October.13,2008 もうひとつのブルースのお祭

10月5日 P‐Vine Blues Festival (九段会館)

        今年はM&Iカンパニーのジャパン・ブルースカーニバルが無かったので、寂しいなあと思っていたら、Pヴァイン・レコードと雑誌『ブルース&ソウル・レコード』の主催でライブがあるという。別に6500円のチケット代を払うのに躊躇していたわけではないのだが、期日が迫っていたというのになぜかチケットを買わないでいたら、招待が舞い込んできた。

        開演一時間前にチケット引き換えが始まるというので、ジャストに九段会館に着いてみれば、もう長蛇の列が出来ていた。チケットを受け取って中に入ると目の前にPヴァインのブースがあってCDを売っている。福袋が5000円で売られていて、かなりの量のCDが入っている感じ。どうしようかなあと迷ったのだが、しばらくして戻ってみたら売り切れていた。売店ではアルコール類も売られていて私もビールを一缶。

        開演時間が近づいたので席に着いてみれば、そこはミキサー席の後。なるほど、普通は売らない席だ。第一部は有山じゅんじと上田正樹。私の席からはちょうどミキサーの機材が積みあがっていてステージが見えない。有山じゅんじの姿はかろうじて見えるのだが、上田正樹はまったく見えない。まいったなあと思ったが無料招待では文句も言えない。『ぼちぼちいこか’08』からのナンバーを披露。『あこがれの北新地』や『梅田から難波まで』なんて、ここは東京でっせ(笑)。『俺の借金全部でなんぼや』の計算をようやく有山じゅんじができたと言えば、上田正樹はそんなの考えた事もないとのやりとりに、うふふ。途中で金子マリが1曲加わる。

        司会はKOTEZ。ブルース・カーニバルの後藤ゆうぞうは次のセッティングまで時間を繋ぐという役割をしていたが、主催者側の趣旨なのかそういうことはせずに20分の休憩が入る。それでもかまわないのだけど、せっかくKOTEZを司会にしたならばハープを吹いてもらいたかったところ。そしてもう少し場を盛り上げるトークがあってもよかったんではないか。

        第二部が始まるので席に戻ったらば目の前に積み上げられていた機材がひとつどかされていて、これでステージが観られるようになった。助かった。第二部はPistol Peat。スリーピース・バンドでブルースというよりはロック。しかもJimi Hendrixきどり。2曲目でいきなり歯でギターを弾いたかと思うと、背中に回して弾くなんて誰でもやっていることはお茶の子さいさい、尻で弾く、左手にタオルを絡ませて弾く(?)、果ては左で弾きながら右手はペットボトルの飲料水を一気飲みって、わけわかんない。Voodoo Chileの途中にアメリカ国歌を挟むところなんて、まさにジミヘンかぶれというしかない(笑)。まっ、いいけどね。

        第三部はWillie Walker & Butanes。ギター、ベース、ドラムス、キーボード、テナー・サックスのバックバンドの演奏が始まると舞台下手から登場したWillie Walker。えっ! ちっちゃい! 背の低いハンチングを被った男。これは意外だった。しかも写真で見たよりも老けている感じ。ところが歌い始めるとびっくり。ソウルフルな歌声はさすがで、これにはしびれた。バックのバンドがまたいい。どうもサウスポーのギターがバンマスらしくて、ギターから入る曲が多い。バックバンドはあまり出しゃばらずにWillieに花を持たせている感じなのも好感が持てた。かなり実力者ぞろいなのにね。

        会場内は、日本のブルース・ミュージシャンだらけだった。あっ、吾妻さんだ!


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