーの手に入ったのは事実だそうです。
X−メン:ファイナルディシジョンではミュータントを常人に変える薬が発明されて、ミュータントがそれを飲むかどうかという問題が中心になります。前2作を見ると分かりますが、常人と超能力を持ったミュータントが対立する立場に立っていて、アメリカ合衆国の中で揉めています。1作目では常人対ミュータントの対立に加え、ミュータントの中で2つの考え方が対立していたため、マグニートと呼ばれる超人、何でも見抜いてしまうチャールズ・ザビエルをそれぞれ親分に仰ぎ、グループが対決します。
X2ではそこにさらなる問題が起きるため、マグニートとザビエルの対立は暫くお預けで、さらなる敵に対して共同戦線を張ります。
X−メン:ファイナルディシジョンではまた1作目と同じ構図になりますが、常人が《ミュータントを常人に変える薬》を作ってしまったので、個々のミュータントがその薬を飲むか飲まないかで悩むという問題が起きます。
そこへ死んだはずのジーンが生還し、かつて彼女を好いていたスコットを片付け、次にザビエルも片付け、最後にウルヴァリンとの対決になります。ジーンは元々ザビエルの腹心の部下だったので、これは意外な展開と言えるでしょう。生き返ってみたら敵になっていたのです。
ザビエルが経営している寄宿学校には若いミュータントがどんどん入学していて、次の世代が育っています。ザビエルはまだ健在な時に「自分の次は君がやってくれ」とオロロ・モンローに後を託したりもします。
前作ではミュータントたちが常人と比べ圧倒的な力を持っているのに、みな根深い被害者意識を持って固まっている理由がよく理解できなかったのですが、今度は更に分かり難くなります。ザビエルは超能力を持った自分たちが常人と平行して仲良く生きて行くという思想を持っていました。それに対し、マグニートは人類は劣っていると考える反面、人類を全部ミュータントにしてしまおうという考えも持っていました。(一応悪人として描かれているマグニートですが、彼の思い通りになると、結果として皆が超能力を持って平等になるわけです。ですから全人類の能力が格段に上がります。どの考え方がいいかなあ。)
X−メン:ファイナルディシジョンでは常人の方が名乗り出て「薬ができた、君たちも全員常人になれば・・・」と持ちかけます。そこへハル・ベリーのオロロ・モンローが出て来て「自分たちが超能力を持っていることは病気でも何でも無い、これでいいんだ」とアイデンティティーの主張をします。「これでいいんだ」はそれでいいですが、それなら被害者意識は捨てたらどうなんでしょうね、あんたたちの方が圧倒的に強いんだからと着流しでギターを奏でながら突っ込みを入れたくなってしまうのですが。
X−メン:ファイナルディシジョンの本体は新薬ですが、横のエピソードとして、ミスティックが常人になってしまうシーン、ジーンがフェニックスとして蘇るエピソード、友達に手を触れることができずに絶望するルーグのエピソードなどが盛り込まれています。
ミスティックはマグニートの忠実な部下でマグニートを救うために自分の身を犠牲にするのですが、マグニートは「ミュータントでないのなら用は無い」とさっさと放り出してしまいます。私はこの青い美女のファンでしたので、このシーンは泣けます。
ジーンを演じるファムケ・ヤンゼンとミスティックのロメーンはオランダ人。ヤンゼンはオランダ生まれのオランダ人、ロメーンは両親がオランダ人のアメリカ人です。2人とも180センチで、並ぶと壮観だと思いますが、2人が同時に出るシーンは見ませんでした。ヤンゼンは3作目では立って睨んでいるだけで、演技はしません。物凄く睨むと物凄くエネルギーが出るということらしく、付近の物は吹っ飛び、後にザビエルも吹っ飛ばしてしまいます。
最後には、ヤンゼンのフェニックスがウルヴァリンに殺され、マグニートがウルヴァリンに薬で刺されて常人になってしまいます。これで大物はいなくなります。これでめでたいか、はて?
ラトナーは観客が飽きる前の退場を望んでいるらしく、「X−メンの4作目は作らない」などと賢い事を言っています。その代わりにヒュー・ジャックマンなど1部の登場超人を主人公にしたスピン・オフを計画しているようです。私もその方が確実な収益を挙げることができるのではないかと思います。全員のアンサンブルにすると、間もなくネタが尽きてしまいます。
この後どこへいきますか? 次の記事へ 前の記事へ 目次 映画のリスト 映画以外の話題 暴走機関車映画の表紙 暴走機関車のホームページ