2012年6月19日第7回面白音楽祭(ThumbsUp) 世田谷きよしこと、きすのきよし。私にとっては、なんといっても東京おとぼけCatsのキー坊金太の還暦記念スペシャル。 台風が近づいているとあって不安がよぎるが、横浜へ。 なにしろ盛りだくさんということもあって、18時開場、19時開演と、ライヴハウスとしては早めのスタート。開場時間直前に到着したが、やっぱりサウンドチェックの真っ最中。店内から流れてくるのは、かの東京おとぼけCatsのネタ・・・と言っちゃいけない、ナンバー。これは期待できそうだ。 定刻スタート。立川談之助の司会で、まずは本日の主役きよしのトーク&ライヴ。自分がいつ音楽に目覚めたのかを語る。 小学校のときに校内放送でかかっていた『シンコペーテド・クロック』という曲が大好きで、あれに使われている楽器は何だろうと思っていたら、ウッド・ブロックという打楽器だったことを知り、それ以来、楽器に興味を抱いた事。 ラジオから流れてくる坂本九の『ステキなタイミング』に心踊らされた事。後にこの曲のオリジナルはジミー・ジョーンズという黒人歌手で、歌い方もそっくりだったのを知り、どうやらこの曲との出会いが黒人音楽に惹かれた第一歩だったらしい事。 クレイジー・キャッツの『ハイそれまでヨ』でコミックソングに目覚めた事。 ギターを買って高校一年生のときに、初めてのオリジナル曲『夢の中の物語』を作った事。 岡林信康の『私達の望むものは』に影響を受けて、オリジナル『それだけの事だから』を作った事。 19歳のときに横浜のディスコでデビュー。対バンが、キャロルの前身ヤマトだった事。 初めてのレコード・デビューはカルメンマキ&OZの『私は風』。そして正式なデビューはダディ竹千代&東京おとぼけCatsだったと言う事で、ダディ竹千代&東京おちゃらけCatsに繋ぐ。 ヴォーカルにダディ竹千代。ドラムスに一時期東京おとぽけCatsでも叩いていた四人囃子の岡井大二。うん? あれ? ギターとベースは若いオネエチャン。 一曲終えたところで、おいおいおいおい、ギターとベースのオネエチャンふたりが服を脱ぎだした! ウハハハハハハ、なんだこりゃぁ。服を脱ぐと水着姿! きよしも参加して、東京おとぼけCatsのデビュー曲『電気クラゲ』。ギターのオネエチャンはドライヤーでフィードバック奏法をやるは、ダディに水鉄砲で水をかけて、そのドライヤーで乾かすは、もう、ムチャクチャ。アハハハハ。さらにはベースのオネエチャンは、なかよし三郎ゆずりのなんでもピックで、大根を弦に擦りつけて大根おろし! 三曲目は、おとぼけといったらこれ、『銀座カンカン娘』。 ダディたちが抜けて、きよしの往年のネタ・コーナー。なかよし三郎ならぬ、なかよし五郎の登場で、「今日はいろいろゲストを迎えておりまーす」 ジェフ・ベック、ジョージ・ハリスン、ブライアン・メイ、ウォー、ポール・マッカートニー、イアン・ペイス、ハナ肇。 そして、待ってました、ジミー・ペイジ・・・ハタキ! これは知る人ぞ知る傑作ネタだね。ウフフフフフフ。イェイ! ストレート松浦のジャグリング。シガーボックスも普通にはやらない。三つのシガーボックスのひとつを別のものに変えてしまう。時計、サッカーボール! 風呂の椅子!! デビルスティックだって、センタースティックを変えてしまう。傘! そして工事現場の三角ポール!! もちろん皿回しだって、風呂桶! 「桶を廻してもOK?」 寒空はだか。ほう、いつも演芸関係のステージでは観た事がないネタをやってるぞ。憂歌団の『嫌んなった』がわかる客は、そうそう余所の場所にはいないぞ。尾崎豊の『15の夜』の歌詞を、沖縄民謡『十九の春』のメロディーで歌うなんてのも、お客さんを選ぶよなあ。もちろん最後は『東京タワーの歌』と『スカイツリー音頭・決定版』。 遠峰あこ。アコーディオンを弾きながら自作民謡などを歌うレパートリーの広い横浜の芸人。『東京節』『(プッチーニ)私のお父さん・京浜急行編』『茶目子の一日』『シウマイ旅情(崎陽軒のCMソング)』 サポートはアルトサックスの白庄司孝。 立川談之助。変身芸・懐かしのヒーロー。星飛雄馬(巨人の星)、スコット・トレーシー(サンダーバード)、8マン、怪傑ハリマオ、月光仮面。 時間が押しそうなので、ここで、めおと楽団ジキジキの登場。とりあえずいつもの演芸ネタ。中に音楽コーナーを作り、ちゃんと歌う姿も挟んで、デコ弾きコーナー。ここでハプニング。興が乗ったカオルコが、なんと落ちていた大根でピアニカを弾くという暴挙に。これでピアニカは哀れオシャカに。音が出なくなる。ウハハハハハハ。これだから、おとぼけ系ライヴは何が起こるかわからない。 鈴々舎馬るこ。こういう場所で落語を演っても受けるわけがない。『秋田音頭』の春歌版。歌詞は・・・書けるわけない。 露の新治。上方の落語家だが、ちょうど鈴本演芸場に出演中。トリを取っている柳家さん喬に、ジキジキへ色紙を描いてもらったものをプレゼント。うらやましー。爆笑の小噺『ウクレレ・サンド』のあとに、こちらも『ドンパン節』の春歌版。 川柳つくし。もちろんウクレレ漫談『来世頑張れ』。お客さんがみんなで♪来世頑張れ〜 の部分を合唱。 関西の大物芸人との紹介で現れたのが、明石家さんま・・・ではなく、さんまのモノマネで売っている、ほいけんた。この人、以前、きよしとコンビでバラキングという名前でテレビに出ていた時期がある。さんま以外のモノマネもできるぞと、草g剛、クリス・ペプラーをやってみせてくれる。さらにふたりで、バラキングのネタ、『留守電のCM』を披露。これ、可笑しいなあ。 終演時間も迫って来た。ここで、今年期間限定復活したエージ(高田エージ)&テツ(杉原徹)の登場。いやあ、いいねえ。期間限定なんて言わないで、また一緒に演ればいいのに。息がぴったりじゃないか! テツは芸達者でもある。『還暦の舞い』と称して、犬の人形を相手に怪しげな踊りに、これまた怪しげな手品。オリジナル曲『ふたりでやれば』は、エージ&テツのテーマでもあるし、きよし、カオルコの、めおとコンビに贈る応援歌。ラストは『私の青空(My Blue Heaven)』で大盛り上がり。ジキジキのネタを挟むなど、遊びも忘れない。 トリに再び、めおと楽団ジキジキ。台風が気になるところだが、カオルコは「帰れなくなったら、蒲田のインターネット・カフェへ行こう」と叫ぶ。オウムの高橋じゃないんだから。バックにベースとドラムスも入って、『イッツ・ア・スモール・ハウス』。ハタキを振りながら客席中をお客さんと行進するネタだが、いつもは子供が多いときのネタ。でもお客さん、歳を忘れて元気だね。次がお客さんも知らず知らずに合唱してしまう『ロックンロール・コレステロール』。ここでもカオルコが暴走。マイクスタンドも譜面台も蹴り倒す。声楽家にはあるまじき暴挙。アハハハハ。なんだい、ライヴハウスの中は台風でもやってきたよう。ロックに目覚めたんだね。ラストナンバーはふたりで、静かに心に沁み入るような『歌星』でお開き。 外は・・・やっぱり台風じゃん。 6月24日記 静かなお喋り 6月19日 静かなお喋り このコーナーの表紙に戻る |