April.27,2004 ハナミズキの鉢植え

4月11日 一青窈 Live Tour 2004 〜てとしゃん〜 (NHKホール)

今日わずらい
翡翠
心変わり
いろはもみじ
夢なかば
面影モダン
金魚すくい
江戸ポルカ
音木箱
年々歳歳
あこるでぃおん
月天心
イマドコ

もらい泣き
アリガ十々

アンコール1
一思案
ハナミズキ

アンコール2
望春風

        一青窈(ひととよう)という歌手の存在は知っていた。『もらい泣き』という曲はラジオなどからよく聞こえてきたから頭に残っていた。しかし、CDを買おうとか、ましてやライヴを観に行こうとかは思いもしなかった。CDを買いたいと思ったのは、昨年の東京ファンタスティック映画祭でのクロージング上映『バレット・モンク』に行ったら、一青窈が出てきて、会のテーマソングとなった『江戸ポルカ』を歌っていたとき。へえー、こんなポップな曲を歌う人なのかと思った。以来、CDとDVDを買ってすっかり聴き込んでしまう私がいた。てなわけで、ライヴのチケットも買って、恐る恐る観に行った。

        どんな客層なのかと思ったら、当然若い男女も多いが、案外、年長者の姿も見られて、ファン層は広いようだ。

        バックバンドは、キーボード2、ギター、ベース、ドラムス、パーカッションの6人。舞台に池が作られ噴水から水が出ている。静かに『今日わずらい』で始まった。一青窈という人の言葉感覚というのは妙な面白さがある。『今日わずらい』のサビ「♪ほったらかしにしないでないで」は、本来なら「ほったらかしにしないで、しないで」となるところなのだろうが、これを結合してしまう。すると、リズム感が出るだけでなく、言葉としても面白くなる。

        もうどの曲をとっても、そんな言葉遊びの面白さに満ちている楽曲ばかりなのでキリがないから全部は書かないが、4曲目の『いろはもみじ』なんかも、語呂合わせの面白さだ。「♪いろはもみじ にほへもみじ」と来るからたまんない。久しぶりに歌詞が面白い歌手が出てきたなあと思う。

        7曲目。DVDで観て、『金魚すくい』はフリをつけて会場中で踊るというのは知っていた。本人からフリの説明があって、会場中でお稽古。ノリのいい曲に、一度聴くと忘れられない不思議な言語感覚を持った歌詞。ついついフリにあわせて身体を動かしていた。

        8曲目で一番ノリのいい『江戸ポルカ』。「♪手々と てとてとしゃん けれどもっと てとしゃん」と手を猫のようにして踊るものだから、私には「♪けれどもっと ねこしゃん」と聴こえちゃうのだよ。

        9曲目『音木箱』でバックバンドが前に出てきて、いわばアコースティック・コーナー。

        11曲目の『あこるでぃおん』からは、ファースト・アルバムのいわば耳慣れた曲が並ぶ。『月天心』、『イマドコ』、『犬』、『もらい泣き』、『ありが十々』。このへんの曲順の並べ方も憎い。

        アンコールで『一思案』、『ハナミズキ』。このツアー千秋楽では、一青窈からお客さん全員にプレゼントがあった。ハナミズキの苗を配ってくれると言うのだ。

        出口でハナミズキを受け取る。渋谷の街に緑色のビニール袋に入れられたハナミズキが散っていく。東京中のいたるところに、ハナミズキの苗が散っていく。私もベランダに置いた。うまく育てば、来年の今頃には花が咲いているだろう。



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